北欧ジョーク「愛おしき隣人」
2009年 10月 04日「愛おしき隣人」は謎すぎる映画でした。監督は、私が勝手に決めたアンダーソン3大巨匠の一人、スウェーデン人のロイ・アンダーソンです。前作は「散歩する惑星」こっちもいい意味で謎でした。
ちなみにあとの2人は、ウェス・アンダーソン(ダージリン急行/ザ・ロイヤル・テネンバウムズなど)と、ポール・トーマス・アンダーソン(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド/マグノリア)です。私が好きな映画監督で、彼らはアメリカ人ですが特に意味はありません。あと他にアンダーソンって名前の監督を知らないだけ…
あらすじは説明出来ません。テーマとかさっぱりです。スウェーデンの街に住む様々な人たちの、ちょっとした日常を淡々と写しているだけなのに、美術とかアングルとか、言葉遣いとか“間”が独特で、普通じゃない空気を持っています。恐ろしい夢とか、絶望的な気分とか、喧嘩した日とか、イラっとする時とか、そんな暗いエピソードばかりなのに、笑えたり温かい気持ちになるのはなぜだか不思議です。
マイナスな出来事をマイナスと捉えずに、一歩引いたところから笑い話として捉えているような変な余裕も感じるし、登場人物たちは確かにタイトルどおり、見ていると“愛おしい”気持ちになります。でもブラック・ジョークっていう見解が一番正しい気も…。「ラストオーダーだよー、明日がまたあるからー」ってセリフとか、何とも言えないけど、なんともいいです。
謎のくせに、笑いのセンスとか、美術とか音楽、人選のセンス、あらゆる部分で共感できて、私にはかなりのヒットでした。好き嫌いははっきり分かれそうですが…。
昨年の春頃に公開された映画ですが、今でもホームページがあってとてもかわいかったです。不思議すぎる予告も観られるので、気になった方はぜひ見てみて下さい。


