アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

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「脳内ニューヨーク」でモヤモヤした。

「マルコヴィッチの穴」の脚本で有名なチャーリー・カウフマンの初監督作品、『脳内ニューヨーク』観ました。他にも彼が脚本の「エターナル・サンシャイン」「コンフェッション」なども面白かったので、期待していましたが、ここまで暗い気持ちになる映画だったとは驚きました。

『人気劇作家のケイデンは、突然妻と子供が家を出て行き、原因不明の病にかかり、人生のどん底に。そこへ突然の「マッカーサー・フェロー賞」受賞の知らせと大金が届く。彼はそのお金と有り余る時間とすべてを費やして、“自分の頭の中そのものの舞台”を作り始めるのです。』

とにかく主人公ケイデンがネガティブ思考すぎて終始イライラしました。最初は自由な奥さんが彼を捨ててしまい同情もしたけれど、あまりにも病気がちで愚痴っぽい彼にだんだん嫌になってきて、奥さんの気持ちも分かるような気がしてきました。
賞をとって創作意欲を取り戻していくかと思うと、自分のモヤモヤをそのまま舞台化しようとして、まわりの人間は必死に彼についていこうとするけど、彼の心は永遠に満たされなくて…。彼も可哀想なんだけど、彼のことを好きなまわりの人々も可哀想。結局自分は孤独と思い込んで、愛されていることに気がつかなかったり、気づくタイミングが遅すぎたり。なんだか悲しいことだらけ。
カウンセラーの変な女も、ケイデンが悩んでいる時はポジティブに励まそうとするのに、彼が「新しい舞台を構想しているんだ!」と元気になると、急に「生きてる間にやった方がいいわ…」と嫌みを返してくるという最悪なタイプの人間だったり。
ところどころ爆笑シーンもあるけど、私にはそんないや〜な気持ちになる部分ばかりが妙に目立つ映画でした。これが本気で監督の脳内なのだとしたら、悲しすぎます…。

きっと誰だってネガティブ思考との戦いは毎日あるけど、この主人公のような「自分はネガティブです」っていう開き直り?それって意味あるのかな…と思ってしまいます。監督はこの映画で何を表現しようとしたのか、毎日何を考えて生きている人なのか、考え込んでしまいました。それにどこまでが現実で、どこまでが主人公の妄想なのかの境界線も難しくて、長い悪夢を見ているようでした。「結局は感覚の違いなんだろうな〜」と、頭の良くない私はそういう解釈になりました。

でも気に入った部分もあります。美術や音楽に期待していたけど、それよりもよかったのは意外にも出演者でした。「彼が2度愛したS」って映画で主役だった時も素敵だったミシェル・ウィリアムは、この映画でも危うい魅力が素敵で一番好きな登場人物でした。他の出演者もみんな人選は独特でよかったと思います。フィリップ・シーモア・ホフマン、さすがに演技うますぎです。


この映画、好きか嫌いかで言ったら嫌いで、でも、面白いか面白くないかで言ったら面白いです。監督と感覚が合う人には大ヒットな映画になる気がします。きっとずっと忘れない映画です。必ずなにか感じられる映画なので、気になった方は劇場にどうぞ…。
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by pop-cult | 2009-12-02 23:20 | 外国の映画