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アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

ロード・オブ・ザ・リングとちょっと暗い話

誰にでも、自分にとって特別な存在の映画っていくつかあるものかな?と思うけど、私にとって特別な存在の一つが、ロード・オブ・ザ・リングです。

ロード〜を知ったきっかけが、祖父が原作を読んでいたことでした。私の祖父は、お腹が出てて足が細くて、白髪を小さく結んでいるアメリカ人で、戦争で日本に来て以来、国に帰ったことなどなく、それどころか、めったに車や電車にのりません。遠出が嫌いで、近くで経営する英語塾に行ったり、公園を散歩したり、石やカラスの羽根や蝉の抜け殻拾ってきたり、レゴを作ったり、折り紙折ったり、本を読んだりしてました。
熱心に指輪物語を読んでいた姿をよく覚えています。「え?指輪物語って、指輪を捨てるんだ?探すんじゃなくて?」みたいな会話をした記憶もあります。
ロード〜が映画化されると知って、祖父を誘ってレイトショーで近所の映画館に見に行くことになって、一緒に映画館に行くなんて始めてて凄く嬉しい出来事でした。
観る前はチラシを祖父に渡しに行ったり、祖父が昔録画していたアニメの「指輪物語」のビデオを借りて予習したり、ちいさなイベントになってました。

レイトショーだったこともあって、父と母は途中寝たと言っていたけど、私はかなり感動して興奮状態で、なんだか凄いものに出会ってしまった気持ちになりました。
祖父も原作の雰囲気と合っているとなかなか満足の様子。それをみて私も満足。
私は映画そのものの内容と祖父と一緒に観たという二つに感動して、特別な気持ちになったんだと思います。

二つの塔も同じメンバーでレイトショーを観に行って、私はガンダルフが姿を現す度に号泣しました。それにファラミアもかっこよくて心を奪われました。
その後祖父は王の帰還の公開より前に突然死にました。

王の帰還は3人で観にいきました。旅の仲間、二つの塔ときて、王の帰還に対する私の期待はかなりのものでしたが、その出来は裏切ることは全くなく、期待以上の最高傑作でした。
一番最後、指輪を捨てて普通そこで終りそうなものが、この映画の本当に凄い所はその後だと私は思います。癒されない傷もあるなんて、そんな終わり方のファンタジーなんて他にないと思います。私はその終わりのシーンが祖父の死と重なって、はじめて味わう種類の悲しい気持ちになりました。
でもその悲しいって?空しいでもない。会いたいでも足りない。自分の心が激しく動いた時って、言葉にならない。この映画をみて本当に心から感動した時も、言葉では表せないものなんだなって、その時私は知りました。

DVDになってから、ロード〜を私は何回も何回もみました。何回も観ていると、感動するシーンがその度に変化します。ストーリーはもちろん、役者の表情だったり、有り得ないくらい細部にこだわった美術だったり。監督のコメンタリーを聞いても、ものづくりに対する熱い気持ちにも脱帽し、同時に私もやる気が湧いてきたのを覚えています。
でもやっぱりこの映画の感動を言葉にするのは難しい。最高!とかやばい!とか書いても書いてもまだ足りない感じがする。大袈裟に聞こえると思うけど、この映画から沸き上がる熱?力?を言葉にはできない。
祖父が死んだことも言葉にはできない。祖父が大好きだったけど、そのことを母に言おうとしてもうまく出来ない。
ロード〜は私に、言葉にならない感情があるということを教えてくれたのかなと思っています。ちょっと人生観が変わるようなことを教えてくれる映画はそんなに出会えるものではないです。


くどくどと暗い話を書いてしまったけど、観る度に重い気持ちになってるわけではありません!!それでも私は楽観的な人間です。

ついこの間、近所の古本とおもちゃを置いてる店で、何とミナス・ティリス(王の帰還に登場するゴンドールの首都)の置き物を見つけて買いました!!!かっこよすぎる。
後から気付いたら、それは底が開けられるように出来ていて、小物入れになってました!早速母に「私がママより先に死んだら、このミナス・ティリスに骨入れてね」と頼んでおきました。うーん。

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by pop-cult | 2007-07-15 23:58 | ファンタジー映画