アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

ダークファンタジー「パンズ・ラビリンス」

エンドロールが終わっても頭が軽いパニック状態でした。ファンタジーなんてもんじゃない。グロテスク。ホラー?何だろうか、こんな映画観たことない。ダークファンタジーっていう新しいジャンルを産み出してます。絶賛される理由が分かります。

前に「デビルズ・バックボーン」って映画を見たときに、ホラー映画とされていたけど、独特な空気を持っていて怖さの種類が他にない感じというか、とても印象に残ってました。でも「パンズ・ラビリンス」と監督が一緒なのは後で知って、全然違う内容だと思っていたら、意外と共通するところがたくさんありました。核になっているのが戦争っていう所と、戦争によって人が狂ってしまう、そのおぞましい様子がねっとり描かれてる所とか。それに結局本当に『悪』なのは、霊とか怪物とかそんなんじゃなくて『人間』なんだという所も同じでした。

ファンタジーって、現実では不可能なことが可能な世界で、すごく夢があるものに見えるんだけど、結局は作り話だし存在しないわけだから、ただの現実逃避でしかないって言ったらそれまでで。そう考えると本当は救いとか全く無いんですよね。(←これは一緒にパンズ・ラビリンスを観に行った友人が、観終わってから話してくれた)
でも「オズの魔法使い」とか「不思議の国のアリス」なんかは、最後には「結局おうち(現実)が一番!」って結論で、よくよく考えるとすごくハッピーな話で、そのオチこそが夢に思えます。

「パンズ・ラビリンス」が他のファンタジーと違うのはそこで、結局おうち(現実)がまるで地獄で、とても生きていけそうにない「だから逃げましょう、妄想の世界に」っていう、ファンタジー世界が最初から完全に『逃げ場』として描かれてる所なんです。そんな後ろ向きな発想のファンタジーなんて初めてです。ダークファンタジーってジャンルは、ただ単に登場するキャラクターがおどろおどろしいからだけじゃなくて、ファンタジーを初めてダークな視点で撮ったものなんだって思いました。

アカデミー賞で美術賞をとってるから、幻想世界のシーンの美術に超期待していた者にとっては、映ってる時間が短くて「もっと観ていたい」ってことでちょっとだけ物足りなさも感じたけど、たしかにどのシーンもすごく気を使っているのがわかる美術で納得でした。現実世界のシーンのセットも廃虚みたいにボロボロなんだけど、ただ古いだけに見せないセンスの良さが流石です。パンや、子供を食べる怪物のような無気味なキャラクターたちも、一歩間違えると映画全体を安っぽくしてしまう難しい存在って思っていたけど、CGに頼りすぎてないからなのか、素直に惹かれました。クオリティ高すぎ!その点は私が大好きなロード・オブ・ザ・リングを越えました!(自分のランキングの中で)

実は公開初日の初回に観ておきながら、感想を自分の中でまとめるまでにかなりの時間がかかったこの映画。消化に時間がかかる胃もたれダークファンタジー。トラウマ防止のPG-12です。
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by pop-cult | 2007-10-17 23:29 | ファンタジー映画