アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

カテゴリ:日本の映画( 8 )

ゆったりと心が休まるような映画が観たくなって、「ホノカアボーイ」を観てきました。
岡田将生演じるレオは大学を休学し、ハワイの田舎町ホノカアの映画館で住み込みのバイトを始めることに。そこで暮らす人たちとの心の触れ合いを、綺麗な景色とおいしそうなご飯で綴った映画。短くまとめるとそんな感じです。

観る前に期待していたのは、ハワイ特有のゆったりした空気感と穏やかな景色でした。もちろんその二つを感じることもできたけど、そこよりもレオと町の人(特に倍賞千恵子演じるビーさん)とのやり取りと、徐々に親密になっていくストーリー展開が良かったです。驚きとか、新しさとか、リアリティーは感じられなくても、丁寧さを感じられたので好印象でした。それに死んだ人間と普通に会話するシーンがあったり、意外とファンタジックなところも良かったです。
「おばあちゃんが少年に恋をする」みたいな話は、現実に置き換えたら「かわいい」の一言では片付けられない複雑なテーマだと思うけど、そこをサラッと素直に観させてくれる不思議な魅力があります。そのビーさんの洋服もお家の中もかわいくて、あんな風に年を取れたらいいなと感じます。いくつになっても、自分を飾ることと部屋を飾ることは大切なのですね!

あと前から素敵だなと感じていた長谷川潤さんは、これが映画初出演らしいけど、どの出演者よりも演技が自然と言っても過言ではないくらい上手い!本当に驚いて、ますます彼女が好きになりました。明るくて健康的で、それでいてセクシー。声もかわいいし、性格も良さそう。だれか彼女の駄目な部分を見つけてくれって感じです。岡田くんがハッとする表情も本気にしか見えませんでした。
そんな素朴な岡田くんもとても魅力的で、彼の屈託ない笑顔に和みます。イケメンパラダイスに出ていた人たちって、なんか大活躍ですね、みんな。その中でも私は断然岡田派。


イケメンつながりで、実はどうしても書き込みたかったのは「美しい男性」という番組について。日曜の深夜、BSで放送されている超シュールなこの番組をご存知でしょうか。仕掛人は松尾スズキ。彼が銀髪のヅラをかぶり、アンディ(アンディ・ウォーホルのように美しい男性が好き)というキャラクターで登場し、「みんなで美しい男性になろうよ」という番組。
本当に綺麗な顔をした男性たちが「一番綺麗なおしりをした犬」を探したり、『美しいとも』という『笑っていいとも』のパロディをやったり。まさに下品版イケメンパラダイス。松尾ちゃんのセンスはハンパないです。一体どこから連れてきたのか、出演しているイケメンたちも笑いのレベルが高すぎて、「美しい顔でここまでハイレベルな笑いを提供できるのですね」と脱帽しました。イケメンの新しい可能性を見ました。彼らは捨て身です。
しかもDVDが出るらしいです。欲しくはないけど見たいです。ホノカアボーイのやさしい笑いにもどかしさを感じた方、ただのイケメンでは満足できない方、美しいという概念を破壊したい方、こちらをどうぞ。
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by pop-cult | 2009-04-11 00:37 | 日本の映画
中谷美紀さんの「自虐の歌 日記」を読みました。内容は中谷さんが自虐の詩の撮影前後にミクシィに書きこみしていた日記です。
この映画で私は装飾助手をしていたので、この中谷さんの本はずっと気になっていたのですが、楽しかった思い出よりも辛かった思い出の量がやや勝っていた私は、今までずっと気になりながらも読む気にはなれませんでした…。
でもなぜか急に、無性に読みたくなって、買ってその日のうちに読み終えました。やっぱり辛かった思い出もあるけど、中谷さんの文章が面白かったおかげか、楽しかったこともたくさん思い出して、ひとりで思い出し笑いをしてしまったり。
そんなわけで、私にも撮影の時の思い出話を書かせてください。


やっぱり一番思い出深いのは日活のセット!本の表紙にもなっている路地は作り物です。2階の窓に洗濯物を吊るす作業は、足場がかなり危険な状態で作業をしていたので「いつ落ちるんだろう」ってかんじでしたが、出来上がりを見るとやっぱり嬉しくなるものです。
塗装部さんが「汚し」をしていくと、どんどん路地全体に古さが出てリアルになっていきます。私も自分が設置した看板やポスターに、雨、風などによってできたと仮定した汚れを足していく作業はすごく楽しかったです。でも鏡を自然と古く見せる汚しはすごく難しくて手こずっていたら、丁寧にレクチャーしてくれた塗装部さんがいて(午前1時とかにもかかわらず)その優しさで私のイライラと眠気を吹き飛ばしてくれて感謝でした。
セットは路地だけではなくて、幸江(中谷さん)と小春(カルーセルさん)が住むパンション飛田や、マスター(遠藤憲一さん)と幸江が働く食堂·あさひ屋も一緒に作られました。そのあさひ屋の中で、美術部さんやら大道具さんやらとご飯を食べた時は、架空の食堂に迷い込んだみたいって思いました。セットっていう作り物の空間で普通に過ごす時間が、やはり奇妙で面白い経験でした。

面白い経験といえば、幸江が倒れて運ばれる病院のシーンです。撮影場所は今は病院としては使われていない建物で、普段から撮影用に頻繁に貸しているところらしいのですが、そうは言っても慣れてない私にとっては廃墟そのもので、かなり怖かったです。その上病院のシーンは自分が装飾担当していた場所だったから、いろんな意味でテンパってしまいました…。朝から手を滑らして血朔はかぶるし、よっぽど挙動不審だったのか他のスタッフにも「今日、顔がマジだ」と爆笑されるし。
やや廃墟病院の雰囲気にも慣れてきたころ、撮影には使っていないはずの部屋の前を通った時のこと。その部屋だけ昔の学校みたいに木の机が並べられていて、そこにおじいさん、おばあさん、女子高生などなどたくさんの人が座っているのが視界に入ってハッとしました。撮影しない場所になぜこんな人たちが!?と驚いて立ち止まると、全員こっちを見てるではないですか!まさか私にだけ見えるのか!?ついに私も江原さん側の仲間入り果たしたか…!?
って思ったら、ただエキストラさんたちの待機場所だったっていう。面白いというより自分にとっては恐怖体験でした。

他にも半分ネタみたいに、嬉しかったこと、怖かったこと、笑えたこと、とにかく色んなことを思い出しました。朝5時に集合して次の日の朝8時まで撮影したこと(しかもパチンコ屋の音楽を爆音で何時間も聞きながら夜が明けた)、重い荷物を運んでいたら俳優さんが「運ぶよ」と気づかってくれた(なんてフランクな人なんだ)、日活の中でトラックをオーライオーライと誘導していたら他の映画の外国人エキストラに真似されたこと、気仙沼の魚介が新鮮だったこと、年が近いスタッフ同士で恋愛話(今でもたまに飲む中だったり)などなど、あげるとキリがないです。
今思い出したのが、気仙沼の撮影なども終了して、もうスタッフがこうして集まるのもついに最後という日。中谷さんからすべてのスタッフにお花が配られました!中谷さんの撮影はもう終っていたのに。あれは感動しました。

中谷さんは大好きな女優さんの1人です。元々好きでしたが、仕事に対する姿勢や、全員のスタッフの名前を覚えてくれるところ、誰に対しても気さくな態度であることも知って、素晴らしい人だと感じたからです。
その時は中谷さんはきっと「女優という職業が本当に好きで、すべてを仕事に注いで生きている方なんだろうな」って思っていました。そこがすごいところなんだけど、「私とは全然違う世界の人だし、私はそこまでこの仕事を心からは楽しめないな」なんてことをぼんやり考えていました。

でも、日記を読んで驚きました。中谷さんは、凄いプレッシャーで逃げ出したいくらいだったようで、撮影中は何度も映画なんてもう出ないって思ってたみたいです。仕事命というより、自分の時間も大切と考えるようで、あの忙しさの中、頻繁に自炊していてびっくりでした。それに本のあとがきには、『「撮影に携わる人間の非常識な行い」にショックを受けた』ということが書かれていて、そこが一番驚きました。中谷さんがショックを受けたこととは「通行中の人々を無理矢理足止めする」とか「大声で仲間をなじる」とか「深夜もこうこうと照明を灯す」とか「他人の靴を平気で踏み付けて歩く」などなど、私も疑問を持ちながらやっていた(または、されていた)ことでした。でも映画の現場は、そんなこといちいち気にしていたら仕事にならないでしょ?っていうことなんです。それが当たり前の世界なんです。
あんなに沢山の映画に出演している女優さんが、そういう「現場では当たり前」であっても「普通の人の非常識」だってことを忘れずにいて、疑問をもちつつも我慢して、仕事を全力で頑張っているんだなーって思ったら、更に尊敬してしまいました。たまーに漫画の世界のように、下っ端スタッフにはゴミのような態度をとる人もいる中、名前まで覚えてくれて、体調まで気づかってくれるような主演女優さんって、なかなか居ないと思いました。そんなわけでつい熱くなってしまいました。

病院のシーンの装飾はツッコミ所満載なので、目をつぶって欲しいけど、映画自体はかなり面白いです。爆笑しつつ、うっかりしていると泣きます。中谷さんはもちろん、阿部寛さんのしゃべらない演技も最高。というより出ている人みんな面白い。超細かいところに監督の笑いのセンスが光っています。気仙沼のシーン(幸江の中学生時代)もおすすめです。
こんな長文を読んでくれた人ありがとうです。(毎回長文だけど)もし観た人いたら感想きかせてください!
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by pop-cult | 2008-09-04 01:58 | 日本の映画
映画の装飾の仕事をしていたときの上司が、「ザ・マジックアワー」の招待券をくれたので観てきました!
知り合いが何人か関わっている映画だし、美術監督は私が昔から尊敬している種田陽平さんだから、やっぱり一番注目したのはセットです。
種田さんは日本を代表する美術監督で、「スワロウテイル」や「不夜城」、「キル・ビル」、アニメーションの「イノセンス」などなどほんとに幅広く活躍している人です。その種田さんが今回マジックアワーのセットについて語るトークショーが開かれて、その話を聞いていたらますます映画が見たくなりました。(しかもそれだけすごい人なのに謙虚なところもよかった)

昔って、街のセットを作って撮影するってことが主流だったみたいで、ヌーヴェルヴァーグ(50〜60年代フランス映画界の新しい波の事らしい、ゴダールとかトリュフォーとか)あたりから、外でそのままの街で撮影することが増えたらしいです。で、マジックアワーは逆に街ごと作っちゃう面白さを出そうって感じで、あーゆーセットになったみたいです。台詞にも「ここはまるでセットのような街だ…」って出てくるし、その発想は新しいなって思いました。
メインで登場するホテルを中心にY字路になっていて、道が妙にくねくねしているのも、道がまっすぐだと、街の奥の方までちゃんと写らないからあえてくねくねさせたみたいです。確かにちょっとしたシーンでも、背景が面白い感じに写っていたので、種田さんはこういうことがしたかったんだろうなーってにんまりしながら観ていました。


あと今回、セット以外にはとくに何も考えずに見始めたのですが、意外にもヒットしたのが主演の佐藤浩市さん!!二枚目俳優が、なんであそこまで面白くなれるのか!それにやけにリアル!あの役を佐藤さんでいこうって決めた三谷さんも「なかなかチャレンジャーだねー」って思うくらい濃い役だったけど、完璧にやり切っててあれは脱帽!
私は大学生のころに、自主映画サークルに片足を突っ込んでいた時期があって、その時に一度40代後半の俳優さん(マイナーなヤクザ映画とかに出演しているという方)に会ったことがあります。その人は突然大学生を相手に「演技とは」って話をファミレスのコーヒーカップを使って熱く語り出すような人でした。やっぱり他の40代サラリーマンとは雰囲気も話し方も全然違っていて、どこか不思議で、何年も前に一度会っただけでもずっと覚えていました。マジックアワーの佐藤さんを観てすぐにその俳優さんを思い出しました。
俳優って職業は知名度が低い人と、知名度が高い人とは対極な見られ方をするし、扱いも天と地の差があるような独特な職業だけれど、どっちにしてもやっぱり自分の仕事に誇りを持ってる人ってなんかいい、人間として。あの佐藤さんも、かなりギャグで最初は散々笑わされたけど、最後の彼の涙にはグっとくるものがありました。

コメディーって言ってもすごく希望がある映画で、三谷幸喜さんの笑いのセンス自体も全体的に温かいなと感じました。
私は正直松尾スズキさんの笑いのセンスがツボなので、ちょっとぬるいって感じる所もあったけど、松尾ちゃんの笑いはグロいし汚いから多分好き嫌いが別れるんです。でも三谷さんの笑いは嫌いな人ってそんなにいなそう。三谷さんの笑いは優しかったです!
今度は「王様のレストラン」観てみようかなって思いました。
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by pop-cult | 2008-07-05 00:26 | 日本の映画
めがね」観てきました。こんなに波がなくサラリと終わる映画ってはじめてでした。ひたすら食べて気がする。またその食べ物がどれもほんとに美味しそうで、でも普段テレビの特集に出てくるみたいな絶品料理!みたいな派手さはなくて、シンプルというか素朴な料理ばかり。梅干しが食べたくなる。小豆だけのかき氷が食べたくなる。ロブスターが食べたくなる。そんな単純で平和な気持ちになれます。主人公がかき氷を食べて、海を眺めて黄昏れるシーンを観ていたら、なぜか泣きそうになりました。ほっとしたから?不思議な感覚の映画でした。
一緒に観ていた友人の一人は「かもめ食堂」を結構気に入ってたみたいで、比べちゃうとあまりの波の無さに疑問だったらしい。でもこの監督の映画をはじめて観た私には、監督の撮りたかったものが素直に出ているように感じて好印象でした。衣装も美術も、映像の撮り方も、登場する料理同様に、余計なことしていないんだけど、シンプルな中にセンスの良さを感じました。台詞も少ない中に、響く言葉がいくつかあって残ります。一番のお気に入りは『梅はその日の難逃れ』って言葉。朝、梅干しを食べると難逃れできるらしくて、思わず実行しちゃいました。おいしい梅干し探そう。
そういえば、最近あまり当たらないな〜と感じでいた「プログラム」だけど、めがねのプログラムはとても良かったです。写真もきれい、メルシー体操も載ってるし。

今回珍しく、友達3人と観て、映画って一緒に観にいく人も大事かもって思いました。3人とも年上で、って言っても普段年を意識してないんだけど、なんか心地がよいメンバーで、「めがね」とそのメンバーの組み合わせが絶妙だったなと、一人で感動してました。映画の後でご飯を食べた帰りに、一人が「少し歩かない?」って最高の提案をしてくれて、渋谷から高田馬場まで歩きました!最初は新宿までの予定が、楽しくなっちゃて、途中で終電が気になって池袋までは行けなかったけど、あんなに歩きながら話すってだけなのに楽しいなんて。いい映画と、おいしい御飯と、あたたかい友人は宝ですね。
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by pop-cult | 2007-10-15 11:25 | 日本の映画
山口小夜子さんが亡くなったというニュースをみて、「ピストルオペラ」をまた観てみることにしました。ピストルオペラは前から大好きで何度か観ている映画でした。中でも山口小夜子さんのキャラクターはダントツ光っていました。

大学生の頃に、東洋美術か何かの授業でこの映画を流していて、はじめて観た時は意味も良さも分かりませんでした。でも友達が絶賛していたこともあり、なぜか頭にはずっと残っていて、再び観てみたらハマってしまいました。
最初は怖いものみたさに近い感覚で観ていたけど、鈴木清順監督の映画は慣れてしまえば気持ちいいものです。意味が分からない動作、作りすぎている演出、若干会話になっていない台詞、独特な間、人と人との距離(近すぎたり遠すぎたりする)が、観ているうちに気持ち良くなってくるんです!怖さと面白さが混じって快感なんです。
あとはなんと言っても美術がすごい。『映像美』ってことで選ぶなら「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」「夢ニ」の方が素晴らしい芸術作品だと思います。でも「ピストルオペラ」は「美」に「チープさ」が入って、更に意味が分からないことになってるんです。安心して観ていられない、狙いがよく分からない、笑ったらいいのだか、怖がればいいのか。それこそ人の夢の中のチグハグな世界をうっかり覗き見させてもらっているような、落ち着かない気持ちにさせられます。
特に『世界怪奇博覧会』という場所のセットは爆発してます。宮殿のような柱に、人体が沢山吊るされ(白骨化してるものから、腐敗したのも、死んだ直後のようなものまで…)劇画タッチのキリストの絵のパネルやら、ホルマリン漬けの胎児やら、とにかく狂ってます。悪夢です。全体的には、場末の遊園地の故障したお化け屋敷のよう。そこに狂った博士が住み着いて、勝手に博覧会をはじめてしまい、もう誰も止められない、みたいな…。そこでの江角マキコ(野良猫)と山口小夜子(百目)の殺し合いシーンは必見です。かっこよくて怖くて笑えます(ちょっとキル・ビルを思い出します)

江角マキコさんの着物がかっこいい。どの着物も最高です。私は着物に詳しくないけど、この着物たちだけでも観る価値ありってくらいどれもツボでした。基本、黒なんですが、やっぱ着物は黒ですねー。

それに山口小夜子さん。亡くなったというニュースで、沢山のデザイナーがコメントを発表していたのを聞きました。その中に「彼女自身が表現者だった」と言うようなコメントがありました。ほんとに「ピストルオペラ」を観ていると、山口さん自身のオーラというか、風格が他の人とは違うことが一目瞭然。あの役は山口さん意外考えられません。浮き世離れした空気と品の良さにやられました。映画の中の台詞で「どうせ死ぬなら花々しく死にたい」ってありました。まだ若いのに亡くなってしまったのは残念ですが、亡くなる前にこんな「ピストルオペラ」のような山口さんの味を生かしきった映画に出演することができて良かったのではないかなと、勝手に思いました。
そんな勝手に追悼・山口小夜子な一日でした。

鈴木清順監督の一番最近の「オペレッタ狸御殿」は、ラップが始まった時点でギブアップしたけど、この独特な世界観で次は「和製・不思議の国のアリス」なんて観てみたいな〜って妄想してます。シュバンクマイエル、テリーギリアムに続け!と。
でもラップだけはナシでお願いします。
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by pop-cult | 2007-08-22 20:12 | 日本の映画
全く期待しないで観たら、面白すぎて観終わったらすぐ友達にメールしてしまった映画です。夏休みのキラキラした、でもちょっと切ない気分が味わえます。

SF研究サークルに、ひょんなことからタイムマシーンが放置されているのを発見し、「これ使って昨日に行って、壊れる前のクーラーのリモコンを取りに行ったらいいのでは!」と閃いてタイムスリップするっていう、なんともバカバカしい話に聞こえるけど、ほんっとよく出来てます。コメディをバカにしちゃいけません!昨日と今日だけのタイムスリップでこんなに面白いなんて!

元々は、ヨーロッパ企画という劇団の作品で、その舞台を見た監督が面白かったので映画化したみたいです。それで映画にも脚本とか出演者にヨーロッパ企画の人が参加してることもあって舞台っぽさがかなりあります。わりと会話が中心で台詞も多いです。けど映画だから、ひとつの部屋だけじゃなくていろんなシーンがあってかなりの見ごたえです。

気に入りすぎた私はメイクングも見てみました。そしたら一回二回見ただけじゃ気付かないような所にもすごくこだわってたことを知りました。薬局に貼ってあるチラシが、映るたびに変化してるんです!一回で気付く人はまずいない!そういうちょっとした遊び心がたくさんあって、楽しんで作ってることも伝わってきます。見つけると嬉しいし、観る人を楽しませようって意図も伝わります。
台詞も一言一言センスがあって、観終ったら絶対使いたくなります!「それ言いたいだけだろ?」とか「黒とか白とかどうでもいいよ」とか「ハリキリスタジアム!」とか無駄に言いたくなる台詞が満載です、というか実際使ってます。
また、「ブルース担当」の瑛太と上野樹里のやりとりもかわいいです。青春っていいな…って気持ちになります。それにエンディングのトミー・ヘブンリーの曲もせつない!甘酸っぱい!私はエインディング曲がいいと、その映画の評価がぐんと上がるので、これはナイス選曲でした。

夏らしい映画を観たい人と、バック・トゥ・ザ・フューチャーは2が一番好きな人はぜひみてもらいたい映画です!とにかく最初の15分を、ちょっとだるくても我慢してしっかり観ておけば、あとは楽しくなる一方ですよー。
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by pop-cult | 2007-08-21 20:58 | 日本の映画
笑いのツボは人それぞれだから、誰もが爆笑できるとは思わないけど、私が大好きな日本の笑えるバカ映画を3つ書きたいと思います。

「けものがれ、俺らの猿と」
まずすごいなぁと思ったのは、言いたいこと全然分からないところです。それに監督の須永秀明さんはドラゴン·アッシュやスガシカオのPVの監督として知っていたから、あの土臭い映像は結構衝撃を受けました。主役の永瀬正敏さんもハマり役。私の中では「浜マイク」とか「パーティー7」の印象が強いから、シリアスな永瀬さんよりダメ人間キャラの永瀬さんのが親しみがあります。けものがれ~ではダメを通り越して最後は狂っちゃうけど、炎の中をキャベツが舞いながら焼きそば作るシーンは大爆笑です。鳥肌実さんの「肉食え」とか、名言を沢山聞けます。音楽もゆらゆら帝国とか基本的にキモくてあの世界観はありえない、変な気持ちになれること間違い無しです。

「恋の門」
監督の松尾スズキさんの舞台はまだ見たことないけどエッセイを読んでて、言葉のセンスがすごいなぁと思ってて、この映画を観たら、言葉も間もキャラクターも、とにかくあらゆる場所で松尾センスが光ってました。出演者は良い意味で全員キモい(キモさを演じてるって意味で!)キスシーンもなんかグロい。コスプレイヤーももちろんキモいんだけど、ちょっと古めのアニメが多いのが面白い(ど根性ガエルのコスプレ太っちょ四人とか)基本はラブストーリーだけど、何回観てもあまりストーリーと関係ない台詞や仕草で爆笑しちゃいます。ちなみに私的な見所は松尾さんが脚立から落ちて綺麗に着地する所と、大竹しのぶさんのメーテルです。

「県道スター」
これは中野裕之監督のSFシリーズの一つ「ショートフィルムズ」の中のピエール瀧が監督をしたショートフィルムです。さすがピエール。音でかなり笑えます。
ちなみにこれは、前にバイトしていた映画館にピエールが舞台挨拶で来た!という思い出があってちょっと特別なのです。内容はもちろん下らなくて最高だけど、印象に残ってるのが、たまたま舞台挨拶の前に廊下でピエールの横を通った時。ピエールは誰かと会話していたんですが、聞こえてきたのが「新しいジャージ買わなきゃなぁ」という言葉でした。その一言も、映画の下らなさも、元々のピエールの印象のまんまでなんか嬉しくなりました。もう、どんな会話?

3つともタイプは違う映画だけど、下らないものを本気でやってる感は共通しているので、そーゆーおバカ映画が好きな人におすすめです!

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by pop-cult | 2007-08-07 00:33 | 日本の映画
公開されてから6年近くたっても、私の邦画ナンバー1はこの映画です。
大学生になりたての自己紹介の時「リリイ・シュシュのすべてという映画が好きです」と言ったことがあるくらいです。でもしばらくして友達が「薦めてたから観てみたんだけどさ、全然良くなかったんだけど、何が好きなの?」と本当に不思議そうに聞いて来ました。それくらいこの映画の感想は両極端で、私が観見る前に最初に薦めてくれた友人たちは「ほんとにやばいよ、絶対観た方がいい」と大絶賛。だけど「二度とみたくない」とか「こんなの絶対ない話だよ」って感想も沢山聞きました。

トラウマになる気持ちも、リアルじゃないと感じる気持ちも確かに分からなくはないです。それに「なにが良かったの?」と言われてもその時はうまく説明できませんでした。でも繰り返し観て気付いてきたことを書いてみようと思います。

はじめに感じたのは『この感覚を映画で表現してるなんて岩井俊二は天才だ』ってことでした。この感覚っていうのは中学生くらい時の精神状態、あのどす黒い精神的暗黒時代のことです。映画のような激しいイジメを経験した訳ではないけど、人付き合いが辛かった時期なのは確かだし、私も主人公と同じように音楽に救いを求めて生活していました。毎日のように、感動して泣いたかと思うと、死んでしまいたいと思ったり、もうぐちゃぐちゃ。そういう経験や感覚って、ごく一部の人にしか分からないものだと思っていた私は、この映画を観たときに監督に対して妙な親近感と感謝の気持ちといろんな熱い想いが込み上げてきました。まず、邦画ナンバー1の核になってる理由はそこです。

次に最高なのは編集です。今までの映画で「編集が良かった」なんて思ったこと一度もないけど…。映画の大事な要素として、主人公が管理人をしているリリイのファンサイトでのBBSの書き込みがあります。その書き込みの文が入るタイミングにハッとさせられます。一つが主人公が生徒指導室に呼び出されたシーン[自分が怒られている現実][聞こえてくるピアノの音、弾いている久野さん姿][紫の空に鳥][リリイの記憶][夕方、空気が二つに分裂する瞬間]
その5つが集められた絶妙なバランスのあのシーンの編集は奇跡!だと感じました。

そして映像。映像がきれいな映画はいくつもあるけど、光や緑の綺麗さが悲しくなってくる映画は他にはありません。登場人物の心の奥にある純粋さとリンクして辛くなります。(星野が叫ぶシーン、カイトのシーンが特に)

あと、実はファンタジーの要素がこの映画にはあるところだと思いました。ファンタジーと書くと語弊があるかもしれないけど『14歳のリアル』という
キャッチコピーは、私にとっては岩井マジック(岩井トリック?)の一つであって、本当の世界のリアルは最初から目指してなかったと解釈してます。星野が犬伏を田んぼに突き落とすシーンは、犬伏の体が紫色にしてあるし、自転車で夜クリオネたちと3人で走っているシーンの不自然な照明は確信犯だし、あえてリアルじゃなく表現している場所が多々あります。代わりに些細な会話が異常にリアルなのが面白い所。脇役も変にリアル。田中要次さん演じる先生の謎の気合い、体育会系のノリ。たった1、2こしか年が違わないのにやけに「先輩」な池田先輩。嫌な懐かしさがあります。逆に突然180度人格が変わる星野、芯がほんとに強い久野、それに蓮見も津田も、主要人物にはあまり現実味がないように感じました。

今までのどの岩井映画を振り返っても、どこかしらにファンタジーを感じている私は、この映画にもその要素を感じました。監督の本意は分からないけど、「遺作にしたい」というほどの思い入れがある映画は、やっぱりただのイジメのシーンが痛々しい映画なんじゃなくて、いろんな想いがこもった岩井ワールドの映画なのではないかと思いました。

内容とは関係ない話だけど、とにかくリリイオタクな私は、DVDに入っていたロケ地マップみて、行ってみたんです。東京から栃木県の足利市に、電車で。
そこでちょっと面白かったのは、あのラーメン屋。自転車で池田先輩が帰っていくシーンは実際あのラーメン屋の裏にあったけど、池田先輩が進んだ方向、ほんとは道がありませんでした!

ま、それだけです。行くときは車をお勧めします!!
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by pop-cult | 2007-08-04 23:58 | 日本の映画