アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

カテゴリ:外国の映画( 61 )

1974年に公開された、ロバート・レッドフォード版「華麗なるギャツビー」を初めて見た時、なんだか分からないけど妙に惹かれました。今でもどこが好きなのか聞かれたらはっきりとは言えないけど、多分登場人物に惹かれたのではないかと思いました。

何が楽しいのか毎晩ばか騒ぎのセレブ達を、微妙なまなざしで眺める謎の男ギャツビー。怖いような、切ないような独特のキャラクターで、なかなか掴めなくてどんどん引込まれました。レオ様版と比べて、こちらのギャツビー氏は、まわりの人間が色んな噂をしていても本人はもの静かで堂々としていて、とても寡黙なイメージがありました。まさに内に秘めた情熱といった空気。
レオ様が、面堂周太郎やおぼっちゃまくんやブルース・ウェインのような“笑える金持ち”に見えるのに対して、レッドフォードさん演じるギャツビーはリアリティのある大金持ちに見えるのです。

そしてデイジーという人間は、不思議なくらいのハイテンションで、でも突然泣き出したり、なんだか人物像がなかなか掴めません。そこがギャツビー同様面白く感じました。
演じたミア・ファローという女優さんはもしかしたら(例えが悪いけど)キムタクのようにどんな役を演じていてもおんなじ人になっちゃうタイプの女優さんなのかな、と思います。彼女が出ている映画は何本かしか見てないので言い切れないけど、毎回不思議な存在感があります。
綺麗なんだけど、目の強さがちょっと怖い…。彼女がいるだけで、まわりの空気を変えてしまうような強さがあるのに、今にも壊れてしまいそうな精神状態を隠したあのハイテンション。レッドフォードさん演じるギャツビーと同じくらい、ミア・ファロー演じるデイジーも強烈な印象を残しました。

1974年版はとにかくこの二人にしっかりスポットが当たっている印象でした。もしかすると、この主演二人の個性が強くて観ている側にそういう印象を与えただけなのかも知れないですが…。
ストーリーテリングとなるニックも、デイジーの夫トムも配役が成功していてよかったです。

レオ様版には無いシーン(原作にもないという噂)で好きだったのが、最後にデイジーがニックに何事も無かったように「新居に遊びにきてね!!」と話しかけるシーン。あのシーンによってミア版デイジーはいよいよ悪役と言えるほどのものになったけど、このシーンでやっとデイジーのキャラクターが掴めた気がしました。
後からウィキって知って驚いたのは、脚本がコッポラだったということ。どうりで面白いわけです。

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そして、今回のバズ・ラーマン版「華麗なるギャツビー」、こちらも面白かったですー!!
「ロミオ+ジュリエット」「ムーラン・ルージュ」よりも面白いと思います。
原作や、レッドフォード版が好きな人からは賛否両論があると思いますが、私はこっちも好きでした。やはり最初は比べてしまいましたが、別物として楽しめました。
なぜかレッドフォード版の良さも再確認し、バズ・ラーマンの良さも再確認するという不思議な気持ちになりました。

まず、内容が一緒なのにも関わらず、登場人物から受ける印象が全然違うことに驚きました。
デイジーのキャラクターは、ミア・ファロー版と比べてかなり控えめな印象がありました。なんとなく現状に満足していないけれど、あきらめて落ち着いているような。ミア版デイジーは、自分が結婚していることを忘れて、ギャツビーのことを本気にさせるだけさせておいて、現実とは向き合わずに逃げる、一番タチの悪い女に見えましたが、キャリー・マリガン演じるデイジーは、ギャツビーに押されて自分も惹かれるもどこか常に後ろめたさを感じていて、冷静さがあるように思いました。
だからレオ様演じるギャツビーが、レッドフォード版と比べて1人で暴走しているようなもっと滑稽なキャラクターに見えてしまったのかもしれません。

レオ様版ギャツビーは可哀想だけど、最初からどこかうさんくさく、1人でもり上がってしまっていて、見ているこちらに不安を与えるキャラクターでした。自信満々の登場シーンは、レッドフォード版と全く違う印象だったので驚きました。でも、そんな彼の見え見えな“無理してる感”が、またキャラクターの魅力の1つでもありました。

レッドフォード版でも印象的だった、デイジーとの再会シーンは、笑いもあり一番バズ・ラーマンらしさを感じてとても好きなシーンでした。

そして期待していた衣装や美術は期待以上でした。3Dは目にくるけど、あの世界観は3Dと合っていておすすめです。パーティシーンはバズ・ラーマンならではの映像美でした。

実は私の中で一番ツボだったのはレオ様の衣装。すべてブルックスブラザーズらしいのですが、もうサスペンダーとか素敵すぎてトラディショナル最高と叫びたかったです。
それにどんなにアカデミーから嫌われていても私はやっぱりレオ様が好きだと再確認しました。ちょっと滑稽で、でも憂いをたたえたあの雰囲気は彼でないと出せないと思いました。

ニック役のトビー・マグワイアも現実引き戻し役としていいバランスでキャスティング成功という感じでした。欲を言うとデイジーの夫、トム役が、必要以上に強烈な印象を残すので、もう少し個性的すぎない人選でもよかったのではないかと思いました。

1度観ただけではちょっと足りないので、もう一回見たいくらいです、次は2D吹き替えも良いかもしれないです。でもまずは村上春樹が訳した「グレート・ギャツビー」を読んでみようと思いました。

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by pop-cult | 2013-07-11 21:21 | 外国の映画
特に期待もせず、でも「L.A.コンフィデンシャル」大好きな私としてはちょっと気になる存在だった、「L.A.ギャングストーリー」観てきました。

1940〜50年代のロサンゼルスの街は警察ですらギャングに逆らえない時代。そこで命をかけてロスを取り戻そうと警察の秘密部隊が立ち上がる、というお話です。ある1人の極悪ギャングがいて、そいつ絡みの悪行を取り締まろうとする正義感溢れる警察は、仲間から煙たがられ、怖いからみんなそのギャングに仕方なく従ってしまっているという…。よくある題材で、でもみんな大好きな題材です。

その「俺がルール」のギャングのボス、ミッキー・コーエンという人物は、どうやら実在の人物らしいです。実際にこんな人がいたのかと思うと、あの時代のL.A.では長生き出来そうにありません… 気に入らないとすぐに皆殺しです。
そのコーエン役は、こんなに悪人顔に見えたのは初めてってくらい、いや〜な顔だったショーン・ペン。なかなかはまっていました。

正義感溢れる警察代表は「MIB3」での若き日のKを演じていたジョシュ・ブローリン。違和感無くて良かったです。
印象が上がったのは、ライアン・ゴズリング。売れてるけどそんなに好きじゃないんだよなーなんて思っていたけれど、今回のちょっとチャラい役が似合っていて存在感もあって、コッテコテ映画の中にいいアクセントになっていた様に感じました。
エマ・ストーンも綺麗で色っぽくていいね〜、「アメイジング・スパイダーマン」の時よりこっちの方が好きです。

あと、「ターミネーター2」に出ていたロバート・パトリック(シャワちゃんを殺しにくるアイツ)というおじちゃんもいい味出てました。最初「この顔、見たことあるけど誰だっけー?」とモヤモヤしましたが後で調べてすっきり。

悪者と正義の戦い、悪い人はとことん悪く、いい人はこれでもかというほどいい人。もう超ど真ん中すぎて、始まって最初の15分くらいは「これはやっちまったか…」と心配になるほどのコテコテっぷりでしたが、徐々にそのコテコテにも慣れきて、だんだん面白くなって来ました。

後から知ったのですが、監督は「ゾンビランド」のルーベン・フライシャーとのこと。「ゾンビランド」との共通点は、映像がちょっとPVっぽく凝っている所と、好き嫌いはあるにしてもきちんと起承転結がある所。その点は同じくルーベン・フライシャー作品の「ピザボーイ」も共通しているけど、「ゾンビランド」と比べてしまうと同じコメディとして物足りなさがありました。「L.A.ギャングストーリー」はまた全然違う題材で、コメディでもないところが良かった気がします。笑い無しで作ってるけど、カッコつけまくっていてちょっと笑えるという独特な世界観でした。

美術もお金かかってるし、BGMもおしゃれ。「L.A.コンフィデンシャル」とは比較してはダメですが(アレは別格)ポップコーン片手に楽しめる愛すべき映画です。おすすめです。監督にはまた全然違う映画を今後作ってほしいと思いました。

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by pop-cult | 2013-05-14 20:06 | 外国の映画
「マトリックス」のラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督と、「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ監督がタッグを組んだ、現在公開中のSF映画「クラウド アトラス」を観てきました。
「アトリックス」は2と3を全然理解出来なかったので、今回も難しすぎて楽しめないのではないだろうか…とドキドキしながらでしたが、これがかなり面白かったです。(「ムーンライズ・キングダム」に「アンナ・カレーニナ」と今年は劇場に観に行った映画の当たり率高い!)

内容は、一言で言うとカルマ(前世の善悪の行いによって、現世の生きる環境の質に大きな影響があるということ←あるページから拝借)の話です。
生まれ変わりとか、前世、来世という概念を信じる人にとっては、すごく興味深くて、何度か繰り返して観てみたくなるような話ではないかと思いました。

主演は、トム・ハンクスと、ハル・ベリー以外に、ジム・ブロードベント(ハリポタのスラグホーン先生!)、ヒュー・グラント(ラブコメ以外で観たの私は初めて!)、
スーザン・サランドン(ウォシャウスキー作品の「スピード・レーサー」に出てたね!)、ジム・スタージェス(「アクロス・ザ・ユニバース」の人か!)、ペ・ドゥナ(「空気人形」の人だ!)、ベン・ウィショー(キモかっこいい「パフューム」のあいつ!)、ヒューゴ・ウィービング(エージェント・スミスがまだいたか!)
などなど、蒼々たるメンバーが出ていました。

誰が出ているかほとんど知らずに観に行ったので、観ながら驚きの連続でした。だって、ここに書いた人は、少なくても1人3役、多くは6役を演じているから、新しい登場人物が出てくるたびに「アッ」となって、でもエンドロールの時に「あの役があの人!?」「こんな所に…!?」と見逃していたところもあって、そういう部分も面白かった要因の1つです。

今、曖昧な記憶を思い出させるため、公式HPを初めてみてみたら、長い予告も観られたし、作りも素敵なので貼付けておきます。ぜひ観て欲しいです!
http://wwws.warnerbros.co.jp/cloudatlas/index.html
今予告観ただけでちょっと涙目になってしまいました。はまる人ははまる映画です。
ネタバレは言いたくないので言わないけど、私はトム・ハンクスの現在、過去、未来を観ていて感動しました。他にも感動ポイントは沢山あるけど、彼が一番人間らしい人間に描かれていたように感じます。

もともとSF好き、カルマとか信じる人ははまるとは思うけど、この映画は、そういうことにそこまで興味が無い人でも十分楽しめる作りになっています。分かりやすさも考えて作られている所がまた素晴らしいと思います。
映画館で近くに座っていたおじさんが、終わってから隣りの奥さんに「難解かと思ってたら、そんなこと無かったよね!!!」と興奮気味に話していたくらい、意外と普通に楽しめるんです。
もちろん「TAXI」とか何にも考えないでいい映画とは比べちゃダメですが、各時代のエピソードにそれぞれ事件が起きたり、テンポもいいので長かったけど飽きませんでした。そこも好感が上がりました。

“テーマが壮大”って言ってしまうと、自分の普段の生活とか生き方とはかけ離れた話って思われてしまいそうですが、本当に言いたいことは実は身近で誰にでも置き換えられる話なのではないかと思います。
普遍的なテーマをアートとして、エンターテイメントといて伝えてくれる所が、ファンタジーやSF映画の素晴らしいところだと、この映画は再認識させてくれました。
…もう一回観たい!
気になる方は劇場で!

そうだ、キャッチコピーは「すべてはつながっている」です、これはteam ACIDMANの人にもお勧めです!ぜひ。

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by pop-cult | 2013-04-08 10:57 | 外国の映画
大好きなアメリカ人映画監督、ウェス・アンダーソンの最新作「ムーンライズ・キングダム」が2月の8日についに公開されます!もう、とっても楽しみすぎるので、彼が監督したこれまでの映画をこのブログで振り返ろうという、オタク企画を勝手に計画。雑に、独りよがりに全作品解説します!
お好きな方がいましたら、一緒にもり上がりましょー!!

『アンソニーのハッピーモーテル』(1996)
長編デビュー作品。ウェス作品の常連である、昔からの友人という、オーウェン・ウィルソンと共同脚本です。お兄ちゃんのルーク・ウィルソンが主演で、オーウェンは準主役という感じです。
ウェスを好きになってから観たので、ウェス特有のステキ美術がまだ無いので、ガッカリしてしまった作品。でも空気感はやっぱり良いです。

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『天才マックスの世界』(1998)
これがウェス作品の中で一番好きって人も実は多いのでは?という隠れた名作。ませたガキンチョが学校の先生を本気で好きになって大人とガチバトルという笑っちゃう話です。またこの映画のサントラも最高です。ビル・マーレイ好きな方も絶対観ないと!

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『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)
この映画でウェスとオーウェンはアカデミー賞脚本賞にノミネートされたこともあり、代表作。私はこの映画で知りました。一番好きです。ロイヤルさんというろくでもないお父さんが、バラバラになった家族を取り戻すべく、自分はもうすぐ死ぬと嘘をついてしまうお話。最初はとにかくどこで切り取っても素晴らしく絵になる美術や衣装に注目して好きになりましたが、後からじわじわとストーリーの良さにも気づいて、更に好きになった作品です。すべてが名シーンです。

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『ライフ・アクアティック』(2004)
再びビル・マーレイ主演。ビルは映画監督の役で、チームのみんなと海に関するドキュメンタリーを製作しているという話。「ロイヤル〜」同様、家族のごたごたと、海、海賊、架空の魚も登場します。最初はピンとこなかったけど、何度か観ているうちにとても好きになりました。デヴィッド・ボウイの音楽もいい。チームの制服(良い大人がみんなお揃い)も熱いです。

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『ダージリン急行』(2007)
私が一番好きな俳優エイドリアン・ブロディがウェス作品初参加で、個人的に最高にもり上がった作品。インドに逃亡してしまった母親に会うために、長男が勝手に兄弟3人のインド旅行を計画、表向きは“兄弟の絆を深める心の旅”と言う長男に、振り回されたり振り回したりの男3兄弟の話です。
いまいち、という声もちょこちょこ聞きましたが、私は大好きな1本です。ウェスの笑いのセンスは最高だと確信しました。なんだかんだエイドリアン出演の映画の中でこれが1番好きです。

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『ファンタスティック・Mr.FOX 』(2009)
ウェス初のストップモーションアニメ。キツネの家族が人間と戦っちゃうお話で、原作は「夢のチョコレート工場」のロアルド・ダール、ちょっとブラックユーモアが効いていてウェスらしい話です。今までの実写映画に比べると、ストーリーそのものはいまいちですが、とにかく映像だけで楽しめます。キツネやその他の動物達がかわいすぎます…。

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そして公開を控えている『ムーンライズ・キングダム』

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このポスター、ほしいです…
今回はボーイスカウトの少年が主人公で、駆け落ち?家出?しちゃうとか?髪を盛ってるブルース・ウィルスに、エドワード・ノートン、そしてビル・マーレイ!楽しみすぎます。観たらまたこのブログに書きます!面白いといいな…。
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by pop-cult | 2013-02-06 13:28 | 外国の映画
最近見た映画の中で印象的だった2本「永遠の僕たち」と「少年は残酷な弓を射る」
似ている映画ではないけれど、2本とも若い少年が主人公ということで。


【永遠の僕たち】
ガス・ヴァン・サント監督作品。幼い頃に両親を亡くし、日本人の特攻隊の幽霊“ヒロシ”だけが友達の少年イーノック。趣味は赤の他人の葬式に紛れ込むこと。そんな彼が、不治の病で余命が3ヶ月と言われている少女アナベルと出会い、二人のとても切ない恋の話です。
世間の評価はどうだったのか分からないけど、私はなんだか好きな映画でした。
元々、病気で死んじゃうって分かってる映画自体が苦手であまり見ないようにしているけど、たまたま観たこれは、重くなりすぎずに観られて、少し温かい気持ちにもなれたのでよかったです。

イーノックとアナベルは変わり者同士で二人だけの空気をもっていて、そんな二人のやり取りがとても微笑ましく、切なくもあります。変わった二人だけど、なぜか妙なリアリティも感じられる所がよかったです。

そういえばリアリティが感じられないくらいアナベル(ミア・ワシコウスカ)の服がかわいすぎるのも見所のひとつです。
加瀬亮好きも必見です(ファンはもう観てるか?)もし私が日本人俳優をやっていたら、ガス・ヴァン・サントのこんな作品のこんな役で出られたら感無量です。とても素敵な役です。しかし彼は英語が上手すぎて何者かと思いました。COCO塾?

ちなみにイーノック役の少年はデニス・ホッパーの息子らしいです…!最近自分の中だけで流行っている「ハリウッド版エヴァンゲリオン(実写)」の妄想キャスティングで、シンジ役は今の所、彼ヘンリー・ホッパーにオファーを入れています。

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【少年は残酷な弓を射る】
どういうわけか、母親に全くなつかない息子。小さい頃から敵意を母親だけに向けていて、母親をあらゆる手を使って苦しめる息子。そんな息子がある日人を殺してしまう。そんな時は母は…?
というような、重苦しい題材の映画です。

母親の目線でかかれていて、現代と過去が行き来します。最初「ん?」となりながらも、難解映画というわけではありません。映像や撮り方、編集もかなりこだわっている映画でただのサスペンスとも言い切れない謎の深みがありました。

母親役のティルダ・スウィントンははまり役でした。「ナルニア国物語」の氷の女王役も、「コンスタンティン」での天使?役も似合っていましたが、こういう疲れた母親役もここまでハマるとは、流石女優。
息子役の少年も、とにかく顔が恐い!オールウェイズ反抗期というか、もはや母親いじめみたいになっているのですが、この少年のこの顔にはリアリティありました…。役作りでそう見えるのか、彼の目は、人殺しの目でした… 役者ってすごい。
今思いついたけど、エヴァのカヲル君役に、彼でも良いかも。ミステリアスな美男子ということで…。
とにかく、淡々と進む映画ですが緊張が途切れません。結構色々とグロいのでそういうの苦手な人は避けた方がいいです。しばらく考えさせられる題材ですが、面白かったです。

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2本とも観終わって、明るい気持ちになれる映画ではないけれど、心に何か残してくれる映画です。おすすめです。
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by pop-cult | 2013-01-31 01:02 | 外国の映画
9.11の話と分かっていたので、ちょっとつらくなりそうで躊躇しましたが、本当に観て良かったって心から思えた映画だったので、ブログに書き込みます!

『9.11の同時多発テロによって父を亡くした9歳の少年オスカー。彼は少し普通じゃない。子供らしからぬ趣味趣向に同級生から不気味がられているけれど、とても頭がいい。父はそんなオスカーによくとても難しいクイズをだして、オスカーはそれを何日もかけて説くのが大好きだった。
オスカーにとっては父がすべてだったと言っても過言ではない。そんな父が死んでしまったという事実と上手く向き合えずに、母との関係も悪化していた。
テロから2年がたったある時、父の遺品の中から“ブラック”と書かれたメモを見つける。オスカーはそのメモを父が遺した最後のゲームだと思い、学校も勝手に休み、母にも秘密で“ブラック”さん探しのミッションをスタートさせるのだった。』

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』というタイトルは、オスカーが“ブラック”さん探しで得た情報をまとめたノートのタイトルです。オスカーのキャラクターが独特で、同じスティーブン・ダルドリー監督の「リトルダンサー」のビリーを思い出しました。ビリーのことも大好きだったので、オスカーのこともすぐに大好きになりました。

オスカーのブラックさん探しを核にしながら、9.11の当日のこと、その後のアメリカのこと、オスカーの母とおばあちゃん、おばあちゃんの家の下宿人のことと、色んなエピソードがものすごくうまく混ざっていきます。たまにオスカーの言うことがブラックユーモアというのか、かわいくない子供っぷりがすごいけど、そこもまた面白いです。

9.11の当日のことをオスカーが思い出すシーンとか、オスカーの母が亡くなる直前の父と電話で話していたところは、すごくリアルで見ているのがすごくつらいし、ブログを書きながらも涙が出てきそうになるくらい、重いシーンなんです。だけど、この映画のすごい所は、事実を事実のままに描くのではなく、そこにファンタジーの要素も加えて、映画全体を温かさで包み込んでいるような所です。
9.11によって亡くなった人たちの話を“美談”にしているわけでもなく、“どん底に突き落とす”でも無い、絶妙なバランスの映画だと思いました。

9.11というノンフィクションを題材にしてできた“フィクション”の映画、観終わった時にフィクションって素晴らしいって心から思ってしまいました。こういう映画を作ろうと考えだした人、こういう本を書こうと思いついた人って、素晴らしい生き物です。

テロにあったこともなければ、父を亡くしたわけでもなく、9歳の非常に難しい息子がいるわけでもない、そんな私がどういうわけか、ここまで感動しちゃうこの映画のパワーって何なんだろう?自分でもここまで感動した自分に驚いちゃうくらいでした。
元々好きだけど、そこまで注目していなかったトム・ハンクスと、サンドラ・ブロックはこの映画で更に大好きになりました。登場人物、全員好きでした。

見る側にもとてもパワーが必要な映画なので頻繁に見たいとは思えないけど、この先も何度か観ると思います。ブログ書きながらまた観たくなってきました。「こんな話、あるわけない」で終わってしまう人もいるかもしれないけど、私は大好きです。心臓が沸騰しました。気になる方はぜひ観てみて下さい!

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by pop-cult | 2012-12-09 12:53 | 外国の映画
精神科医フロイトとユング、ユングの患者であり後に自身も精神科医となったザビーナ、この3人のドロドロとした人間ドラマを、デヴィッド・クローネンバーグ監督が映画化した『危険なメソッド』観てきました。

クローネンバーグ監督は「ビデオドローム」と「イグジステンズ」の2本を昔観ただけなので、グロくてちょっと難しい監督という印象でしたが、今回はだいぶ前から楽しみで仕方なかったです。だって、フロイトとユングの話なんて、気にならないわけが無い!!

心理学とかの知識はゼロの私ですが、あまりにも変な夢ばかり見て自分の頭の中がどういう状態なのか気になった時期に、フロイトの「夢診断」を知りました。あの手の本は難しくてなかなか読めなかったけど、何となく「フロイトはなんでも“性的な願望”のせいにするけど、もう1人のユングって人の方が、判断に決めつけがなくて納得出来るかもなー」とぼんやり考えたことがありました。彼らが実際はどんな人たちで、どんなことを説いていたのか、映画だったらもっと分かるかも!と期待して見に行ったら、これが面白かったーーー。
前に座ってた人はイビキかいてたけど、私は集中しましたよ。

まず出演者がいい。この映画の主役ユング役はマイケル・ファスベンダー。いまいち覚えにくい顔つきのドイツ人俳優で、私が見たのはイングロリアス・バスターズです。映画デビューは「300」らしいです。この映画では存在感があるなーと感じました。

ユングの恩師であるフロイト役は、我が王、ヴィゴ・モーテンセン(LOTRのアラゴルンですよ)老けたよねー、そういう役なんでけどね。でもかっこいいです。

この映画のキーパーソン的なザビーナ役はキーラ・ナイトレイ、ここまでやるか?というほど顔を歪ませながらの精神患者役には女優魂を見ました。控えめに表現しても気持ち悪いです。もともと綺麗だけどあんまり好きじゃない顔の彼女…でもこの映画での頑張りはすごいと思いました。
あとはヴァンサン・カッセルもまた「ブラックスワン」系の色狂い役でウケました。

とにかく出演者の会話が中心の映画です、眠くなる理由も分かります。精神科医達の会話だし、なかなか難しいとは思います。でも興味のある人にとっては面白い会話になっているのではないかと思います。精神的に不安定な人の症状は一体どこから来ているのだろうか?過去のトラウマ?親との関係? そんなやり取りをしながら、ところで自分の精神は正常なのか?と急に思ってしまったり、実に人間らしい話!

精神科医だから難しい言葉を使って、あれこれ分析してるけど、引いて考えるとありがちで簡単な誰でも持ってる人間の欲の話だったりして。そう思うとアホくさくてちょっと愛おしい気持ちになります。

最初はやっぱり独断的なフロイトが変人に映るけど、だんだんとユングの方が堕落的な人間に見えてきて、その逆転するあたりがかなり面白かったです。ザビーナは化け物からだんだんと美しい人間に見えてきて、その変化が面白かったです。次はDVDで吹き替えで見たいです。
あと、映像も綺麗で良かったです、撮り方も面白いです。この手の題材が好きな人にはおすすめです。
クローネンバーグ監督の「イースタン・プロミス」見ないと!

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by pop-cult | 2012-11-05 11:57 | 外国の映画
大好きなフランス人監督、セドリック・クラピッシュ監督の新作『フランス、幸せのメソッド』が、ツタヤ限定でDVDレンタルになっていたので早速借りました!

クラピッシュ監督の映画はすべて観ていて、そのほとんどが大好きなので、やっぱりちょっと期待しちゃいましたが、はっきり言って今回は期待はずれ…(ごめんなさい!でも思ったまま書きます)
『猫が行方不明』とか『スパニッシュ・アパートメント』のように終わった後に、映画の素敵な余韻が残るのが好きなんだけど、この映画は衝撃的な終わり方で今までの終わり方とはだいぶ違うので驚きでした。
でもでも、やっぱりクラピッシュ監督“らしさ”が所々に見つかると、やっぱり嬉しくて、そこはやっぱり好きでした。

フランスというのは、主人公の名前で、リストラをされて自殺未遂をしてしまう美しいシングルマザーの話です。最初からそんな重い始まり方ですが、そこはやっぱりクラピッシュ監督流で、笑いを交えた雰囲気に進んで行きます。

フランスはお金持ちのバツイチ男の家に、お手伝いさんとして雇われることになるのですが、この男がもーう嫌なヤツ!!!ザ・仕事人間で、女もとっかえひっかえタイプなんです。別れた奥さんが急に子供を預けにきても、もうどう接したらいいのか分からず、フランスに子守りも頼んじゃおう!困ったことは金で解決!と、きたもんなんです。

「これは、この嫌な男と、フランスが仲良くなるっていう、見え見えの展開だろうなー」と思いながら見ていたら、半分正解、半分不正解で、途中から二人のやり取りがすごく面白かったです。
クラピッシュ監督は、“人々の何気ないやりとり”を描くのがやっぱりうまい、面白いです!
フランスのキャラクターがとても素敵で、フランスと話していると嫌な男もかわいく思えてきたり…

しかし…
とにかく、終わり方が、なんでここで終わるの!?という場所で、まさかのエンドロールが始まってしまったので、それがもう残念で仕方ありません。
クラピッシュ監督は好きだから、また次回作にでも期待したいと思います。

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by pop-cult | 2012-09-04 20:46 | 外国の映画
もうなんか…、観終わった後に思わず「ふざけた映画だな…」と呟いてしまいました。『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール』などで知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の、今公開中の映画『私が生きる、肌』のことです。

この映画、どうやら賛否両論の賛が多いらしいのですが、それ本当〜!?ってかんじです。私なんて久々に、観終わってすぐに頭の中で再編集が始まりました…。でも、“物議を醸す”映画という意味ではすごいのかと思います。
一緒に見たママちゃんも「あれはないね」の一言で切り捨てていましたが、他の人がどう思ったかがものすごく気になることは確かです。

アントニオ・バンデラス演じる天才医師が、自ら開発した人口皮膚を移植して、死んだ妻にそっくりの美女を作り上げるという、とてもグロテスクな話です。
これはネタバレ厳禁な映画なので、核心には触れずに感想を書きたいです。だいぶ辛口なのでご了承を!

まず思ったことは、最初の方にバンデラスの家でお手伝いさんをしている女性の元に、虎のコスプレをしたおかしな男が訪ねてくるのですが、そのシーン、すべてカットでいいと…。なんでこんなにどうでもいいシーンに、こんなに時間をとっているのか、観終わって疑問でしかありませんでした。

そのかわりに、もっとバンデラスの妻のこととか、案外サラッとしか登場しないし、娘のことももっと時間割いてもいいのでは?と思ってしまいました。

「そうだったの!?」という事実が分かった後は、「でも…、だとしたら、あのときのアレはおかしくない…?」のオンパレード。
例えば『シックス・センス』なんかは、主人公が幽霊ということを知ってからもう一度観ても「確かに誰とも会話してない!なるほど!」ってなるけど、この映画はならないと思います…。ま、きっと観客に「なるほど」と思わせたいとも思っていない気もしますが…。
ただ、あそこまで突拍子もないオチがあると、それまでの話が「オチがバレないように作った」感が目立ってしまって、ちょっとチープな印象に感じました。

終わり方も「ここで終わりかい!?」というタイミングで、私としては「この後どうなるか気になるでしょ!?」と思ったので、そこも観たかったです。しかし、あの後を長々やったとしても、もっとチープになっちゃう可能性もあるけど…。
映像も美しいし、音楽もかっこいいし、それでいてエログロっていう世界観は嫌いじゃないのですが、ストーリーだけ考えると、いくらなんでも観客をなめすぎではないかと、ちょっとした怒りすら感じました。あまりにも浅い。もう確信犯で、「この映画はバカな話ですが、楽しんでください」くらいの気持ちで作ってるのだとしたら、それはそれで新しいから良しとするけど、この映画を深読みするのは無理かと思います。
おしゃれな売り方してるけど、話はきっと「ムカデ人間」(見てないけど)と近いのかもしれないな〜なんて思いました。

ストーリーと関係ないですが、バンデラスの娘と仲良くなりかける青年の役をやっていた俳優さんが、すごくかっこ良くてツボに入りました。ジャン・コルネットという私と同い年の人で、新人さんらしい。これから注目したいです。

『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』『ボルベール』と、この監督の映画は3本観ていて、どれも好きだったので期待しすぎたのかもしれないです。同じ話で、タランティーノが監督したら別物として面白かったかもしれないな、なんて妄想もしちゃいました。でも、どうやら『私が生きる、肌』はこの監督の初期作品っぽい空気らしいです。散々書いてしまいましたが、これからまだ見ていない初期作品も挑戦してみようかと思いました。

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by pop-cult | 2012-06-16 09:54 | 外国の映画
ウディ・アレン監督の最新作「ミッドナイト・イン・パリ」観てきました。元々好きな映画監督だし、キャストもここまで好きな人ばかり集まっているなんて、もう期待せずにはいられなかったけど、その期待を裏切られることなく、すごく好きな映画でした。

『ハリウッドの売れっ子脚本家のギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者と一緒にパリに来ていた。ギルは、パリの街をこよなく愛していて、脚本の仕事を捨てでもパリに住みたいと考えていた。しかし、セレブで現実主義の婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)はギルのパリに対する気持ちも、ギルが真剣に書いている小説のことも理解出来ずにいる。そんな時一人で真夜中のパリをさまよっていたギルの前に、古いプジョーが停まって、ギルに乗っていけと呼びかける。酔っぱらった勢いもあってプジョーにのったギル。ついた先はなんと1920年代のパーティ会場だった。』

ウェス・アンダーソン映画では常連のオーウェン・ウィルソン、やっぱりかわいいです。彼がウディ・アレンの映画で主役というだけでテンションが上がっていたけど、彼の婚約者役が、私が生まれ変わりたい顔候補の女優、レイチェル・マクアダムスなので、更に嬉しくなっちゃいました。シャーロック・ホームズの不二子役だった、あの大きな口がかわいすぎる彼女が、今度は嫌な女の役でした…。かわいいけどほんとムカつく…この手の女…。ウディ・アレンって、いっつもセレブな登場人物がムカつきます。でも好きでした。顔はとてもかわいいです、今回も。

ちょっと風刺混じりのコメディで現実的な話のようでいて、いつのまにかあり得ないことが起こっているという、ウディ・アレンの映画ではよくあるパターンなのですが、今回はタイムスリップ映画なんです。CGを一切使わずにタイムスリップするという…。絶対にない出来事とは思っていても、あんまりにも自然な表現なので「ひょっとしたら夜のパリではあることかも…?」と思いたくなってしまうほど。夢があって好きでした。

観る前から想像していた通り、もう亡くなっている色んな作家や画家がどんどん登場したときに、その人たちのことをもっと詳しく知っていたら、どんだけ楽しめたことか…と、ちょっと悲しくなりました。勉強してない自分のバカ!
ピカソやダリはパッと作品が浮かんだけど、作家は辛うじて名前が分かる程度の人がほとんど。作曲家、詩人とかはもう「だれ?」レベル。そんな知識にも関わらず、ギルとアーティスト達のやり取りは最高に面白かったです。この映画の中で存在感たっぷりだったヘミングウェイとか、読んでみたくなりました。

実は一番楽しみだったエイドリアン・ブロディのダリ役、ほんと良かったです。ダリって変人なんだろうな〜と思っていたら案の定、サイの話ばかりだし、テンションも謎。会場にも笑いが起こっていました。英語の発音もおかしくて、出演時間は短くてもここまでやりきっているエイドリアンはやっぱり素敵でした。彼はやっぱりコメディが似合う…!!

この映画の中で、ピカソの愛人として登場するアドリアナ役のマリオン・コティヤールは、今までで一番美しかったです。ウディ・アレン映画の中のかわいい女性って、ほんと憧れなんです。男性はこういう女性を好きになるんだな〜としみじみ思ってしまいました。

ウディ・アレンの映画自体、好き嫌いが分かれる作風だし、アカデミー賞が好むような“ずっしり心に響く系”ではないですが(でも脚本賞を受賞してるけど)、これは胸を張って面白い!!と言えます。特徴的ではないですが、美術もとても素敵です、三つの時代のパリが一気に味わえます。雨のパリに行きたくなります。ぜひ映画館で!!
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by pop-cult | 2012-05-31 21:42 | 外国の映画