アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

カテゴリ:70s・80sファンタジー( 15 )

『Dr.パルナサスの鏡』『ローズ・イン・タイドランド』のテリー・ギリアム監督の代表作、1985年に公開された『未来世紀ブラジル』を久々にもう一度観たくなって借りました。こんなに面白かった?と驚くほど面白かったのと、たまたまクリスマスシーズンという設定だったので、丁度いいのでブログに書いちゃいます。

20世紀のどこかの国の暗黒社会の話で、情報局に務めているサムと言うあか抜けない男が、いつも夢に登場する美女を追ううちに、知ってはいけない情報省の隠ぺい工作の裏の事実を知ってしまい、どんどんおかしなことに巻き込まれていく話です。

やっぱり、80年代の映画って素晴らしいと再確認しました。まだCGがあまり発達していないので、作るしかない!ということで妙に手の込んだ美術…。この映画は、そんな美術と映像を見るだけでも価値があります。内容よりもそっちに比重が置かれていると言っても過言ではないです。
未来的に見えてちょっとアナログ感もある奇妙な街。「ブレードランナー」とか「AKIRA」は私としては、“ とにかく街が魅力 ”と感じる映画なのですが、この映画もその1つだと思いました。透明な箱みたいな乗り物を使って通勤していたり、一人乗りの不思議な自動車に、建物のデザインもおかしいし、登場するものがほとんどこの映画のためにデザインされたものだからすごいです。
サムが働く情報省は、上司がいるときだけ真剣に働く人が所狭しにいる部署や、深夜の駐車場のように静かで不気味な部署、みんな強面だけど、なぜか真剣にクリスマスソングの合唱練習をしている部署と、そんな所にもバラエティ豊かな設定がされていて笑えます。
サムの家の中にはやけにダクトいっぱいだし、バック・トゥ・ザ・フューチャーの最初に出てくるような、勝手にパンを焼いてコーヒーを入れる機械があったり、警報みたいな音がなる電話とか、タイプライター型のパソコン(?)とか、目に入ってくるものがどれも面白すぎます。
登場人物も気持ちが悪い人ばかりで、サムの母親なんて頭にクツを被っています。レディガガを思い出しました。そうかと思うと情報局の役員は古めかしいスーツと帽子の市民ケーン的な服装で、差がまた面白い。夢の中に登場する悪者もなぜか甲冑を着ていたり、おかめみたいなお面を着けていたり、なんで?というものばかり。
なんで?と言えば、おいしい脇役にロバート・デ・ニーロが出ています。本命の役ではなかったけど、どうしても出たいと監督に頼んだらしいです。やるな…デニーロ…。

どこの美術、どこの登場人物、どこのシーン、どれをとっても面白いです。天才ってやつです。ただ話はかなり理不尽です。まさかの終わり方に「ギリアム監督はお客さんに絶対媚びないのだね…」ともう感心しました…。全く幸せにはなれないクリスマス映画を探している変な人がいたら、これをどうぞ。
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by pop-cult | 2010-12-16 16:34 | 70s・80sファンタジー
前に雑誌で“不思議の国のアリスを感じさせる映画”と紹介されていたので、気になって観てみました。「セリーヌとジュリーは舟でゆく」というかわいいタイトルの1974年のフランス映画です。

図書館員のジュリーが公園のベンチで魔法の本を読んでいると、足早にセリーヌが目の前を通りすぎます。セリーヌがサングラスとマフラーを落として、それをジュリーが拾って追いかけるのですが、そこがまさに「不思議の国のアリス」のアリスが白ウサギを追いかけるシーンを彷彿させます。
ジュリーの声が聞こえているはずなのに、無視して急ぎ足のセリーヌ。まるでジュリーの存在はセリーヌにしか見えないもののような、そこもアリスみたい。

セリーヌがどんどん落とし物をして、全部ジュリーが拾うのですが、彼女もだんだんセリーヌの後をつけることに集中しはじめて、「落としましたよ」と言うのをやめてるし、一見まともに見えたジュリーも変。二人してとにかく変。
尾行されながら「くるならくれば?」みたいなセリーヌ。踊ってるみたいな走り方をしていて、出だしからこの映画は普通じゃないなーと思いました。フランスのおしゃれなコメディなのに、鈴木清順を思い出します。心地よい気味の悪さがあります。

古いフランス映画ってあまり観たことがないのですが、多分ゴダールとか、そのあたりのヌーベルヴァーグと言われている作品なんだと思います。セリフとか説明的なものは排除するのが良しとされていた時代というのか…。本当にまともな展開、まともな会話がほとんど無くて、実験映画です。かわいいタイトルから想像していた内容よりも、意味不明だし不気味です。

いつのまにか共同生活を始めた二人。この映画はほとんど2人のやり取りで構成されていて、彼女たちはお互いを好きみたいな、でもお互いの大切なものを盗んだり破壊したり…。何がしたいのかさっぱりです。でもなぜか目が離せません。

この二人の関係が、アリスを助けているようではめているチェシャ猫みたいです。チェシャ猫二匹がからんでいるような…。「不思議の国のアリス」の場合はアリス自身はまともで、迷い込んだ世界で登場する生き物たちが狂ってるわけですが、この映画は主演の二人が一番まともじゃないです。見ているこっちがアリスになっちゃったような気持ちです。二匹のチェシャ猫に翻弄される観客…。いつ帰れるのかな?と少し不安になりながら、先が気になって引き返せないでどんどん深みにはまっていきます。

彼女達は二人で飴を食べることによって、二人だけが見られる不思議な世界の物語にトリップします。「せーのっ」と飴を食べると、昼ドラのような雰囲気のゴージャスだけどどこか安っぽい男女が現れて、いままでの映画の流れを無視したような話が展開されます。それを見ているセリーヌとジュリー…。いつのまにか二人もその昼ドラの一部になっていたり…
ここまでテーマとか、教訓とか、メーセージが一切見えてこない映画もなかなかないです。

約3時間とすごく長い映画ですが、わけが分からなすぎて「なんだ??」と思っているうちに終了します。現実離れした不思議な世界に浸りたい方にはかなりおすすめです。
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by pop-cult | 2010-09-24 23:26 | 70s・80sファンタジー
ロックの学園と、シャーロック・ホームズを挟みましたが、ストーリー・テラー vol.2(第6話から9話)です。


第6話『本当の花嫁』
意地悪なトロールに育てられている少女が、困難に遭うと不思議な白いライオンに助けられるお話。

とにかく若いボロミア(ロード・オブ・ザ・リング1で死んでしまう旅の仲間)が運命の王子様みたいな役で登場するのが驚きです。トロールのクリーチャーが私としてはオモシロ顔すぎる気がして、ちょっと残念ですが、先が読めない不思議な展開で面白いです。

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第7話『三羽のカラス』
魔女によって3人の弟をカラスに変えられてしまった少女が、呪いを解くために3年3ヶ月と3日間、口を閉ざし続けるお話。

9つの中で一番印象に残っていたお話です。「兵士と死神」も怖いけど、ここに出てくる魔女の性格の悪さと言ったら…。せっかく生ませた赤ちゃんを魔女が連れ去ってしまい、でも何も言えない悲しさと悔しさを堪えきれなくなった少女(すごく綺麗)が、夜中に深い穴を掘って叫ぶシーンが衝撃的でした。そしてネタばれだけど、最後に弟たちは呪いが解けて無事に人間に戻るかと思いきや、少女が少しだけ早く口を開いてしまったために、一人だけ腕がカラスのままになってしまったというところが、最後まで怖すぎて民話というよりホラーだと感じました。


第8話『運命の指輪』
「亡くなった妻の指輪がぴったりの者と結婚する」と決めていた王様。そしてその指輪がぴったりだったため、実の父親と結婚をしなければならなくなったお姫様の話。

シンデレラと千匹皮を混ぜたような話でした。そもそもストーリー・テラーのどのお話も、なんとなく知っているグリム童話やヨーロッパの民話を混ぜて作っているようなものがほとんどですが。お姫様は実父との結婚から逃げるために「月のドレス」「星のドレス」「太陽のドレス」を作らせて、自分は友達の小動物たちに協力してもらって、落ち葉やら泥やらおがくずやらを身にまとって“雑巾娘”となって逃げるのです。そこまでやるかと言いたくなるほど汚い姿になって、愛する王子にどんどん話しかける彼女は強いです。貴族への批判も込められているような作品で考えさせられます。「人は見た目じゃない」って言っているようで「結局見た目?」という矛盾も感じる、童話にありがちな疑問です。


第9話『心のない巨人』
心の代わりに蜂の巣を胸に入れた残酷非道な巨人と、幼くて純粋な心を持った王子のお話。

巨人を牢から逃がしてあげたのに、すぐ裏切られた可哀想な王子。逃げた巨人を追ったまま行方不明のお兄さんたちを探しに旅に出た王子が出会う動物たちのクリーチャーがかわいいです。5話の「兵士と死神」とこれは監督がジム・ヘンソンで、共通しているのがオチが切ないところ。人間の愚かさに悲しくなる話です。

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やっぱりすべての話をこうして振り返ると、「民話・童話」を元にしていると言いつつ、結構暗い話が多いです。と、いうより、民話が暗いものが多いのかもしれないですが。いずれにしろ子供にはウケなそうです。でもそんな暗い作品をちょっと明るくしてくれているのが、ストーリー・テラーの飼い犬の存在です。
ジョン・ハートの話に絶妙な突っ込みを入れるこの犬。今見るとすぐぬいぐるみって分かるのですが、小さい頃は「すごい、超リアルだ」と思った記憶があります。確かに表情豊かで「しゃべる犬」としてはある意味リアルで、この犬の存在によって鬱々とした話にもポップさが加わっている気がします。

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しばらく経ったら多分また観たくなってしまうので、いいかげんDVDを購入しようと思います。おすすめなので気になってくれた方がいたらぜひ…。
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by pop-cult | 2010-04-05 22:43 | 70s・80sファンタジー
「ストーリーテラー」というドイツやロシアの民話を元にしたドラマがあります。DVD2本分、全9話。エグゼクティブプロデューサーはジム・ヘンソン。たまに監督もしています。彼のクリーチャーファンには見逃せない作品です。80年代にドラマシリーズとして放送されたそうですが、ジム・ヘンソン作品としてはあまり人気が出なかったようです。(ってWikipediaには書かれていたけど、DVD化されている時点ですごいと思います)

私はなぜか小学生くらいの時に見て(多分母親がレンタルしていた)独特な世界観が妙に残っていました。また久々に観てみましたが、やっぱり面白い!!
どれもセットとすぐ分かってしまうようなクオリティーですが、登場するクリーチャーや、現実と非現実をうまく混ぜたような編集の仕方や、ストーリーテラー(ジョン・ハート)の魔術師っぽい雰囲気は、今観ても驚かされます。

知らなかったのですが、脚本もアンソニー・ミンゲラという「イングリッシュ・ペイシェント」や「コールドマウンテン」の監督や、これから公開の「ナイン」の脚本も書いているすごい人でした。確かに、グリム童話を読んで感じる淡々とした雰囲気よりも起承転結があると思いました。
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ちなみに写真はジムさんとジョンさん。


第1話『ハリネズミのハンス』
子供が出来ない夫婦が「例えハリネズミのような子供でも構わないから子供が欲しい」と望んでしまったことから、本当にハリネズミのように体が針に覆われた子供が生まれてしまうお話。

父親は醜いハンスを愛せないことで、ハンスも父に疎ましく思われていることで苦しんだりと、結構第一話から重い話です。ハリネズミの赤ちゃんのクリーチャーがかなり気味悪くても、そんなところからも子供向けではない印象をうけます。でもこのお話は、エミー賞児童番組部門を受賞しているそうです。
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第2話『恐怖を知らなかった少年』
“怖い”という感覚が一切分からない少年が、恐怖を求めて旅に出るお話。

これは同じ題材のドラマを「フェアリーテールシアター」でも観て、そっちはお化けたちが少年に小馬鹿にされるという大爆笑のお話でしたが、こっちはもっといい話にまとまっていました。
沼に住んでいる怪物のクリーチャーとか、呪われた城に住む上半身と下半身が分かれているおじさんのお化けが、いい味出しています。
あと私の中での見所は、この少年のお兄さん役がハリポタのウィーズリーおじさん役の人というところです。一言しか喋りませんが…。


第3話『最後の一話』
ステーリーテラー自身が昔体験したというお話。王様と約束して365日毎日お話を聞かせていたけど、最終日になって全く話が浮かばないという彼に、急に奇妙な出来事が起こります。

「ストーリーテラーシリーズの魅力の半分はジョン・ハート」と思っている私にとっては、彼が主役というのがとにかく嬉しい一話です。頭のいい貧乏人は知恵を働かせて、実際は石で作ってないのに「石のスープ」を作ってやる!と言って周りの人間を感心させてしまうという前半のエピソードは、落語の「まんじゅう怖い」にも共通するものを感じました。登場するクリーチャーは少ないですが、珍しくかわいいウサギが出て来てレアです。


第4話『幸運の持ち主』
“幸運の少年がいつか王様になる”という言い伝えが現実になることを恐れた王様が、あの手この手でその少年を殺そうとするお話。

策略で生きるより、自然まかせて生きている方が幸せになれるという教訓なのかと思います。すごく気に入っているのは、ドラゴンが住む孤島までをひたすら船を漕ぎ続けているおじいさんのシーンです。「琥珀の望遠鏡(ライラの冒険3)」に出てくる死者の国を思い出しました。


第5話『兵士と死神』
何でも“入れ”と唱えれば入れられてしまう袋を手にした兵士が、死神を袋に閉じ込めてしまうお話。

最初はみんな不死身になって喜ぶのですが、死神がいなくなった町が死を待ちくたびれた老人でいっぱいになってしまったというシーンが怖くて怖くて…。暗いオチも、観たあとでしばらく考えさせられます。でもそんな暗さも昔の童話らしくて好きです。悪魔や死神のクリーチャーが登場しますが、あまりジム・ヘンソンっぽくない雰囲気で新鮮です。
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第6話以降はまた次回に…。
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by pop-cult | 2010-03-15 23:38 | 70s・80sファンタジー
『1932年、「不思議の国のアリス」のモデルとなったアリス・ハーグリイブスは80歳。彼女はルイス・キャロルの生誕100年祭の式典に招かれて、初めてニューヨークを訪れる。そこでの新聞記者たちは「生きた本物のアリス」の登場に大騒ぎだった。長い間、ドジソン(キャロルの本名)のことを忘れようとしてたアリスは、そんなアメリカ人の強烈な歓迎に戸惑う。なぜならその中年の男が、当時10歳だった自分に強い愛情を持っていたことを知っていたからだった。』

もっと子供向けのファンタジー映画かと思っていたら、こんなに重いテーマの映画だったとは観てみて驚きました。実際はアリスが10歳の頃、ルイス・キャロルは30歳だったらしいのですが、映画ではイアン・ホルム(ロード・オブ・ザ・リングのビルボおじさん)がやっているので、40歳から50歳くらいに見えて、とにかく彼のアリスを見つめる表情が怖いんです。この映画のタイトル「ドリームチャイルド=夢の少女」というのも、ドジソンにとってアリスが夢の少女だったということだから恐ろしい… 
しかも10歳にして、アリスは彼からの好意に気がついていて「彼は私が好きなの」と自分の姉妹や母親に言っていて、みんなの前ではわざと「私のことをじっと見てた」という理由で水をかけたり、ドジソンの吃りを笑ったりするんです。そうやってバカにしながらも、彼が作ったおとぎ話は大好きで、自分の為に書いた本をもらうと「一生の宝物にする」と言ったり。幼さ故の残酷さというか、生まれながらにして小悪魔なのか。ホラー映画に登場する子役が怖い、あの感覚にも近いものを感じました。

80歳になっても、ずっとその頃の記憶がアリスを苦しめていて、物語に登場するイカレ帽子屋や、三月ウサギたちが幻覚になって現れて、彼女にナゾナゾを出して、答えられないと「アホなばあさんだ」と暴言を吐くのです。そのシーンが、80歳になって記憶力も低下してきた老人に対する言葉にもとれるから、ちょっと辛い。それに彼女にとっての「不思議の国のアリス」は、ドジソンの愛情に混乱したり、ドジソンにしてきた自分の酷い態度を思い出して申し訳ない気持ちになったり、封印したい過去の記憶なんです。

でも強引な元新聞記者の説得で、彼女は少しずつラジオ出演や取材を受けるようになって、ドジソンの記憶と向き合います。すると、風変わりで気難しいドジソンの愛情というものが、歪んだものではなく深い優しさだったことに気がつくのです。
最初は、ルイス・キャロル=ロリータコンプレックスの元祖(?)なのかと思って、なんだか恐ろしい映画だと思って観ていましたが、アリスの心の変化がこの映画の核になっていたので、見終わったらあたたかい気持ちが残りました。すごく良かったので、一度観て、次の日にもう一度観ました。ちょっと痛いけど素敵な映画です。
ファンタジー映画のテーマは「友情」とか「忠誠心」とか「勇気」とか、もっと小さい子供にも理解しやすいものが多いけど、この映画は「記憶」とか「老い」とか「死」、それに「愛(捉え方が難しい形)」がテーマなので、重いし深いです。デリケート(?)な話すぎて当時(1985年上映)話題にならなかったのかな?なんて思いました。

ちなみに、少しだけ登場する「不思議の国のアリス」でおなじみのキャラクターたちも、やけにグロくて最高です。それもそのはずで、担当はジム・ヘンソン(セサミストリートの産みの親で、「ラビリンス/魔王の迷宮」の監督)でした。彼が作るクリーチャーが大好きなので、それが見られただけで大満足でした。テニエルの原画を参考にしながら、不気味な可愛さと、どこか笑える雰囲気が彼らしい!やっぱりジム・ヘンソンは唯一無二の存在です。VHSだから画像が悪くて、クリーチャーの細かい所までは見えないのが残念ですが、いろんな意味でちょっと怖いファンタジーに興味がある方はぜひ探してみてください。

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by pop-cult | 2009-05-16 00:15 | 70s・80sファンタジー
サーカスとかカーニバルとか、道化師というものが昔から気になる存在です。
ドイツの元祖グロテスク映画(ほんとか?)『ブリキの太鼓』に出てくるサーカス団も、すごく奇妙で近づいただけで呪いにかかりそうだし、『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』にも不気味な道化師たちが登場するシーンがあります。「ダレン・シャン」という児童書なんて「シルク・ド・フリーク」という奇形の人たちを見せ物にしている闇のサーカス団の話(実在したらひどすぎる話)だし、サーカスとか道化師って、夢があってキラキラしていそうでも、同時にどこかネガティブな匂いがするものとして、映画や物語に登場することが多く感じます。そこが惹かれる理由なんです。

去年、いつもよく行くツタやのSFコーナーで見つけたVHS「レイ・ブラッドベリの何かが道をやってくる」は、まさに悪のカーニバルの話です。これが結構古いし流行ってもいないわりに、意外と完成度が高くて面白かったので、ずっと残っています。

「ある秋の夜、町に季節外れのカーニバルがやって来たのを二人の少年が目撃する。不思議に思った二人は夜中にこっそりとカーニバルに忍び込む。すると町の大人たちがフラフラとやって来ては、魔法のメリーゴーランドに乗って若返ろうとしていることを知る。少年たちは、父親と、カーニバルの秘密を知る謎の避雷針売りとともに、魔術師であるカーニバルの団長に立ち向かっていく。」というような話。
この逆回転メリーゴーランド以外にも登場するアトラクションは、大人たちの欲望を満たすようなものに見えて裏があるというような、どこか「笑うセールスマン」的な話です。ちなみにレイ・ブラットベリというのはこの映画の原作者(ファンタジー作家)で、有名な人らしいですが、にわかファンタジーファンの私はぜんぜん知りませんでした。原作はもっと面白そうです。

これは80年代のディズニー映画ですが、同じくその頃のディズニー映画で『リターン・トゥ・オズ』という私が大好きな映画があります(前にこのブログにも書きました)これは、ドロシーが再びオズに帰るという『オズの魔法使い』のその後の話で、意外とおどろおどろしいファンタジーなのですが、『何かが道をやってくる』も怖さは同じようなもので、今のディズニー映画とは方向性がかなり違っています。笑えて感動できるファンタジーより、ずっと気が抜けなくて見終わってもいい意味で引きずるようなファンタジーが好きなのですが、そっち路線はもうディズニーは作る気ないのかな…。(あまり関係ないけど、ディズニーランドとかのCMがどんどんセンス悪くなってきていることも気になっています)

斬新な話ではないけど、最初から緊張感があって引き込まれるし、なんと言っても団長のミスター・ダークがかっこいいのも魅力です。かっこいいっていうのはビジュアル的にっていうより、雰囲気が本物って感じたので。笑顔がない、目の奥が冷たい不気味な大人を見事に演じきっています、ジョナサン・プライス!←「未来世紀ブラジル」の主役の人ですが、ほんとに同一人物なのか疑わしいくらい全く違ったキャラクターです。最近だとパイレーツ・オブ・カリビアンでキーラのお父さん役もしています!ファンタジー映画は子供の演技力とか、見た目の雰囲気もかなり重要だけど、脇を固めている大人がいい味出していると全体に深みが増して良いものになると思うんです。ま、ミスター・ダークは脇というよりほぼ主役ですが。

ただ一カ所だけ辛すぎるシーンがあって、毛むくじゃらの蜘蛛が大量発生するところ。あれは私が変な体勢で寝てしまった時に見る悪夢のようでした。蜘蛛ってどうしてあんなに気持ち悪い動きをするのだろうか、あれ以外はおすすめです!


先月「コルテオ」の特番をちらっと見ました。コルテオの全体のテーマは「道化師が死ぬ前日に見た夢」らしいですね。それを聞いただけで興味が4割増になりました。死とか欲とか「不」と言えることがテーマでありながら、キラキラした希望も忘れないエンターテイメントがやっぱり好きです。闇と光は同時に存在するってことですかね!!意外とでかい話で締めてみました。

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by pop-cult | 2009-03-15 00:19 | 70s・80sファンタジー
渋谷ツタヤでお気に入りのSFコーナーで、また初めて見掛けたビデオを借りてみました。一応ざっくりとSF冒険ファンタジーとパッケージには書かれていました。80年代あたりのファンタジーが好きなので何となく借りてみたんですが、まさかSFコーナーにこんな「ダンサー・イン・ザ・ダーク」的な絶望感を味わえる映画が眠っていたとは…。久々に落ちました。だれも観ないと思うけど、ネタバレしてるの読みたくない人は下の方は読まないでください(←アバウト)

「ウイザード」は1988年のニュージーランドとオーストラリアでの合作で、原題は「The Navigator - a mediaeval odyssey-」予知能力がある主役の少年のことを邦題はウイザードと、原題はナビゲーターと表しているみたいです。

映画のあらすじ…『1346年ヨーロッパで「黒死病」という恐ろしい伝染病が蔓延する。予知能力を持った男の子グリフィンが住む小さな村にも「黒死病」の脅威が迫ってきていて、旅から戻ったグリフィンの兄コナーから外の世界の絶望的な様子を伝えられる。村人たちが怯える中、グリフィンは「夜明けまでに世界の裏側にある大聖堂の塔へ十字架を供えれば村は助かる」という夢をみる。その夢を信じて、グリフィンとコナーたちは旅に出る。』

最初、主人公グリフィンの「予知夢」の映像から始まるんです。洞窟のような場所に松明が落ちていく様子や、水の中に浮かぶ十字架など、断片的に美しくてどこか悲しい雰囲気の映像が流れて、最初はその映像が何なのかわからないまま進んで行くのですが、だんだんその意味がはっきりしてきます。

『グリフィンたちが世界の裏側に通じるという洞窟を掘り進めてゆくと、何とたどり着いたのは現代(1988年)のニュージーランドの街。しかしその途中グリフィンは仲間の誰かが聖堂から墜落死する夢を見る。後にそれは兄のコナーであることを知り、グリフィンは大聖堂につくとコナーに代わって、十字架を抱えて塔に登り始める。』

全体的に台詞が少ない映画ですが、グリフィンとコナーの絆の深さが伝わってくるシーンが多くあります。少ない要素で伝えるべきことをしっかり伝えてくる感じがしました。あと不思議なのはグリフィンの「夢」はカラーの映像で、現実に起きていることは「モノクロ」で、色がない世界ってそれだけで異質なので、現実が異質な雰囲気であることが面白いなと感じました。また突然現代のニュージーランドの町に辿りつきますが、そのアイディアも斬新です。このあたりまでは頻繁に夢と現実が交差したりして、アートな雰囲気すら感じる映画だなーと思って観ていましたが、話は徐々に不吉な方向へ進みます。

『手袋が塔から落ちる夢をみて、手袋をしているコナーが塔から落ちるものと思い込んでいたグリフィンだったが、実はグリフィンこそが墜落死する人物であることを悟る。しかしそのことに気づいたときにはグリフィンの体はコナーに借りた手袋と共に宙を浮いていた。
夢はそこで覚める。実は途中からの出来事はグリフィンの夢だったのだ。洞窟の外から聞こえる村は助かった、という歓喜の声を耳にし、グリフィンたちは村に帰ろうとするが、その頃、グリフィンは自分の体の異変に気づく。見慣れない吹き出物、それはコナーから感染した黒死病に冒されていたという証であった。そしてグリフィンは一人村に戻ることを諦めて、感染していない村人を守るため、柩に収められ川に流されることを決意するのだった。』

一番信用していた兄のコナーによって不治の病を移される絶望感っていったら…。もちろんコナーは感染に気づいていなかったため、移すつもりなどなくグリフィンと接していたんです。それに最初からグリフィンが見ていた水の中の十字架の映像は、実は自分が川に流される映像だったとは。この残酷なオチには度肝をぬかれました。久々に深い絶望感を感じる映画でした。

全く心地の良くない映画ですが、一度見たら忘れられない種類の怖さがある映画です。映像的にも不思議で見応えはありました。冒険映画も、ハッピーエンドって決めつけてはいけないのだなということを学びました…。しかし終わり方が衝撃的だと確かに忘れないですが、なるべくハッピーエンドまでいかなくても、どこか希望を残して終わってほしいものだと思いました。「ウイザード」の後は、大好きな「ユー・ガット・メール」(トムとメグのラブコメ系)でも観て、気持ちを中和させるとちょうどいいかもしれないと思いました。
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by pop-cult | 2008-11-08 00:06 | 70s・80sファンタジー
「フェアリーテール・シアター」は1982年から87年までアメリカでテレビ放映されていたという、ちょっとした伝説の番組。グリムやアンデルセンなどの童話を毎回違う監督が独自路線で映像化するというもの。テレビ番組のわりに、集まってる監督も出演者もやけに豪華。日本で例えるなら「濱マイク」みたいなものかな?(それしか知らないから)
しかも、製作総指揮が女優のシェリー・デュヴァル!「シャイニング」の奥さん役だった、なにげにジャック・ニコルソンより顔が怖いっていうあの人です!女優業だけじゃなくて色々と精力的に活動していた方みたいです。顔つきもなんかファンタジー。
ユーロスペースでその中の四本が上映されています。駆け込みで、先に上映の2本を観てきました。

『ミック・ジャガーのナイチンゲール』

いきなりあまりの安っぽいセットにびっくりして、さらにローリング・ストーンズのミック・ジャガーが中国の皇帝の役という無理矢理な感じにも驚きました。これは手のこんだコントか?と。なぜミック・ジャガーを選んだのかは謎だし、顔が意外と綺麗な分、コスプレの面白さが増して見えました。それにメインのナイチンゲール(鳥)がもうメインなのに大胆とも言えるチープさで…。昔見た、教育テレビの「お話の国」みたいでした。「今ってもうお話の国はやってないのかな…」なんてことを考えたりして、話よりも、セットが壊れるんじゃないかとか、そっちが気になってしまって。そのうち「このままでは寝るな」とウトウトしはじめたら終りました。とりあえず貴重なモノを観たな、ということでした。


『クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男』

ナイチンゲールを見た後だったので、いっそのこと「セットの粗探しして楽しむしかないかなー」なんて思って期待しないで見始めたけど、これが意外に大ヒットでした。
主役は「アリー・my・ラブ」の脇役弁護士の人(ピーター・マクニコル)で彼がいい味出してました。
「怖い」とか「ゾッとする」という感覚が一切分からない主人公が、ある日父親に「何も怖がらないお前が怖い」と家を追い出され、そのまま恐怖を求めて旅に出ます。そこである城の幽霊退治を引き受けることになるのです。
彼の何に対しても動じない、というより恐ろしく鈍感な姿が面白すぎてずっと笑っていました。城の中のテーブルに骸骨が乗っていても、平気でその上で食事を始めたり、脅かしてくる幽霊達に対してはもう「リアクションするのもダルい」みたいな態度で、そのうち「唸るならもっと声の出し方を変えた方が迫力がでるよ」とアドバイスするほど。
彼のその勇敢(?)な態度に惚れてしまったお姫さまが「ステキ!あなたと結婚するわ!!」と一人で大盛り上がりし始めたら、急に彼の体が震えだして一言「コレが恐怖か!!」っていうオチ…。超ブラック、こういうの大好きです。
セットもわりとチープなんだけど、古典的ホラーな雰囲気で可愛くて好きでした。ドラキュラとかフランケンシュタインとか、あとゾンビとかも、あーゆー雰囲気に弱いんです。ハンズに売ってるかぶりものとかも、ちょっと惹かれます。昔、死にかけ人形持ってました(当時みんな持ってたけど)
脱線したけど、そんな感じでこっちはすごく楽しめました。

今は、ティム・バートンと、コッポラの作品が上映中なので、また見に行こうと思います。画像は、怖くないシェリー・デュヴァルを見つけたので。シャイニングの時とは別人みたいに可愛いです。
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by pop-cult | 2008-08-18 00:19 | 70s・80sファンタジー
最近、渋谷のツタヤの「SF・ファンタジー」コーナーに気が付くと足が向いていて、地元のツタヤにはないようなマイナーな映画を借りたりしてます。
ファンタジーってジャンルのものはとりあえず気になっちゃって、「これはきっとしょっぱいなー、がっかりするんだろうなー、CG安っぽいんだろうなー」ってなんとなくは分かっていても、つい借りてしまうんです。たまーにそんな中に「レジェンド(トムクルーズが痒いけど、美術が良かった)」とか、「なにかが道をやってくる(結構ホラーでおもしろい)」とか当たるものもあるからやめられないんです。

でも「バンデットQ」は監督がもともと好きなテリー・ギリアムだから、そんなにつまらないことはないだろうとは思っていたし、80年代のファンタジーが好きだし、小人が登場するって書いてあったから、「これは当たるかも」ってちょっと期待もありつつ観てみました…。が、確かに面白かったです。好きか嫌いかで言ったら好きなんだけど、久々のギリアム節(?)に本当にびっくりしちゃって、また観終わってしばらく考えてしまいました。(この先ネタばれあるので、これから観る予定の方は読まない方が楽しめるかも)

そもそも「小人」ってキーワードで面白そうって思ってしまった私は、最初ティンカーベルとか妖精的な小人をイメージしちゃっていたから、うるさい汚いちっさいおっさんが6人出て来たときには「小人ってこれかい!?」って笑ってしまいました。「あ、これギリアム映画だったんだ」ってことを思い出させられました。ギリアム監督にキラキラしたファンタジーなんてあるわけないのに、彼の映画を心構えなしで見始めると、始まってすぐに度肝をぬかれます。彼の映画は何本か観てるのに、今回も忘れていて驚いてしまいました。

その小人たちというのは、万物の創造主の下で働いていたけれど、仕事に嫌気が差してしまい、タイムホールが書かれた地図(あらゆる時代、国を好きに移動できる)を盗んで逃げ出してきたというダメダメな小人たちなのです。
彼らはケヴィンという11才の少年の部屋に突然現れて、そこに地図を取りかえそうと怒り狂った創造主の巨大な顔が追いかけて来たので、ケヴィンも巻き込まれ、小人たちと一緒に逃げる羽目になるのです。

そこからはいかにもギリアム的な、なんでもありのタイムトラベルが始まります。背が小さいことを気にしているナポレオンや、泥棒のロビンフッド、ギリシャ神話に登場するアガメムノンという王様(なぜか手品好き)など、あらゆる有名人(?)をおちょくっているようなキャラクターが登場します。小人たちは彼らを騙して宝を盗んでは違う時代に逃げるというひどい奴らなんですが、他のどのキャラクターもダメダメで、子供のケヴィンだけがまともなんです。
気が付けば、「バロン」も「ローズ・イン・タイドランド」も出てくる大人はみんなダメ人間で、その大人に子供が振り回されるっていうのが、ギリアム映画の基本スタイルのようなものでした。確かに大人になると子供の頃には分からなかった汚さとか嘘に気が付いちゃって、それによって大人って逆にバカになる部分ってあると思うんです。気付いたことで子供みたいに純粋ではいられなくなって、弱くなって、自分を守るようになったりして、考えなくていいことまで考えるようになった結果、ちょっとバカになるっていうような…。だからギリアム映画って変な所が現実的で、笑えるような笑えないような複雑な心境になるときがあります。

「万物の創造者」は、ものすごいインパクトのあるビジュアルを想像させておいて、最後の方でやっと全貌が明らかになると、なぜか普通のスーツを着た会社員のようなおじさんで、オーラもなにもないんです。ケヴィンはずっと一緒に旅して来た小人たちにも最後は裏切られるような感じになるし、現実世界に戻って来ても、なぜか家は火事、両親(この二人の大人もやっぱりアホ)は爆発して消えてしまうという散々な目に合います。「ケヴィンは可哀相なだけじゃん!そもそもこの映画、何が言いたいの!?」という、見始めてからずっと感じていた疑問は最後にはさらに大きくなり、そのまま映画は終了。

普通の映画って、何かしら観客に伝えたいことがあったり、楽しませたいとか、感動させたいとかあるけど、この映画はそれが全然分かりません。それに普通の映画って、「子供向け」とか「20代のカップル向け」とか一応狙いの客層ってあるものだけど、この映画はそれが全然見えません。かろうじて「大人ってひどい」ってところが教訓みたいなものだったとしても、「そんな映画ってひどい」と言い返したくもなります。
でもなんだかんだ言っても、彼のブラックで独特な世界観はやっぱり好きだし、ここまで我が道を突っ走っているギリアム監督には恐れ入った「バンデットQ」なのでした。

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by pop-cult | 2008-07-23 00:25 | 70s・80sファンタジー
グラディエーターやらエイリアンを撮っているリドリー・スコットという監督が1989年に撮ったファンタジー映画です。
『レジェンド -光と闇の伝説- 』←このタイトルのうさん臭さに警戒して避けてたけど、誰かがブログで誉めてたのを読んで、気になって借りてみました。

「王女リリーは絶対に触れてはいけないとされているユニコーンの角のあまりの美しさに触れてしまいます。そのために1頭のユニコーンが倒れ、世界が呪にかけられてしまいます。リリー自身も闇の魔王に連れ去られてしまい、リリーを愛する森の青年ジャックが救出に向かい、魔王と戦います。」
ざっとそんな内容です、北欧神話が元になっているようです。

正直言って、話自体は面白いとは感じなかったです。ごめんなさい。でも映像とか言葉とか美術が凝っていて、映画としての完成度は意外に高く感じました。
美術はもっと安っぽい感じかと思ってたけど全然そんなことなくて、古さが味に見えます。たしかにユニコーンの角はゆさゆさしててウケたけど、意外と気にならなかったです。
それも監督自身が舞台美術(セット)を担当していて、かなりのこだわりがあったようで、お金も相当かかっていたみたいです。やっぱりファンタジーってある程度お金をかけないと良いものにならないのかな〜ってちょっと思いました。「レジェンド」は、80年代の映画ってこともあって、CGはあまり使われていません。その分、CGに頼っていない良さが、美術にも、魔王などの特殊メイクにも出ているように感じました。
映像はとにかく間抜けしないための対策とも思えるくらい、常に背景に何かしら漂ったりしていたのが、私としてはそこがすごく気に入りました。雪、花びら、光があたって輝く雨、シャボン玉、ラメのような粒子、羽虫?などなど、あえて不自然に舞っているんです。不自然なんだけど綺麗っていうバランスがうまくとれていました。だけど、映画は普通ストーリーがおもしろくて初めて成り立つものだと思うから、やはり興行的には失敗だったらしいです…(ウィキに書いてあった)

それより何より気になるのは、主役である森の青年ジャック役のトム・クルーズです。若き日の彼はもう恥ずかしいくらい、それはそれはキラキラしていました。なんだろう、あの田舎っぽさが出てしまう感じは。綺麗な顔なのは理解できるけど、素直に素敵と思えないあの感じ…(カスピアン王子的なものを感じます)それにもうトムさんは色んな映画に出過ぎてるから、素直にその役として観られなかったんです。私には「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」と「アイズ・ワイド・シャット」と「マグノリア」の彼だけでもう頭に空席がなくて…。
それにファンタジー映画って、その俳優の「演技」よりも単純に見た目の「雰囲気」が大事になってくるものだと思ってて。逆に「ロード・オブ・ザ・リング」があんなに沢山の賞をもらっていても、そこに俳優賞がなかったように、ファンタジー映画に賞をとれるような演技は求められていないように思うし。(そうは言っても「ロード〜」は人選の良さだけじゃなくて、俳優さんたちの入り込みも私はすごいなーって感じながら観ていたんですが。特にヴィゴ・モーテンセン。)

それで、トムさんとは逆にナイス人選って思ったのが、ガンプという妖精の役をやっていたダーヴィット・ペネント!私がかなりご贔屓している映画『ブリキの太鼓』の主役の少年です。もう無気味すぎて、絶対的な存在感がある彼はファンタジー向き!って勝手に思いました。妖精って響きはちょっと綺麗すぎる気もするけど。

そんなわけで「レジェンド」を観ながら、またしてもファンタジー映画の在り方について一人で分析をしてしまったわけです。そこでいつものように「エイドリアン・ブロディもファンタジー映画に抜擢されればいいのにな…、あの鷲鼻と垂れ眉毛は人間離れしてるし」って妄想もしていました。でも実際、抜擢されたとしても、彼の場合まず王子とかはないし、ぬるっとしたケンタウルス役だったりして、彼のキャリアに傷がついちゃっても複雑なんで、この妄想はここらへんで終了させます。
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by pop-cult | 2008-06-22 10:32 | 70s・80sファンタジー