アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox

タグ:グロテスク ( 16 ) タグの人気記事

最近見た映画の中で印象的だった2本「永遠の僕たち」と「少年は残酷な弓を射る」
似ている映画ではないけれど、2本とも若い少年が主人公ということで。


【永遠の僕たち】
ガス・ヴァン・サント監督作品。幼い頃に両親を亡くし、日本人の特攻隊の幽霊“ヒロシ”だけが友達の少年イーノック。趣味は赤の他人の葬式に紛れ込むこと。そんな彼が、不治の病で余命が3ヶ月と言われている少女アナベルと出会い、二人のとても切ない恋の話です。
世間の評価はどうだったのか分からないけど、私はなんだか好きな映画でした。
元々、病気で死んじゃうって分かってる映画自体が苦手であまり見ないようにしているけど、たまたま観たこれは、重くなりすぎずに観られて、少し温かい気持ちにもなれたのでよかったです。

イーノックとアナベルは変わり者同士で二人だけの空気をもっていて、そんな二人のやり取りがとても微笑ましく、切なくもあります。変わった二人だけど、なぜか妙なリアリティも感じられる所がよかったです。

そういえばリアリティが感じられないくらいアナベル(ミア・ワシコウスカ)の服がかわいすぎるのも見所のひとつです。
加瀬亮好きも必見です(ファンはもう観てるか?)もし私が日本人俳優をやっていたら、ガス・ヴァン・サントのこんな作品のこんな役で出られたら感無量です。とても素敵な役です。しかし彼は英語が上手すぎて何者かと思いました。COCO塾?

ちなみにイーノック役の少年はデニス・ホッパーの息子らしいです…!最近自分の中だけで流行っている「ハリウッド版エヴァンゲリオン(実写)」の妄想キャスティングで、シンジ役は今の所、彼ヘンリー・ホッパーにオファーを入れています。

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【少年は残酷な弓を射る】
どういうわけか、母親に全くなつかない息子。小さい頃から敵意を母親だけに向けていて、母親をあらゆる手を使って苦しめる息子。そんな息子がある日人を殺してしまう。そんな時は母は…?
というような、重苦しい題材の映画です。

母親の目線でかかれていて、現代と過去が行き来します。最初「ん?」となりながらも、難解映画というわけではありません。映像や撮り方、編集もかなりこだわっている映画でただのサスペンスとも言い切れない謎の深みがありました。

母親役のティルダ・スウィントンははまり役でした。「ナルニア国物語」の氷の女王役も、「コンスタンティン」での天使?役も似合っていましたが、こういう疲れた母親役もここまでハマるとは、流石女優。
息子役の少年も、とにかく顔が恐い!オールウェイズ反抗期というか、もはや母親いじめみたいになっているのですが、この少年のこの顔にはリアリティありました…。役作りでそう見えるのか、彼の目は、人殺しの目でした… 役者ってすごい。
今思いついたけど、エヴァのカヲル君役に、彼でも良いかも。ミステリアスな美男子ということで…。
とにかく、淡々と進む映画ですが緊張が途切れません。結構色々とグロいのでそういうの苦手な人は避けた方がいいです。しばらく考えさせられる題材ですが、面白かったです。

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2本とも観終わって、明るい気持ちになれる映画ではないけれど、心に何か残してくれる映画です。おすすめです。
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by pop-cult | 2013-01-31 01:02 | 外国の映画
最近面白かったゾンビ映画、2本まとめて書いちゃいます!

【ゾンビ大陸 アフリカン】

ポップなタイトルに惹かれ、あまり内容を知らないままDVDで観ました。これはびっくりするほど笑いがなくて、普通にめちゃめちゃ怖いホラー映画でした。
その名の通り、アフリカ大陸がいつの間にかゾンビだらけになってしまい、黒人のゾンビがうじゃうじゃ…という、視覚的にも白人ゾンビより迫力がすさまじい映画でした。

それはそれは低予算で撮られた映画なのは一目瞭然なのですが、カメラワークとかかなり気を使っていて面白いです。ゾンビって存在自体が現実離れしすぎてて、それだけであまり怖くない映画が多い中、妙にリアルなんです。オールドスタイルと言われる、動きがスローなゾンビたちでも、ここまで真面目に怖い映画になっちゃうんだなーと、変に関心してしまいました。

どちらかというと、もっとふざけた、怖くないバカバカしいゾンビ映画の方が好きだけど、飽きずに引込まれていく映画なので、完成度が高くて好きでした。ツタヤではまだ新作でしたが、ぜひ!

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【ゾンビランド】

最近と言っても、去年劇場公開されていたので少し経っていますが、これは面白かったので人に薦めまくっていたら、実際に観てくれた人から「面白かったよ!」と(2人から)言われたので、超自信を持っておすすめしたい映画です!

こちらはタイトル通りの完全コメディです。「ソーシャル・ネットワーク」で主役だったジェシー・アイゼンバーグが、ゾンビだらけの世界で生き残るルールを自ら考案し、それを忠実に守ってきた所、本当は弱々しいのに生き残ってしまった微妙な主人公を演じています。「ソーシャル〜」で嫌なやつ!って印象がついてしまった人にはぜひ観てもらいたいです。ちょっと情けないけど、なんか応援したくなるキャラクターでした。

彼が途中で出会う、ゾンビ殺しの達人も最強に面白く、お決まりの美女の登場もまたいい味出してるんです。なんと言っても我らがビル・マーレイ様が本人役で登場するのですが、これにはお腹を抱えて笑ってしまいます。彼の登場はもう、世界のビル・マーレイファンが彼の良さを再確認しちゃうであろう瞬間でした。この映画は登場人物がみんないい!

最後に無人の遊園地でゾンビ達と戦うシーンもたまりません。関係ないけどたまたま、この映画を観た映画館の外に寂れた遊園地があって、観終わったときに映画とリンクしてテンションが上がったこともいい思い出です。

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次はゾンビ大陸アフリカンのDVDに予告が入っていて面白そうだった「ゾンビヘッズ 死にぞこないの青い春」が、いい具合にバカそうなので観てみようかと思いました。
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by pop-cult | 2012-07-12 23:09 | ホラー映画
もうなんか…、観終わった後に思わず「ふざけた映画だな…」と呟いてしまいました。『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール』などで知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の、今公開中の映画『私が生きる、肌』のことです。

この映画、どうやら賛否両論の賛が多いらしいのですが、それ本当〜!?ってかんじです。私なんて久々に、観終わってすぐに頭の中で再編集が始まりました…。でも、“物議を醸す”映画という意味ではすごいのかと思います。
一緒に見たママちゃんも「あれはないね」の一言で切り捨てていましたが、他の人がどう思ったかがものすごく気になることは確かです。

アントニオ・バンデラス演じる天才医師が、自ら開発した人口皮膚を移植して、死んだ妻にそっくりの美女を作り上げるという、とてもグロテスクな話です。
これはネタバレ厳禁な映画なので、核心には触れずに感想を書きたいです。だいぶ辛口なのでご了承を!

まず思ったことは、最初の方にバンデラスの家でお手伝いさんをしている女性の元に、虎のコスプレをしたおかしな男が訪ねてくるのですが、そのシーン、すべてカットでいいと…。なんでこんなにどうでもいいシーンに、こんなに時間をとっているのか、観終わって疑問でしかありませんでした。

そのかわりに、もっとバンデラスの妻のこととか、案外サラッとしか登場しないし、娘のことももっと時間割いてもいいのでは?と思ってしまいました。

「そうだったの!?」という事実が分かった後は、「でも…、だとしたら、あのときのアレはおかしくない…?」のオンパレード。
例えば『シックス・センス』なんかは、主人公が幽霊ということを知ってからもう一度観ても「確かに誰とも会話してない!なるほど!」ってなるけど、この映画はならないと思います…。ま、きっと観客に「なるほど」と思わせたいとも思っていない気もしますが…。
ただ、あそこまで突拍子もないオチがあると、それまでの話が「オチがバレないように作った」感が目立ってしまって、ちょっとチープな印象に感じました。

終わり方も「ここで終わりかい!?」というタイミングで、私としては「この後どうなるか気になるでしょ!?」と思ったので、そこも観たかったです。しかし、あの後を長々やったとしても、もっとチープになっちゃう可能性もあるけど…。
映像も美しいし、音楽もかっこいいし、それでいてエログロっていう世界観は嫌いじゃないのですが、ストーリーだけ考えると、いくらなんでも観客をなめすぎではないかと、ちょっとした怒りすら感じました。あまりにも浅い。もう確信犯で、「この映画はバカな話ですが、楽しんでください」くらいの気持ちで作ってるのだとしたら、それはそれで新しいから良しとするけど、この映画を深読みするのは無理かと思います。
おしゃれな売り方してるけど、話はきっと「ムカデ人間」(見てないけど)と近いのかもしれないな〜なんて思いました。

ストーリーと関係ないですが、バンデラスの娘と仲良くなりかける青年の役をやっていた俳優さんが、すごくかっこ良くてツボに入りました。ジャン・コルネットという私と同い年の人で、新人さんらしい。これから注目したいです。

『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』『ボルベール』と、この監督の映画は3本観ていて、どれも好きだったので期待しすぎたのかもしれないです。同じ話で、タランティーノが監督したら別物として面白かったかもしれないな、なんて妄想もしちゃいました。でも、どうやら『私が生きる、肌』はこの監督の初期作品っぽい空気らしいです。散々書いてしまいましたが、これからまだ見ていない初期作品も挑戦してみようかと思いました。

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by pop-cult | 2012-06-16 09:54 | 外国の映画
人から面白いゾンビ映画を聞き出して、夏の間に少しずつ観ていました。やっぱり昔のゾンビ映画は、狙っているのか単に技術がないのか、チープ感があって面白いです。とくに面白かった古めのゾンビ映画3本の紹介です。

☆「死霊のはらわた」原題:The Evil Dead 1981年 監督:サム・ライミ

タイトル的にものすごく怖いのを想像していたら、意外にもおもしろゾンビ映画と言っちゃってもいいくらいのチープ感で笑いました。若者達が安いコテージに泊まりにきたら、なんか様子がおかしくて…というような王道(この映画に影響されている映画が多くて、それで王道になったのか?)な始まり方です。いきなりきたーー!というようななかなか気持ちのいい展開だし、ゾンビの特殊メイクがすごいことになっちゃっていて、なかなかグロい。視覚的に怖がらせようといているのが派手に出ていて、飛び散る血とか、臓器がカラフル。面白すぎます。お化け屋敷みたいに、そろそろくるぞ的な怖さがあって、中身はないです。なんだかよくわからないまま不幸なことになっていました。特殊メイクの頑張りも虚しく、意外とメイクが薄いゾンビの方がゾクっときました。
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☆「ナイト・オブ・リビング・デッド/死霊創世記」原題:Night of the Living Dead 1990年 監督:トム・サヴィーニ

友達におすすめゾンビ映画を聞いてまわっていたところ、友達の上司にゾンビ好きのおじさまがいるとのことで色々教えていただきました。その中の1本がジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・リビング・デッド』そのおじさま曰く、ロメロ無しではゾンビは語れないとのこと。私がゾンビ映画を好きになったきっかけもロメロの『ゾンビ』で、こんな面白いのかー!!とびっくりしたので、やっぱり「ナイト〜」も面白かった!…しかし、私が観たのはカラーで、1990年にトム・サヴィーニ監督によるリメイクものでした。観終わってから監督が違うことを知りました。ゾンビ映画の世界はリメイクとか、再編集とか、色々あるし、名前も似てるからごっちゃごちゃです…。
調べたら、内容はオリジナルとほとんど同じで、主人公が強い女性というのがリメイクの特徴らしいです。私としてはその女性がすごく良かったです。ヒッチコックの「鳥」と似ていて、ホラーというか、サスペンスとも言える内容です。ラストも色々考えさせられるかなり面白い1本でした。
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☆「バタリアン」原題:Return of the Living Dead 1985年 監督:ダン・オバノン

“オバタリアン”という流行語を生み出した映画。『ナイト・オブ・リビング・デッド』の続編ということになっている、パロディー映画です。「あの時のゾンビをまだ下で保管してるんだよね」ってな具合に始まります。「嘘だ〜」「いやいや本当だから」「信じられない」「信じないなら見せるよ」という、本当にバカな話です。最初から笑わせることを前提に作っているためなのか、俳優の演技も大袈裟でおかしなことになっています。当時のファッションも「何があったんだ」と言いたくなるほど変で、そんな若者の奇抜ファッションとゾンビが良いハーモニーを奏でています。音楽とか、普通にちょっとかっこいいし、体が半分の犬の剥製が動き出すシーンとか、オシャレです。色んな意味で爆笑の1本で、大好きです。
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調べると本当に色んなゾンビ映画があって、まだまだゾンビ好きというには観ていない映画が多すぎました。タランティーノとかもっと90年代以降の最近のものも観たいし、これから涼しくなってきて季節的には不向きですが、また観ていきたいと思います。引き続き面白ゾンビ映画をご存知の方は募集中ですので宜しくお願いします。
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by pop-cult | 2011-09-24 14:48 | ホラー映画
ミレニアム1の原作にはまって以来、2と3の映画を楽しみに待っていました。

『ミレニアム2 火と戯れる女』

天才ハッカーのリスベットが、社会派雑誌「ミレニアム」の発行人ミカエルと、富豪ヴァンゲル家の少女失踪事件を解決してから1年。リスベットはミカエルを避け続けていた。「ミレニアム」では少女売春組織の実態に迫る特集号を発行しよう進めていたが、担当するジャーナリストが殺害されてしまう。その現場に残されていた銃にリスベットの指紋が残されていたため、彼女は指名手配となる。しかしミカエルはリスベットの無実を確信し、事件の裏にリスベットをはめようとする大掛かりな計画が潜んでいることを独自の調査で明らかにさせるのだった。

とにかく1の時に死んでいると思わせていた人物が、まさかのタイミングで登場して「おめえ生きてたのかよ!?」の連続です。ミレニアム3部作は基本的に「まだ生きてる…!?」ということばかりあって、ツッコミたくもなりますが、それが面白かったりします。

1の中心はほとんどミカエルで、彼が巻き込まれた事件の助っ人として登場したのがリスベットでしたが、2からはリスベットの過去に迫る話です。彼女の辛すぎる過去、人間が腐りきった父親、サイボーグのような腹違いの弟…こうして書くとB級感が漂っていますが、だんだんと色んな話がつながっていく展開はただただ面白いです。1よりはあっさり感がありますが、3へと続く序章的なものなのだと3を見て分かりました。



『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』

ハッカーとしての才能を駆使して、様々な謎や疑惑を暴いてきたリスベットは、ついに宿敵との対決のときを迎える。リスベットは相手に重傷を負わせるが、自分も瀕死の深手を負う。リスベットとともに事件を解決してきた『ミレニアム』の発行人ミカエルが現場に駆けつけ、2人は一命を取り留めるが、リスベットを拉致した金髪の巨人を取り逃してしまう。リスベットは病院に収容される。政府公安警察にある秘密組織の元班長グルベリはこの事件のことを知り、班のメンバーを招集する。事件を通じて自分たちの秘密が発覚する危険を察知した彼らは、関係者の抹殺を企てる。そのことを察知したミカエルや「ミレニアム」関係者にも危険が迫るが、仲間を集め、巨大な陰謀に立ち向かっていく。

感想になってないですが、とにかく面白かったです。グロテスクだし、見ていて怖くて落ち着かないのですが、すごい早さで展開していくので同時に気持ち良さも感じました。今まで社会不適応者として、散々不公平な扱いを受けてきたリスベットの恐ろしい復讐劇が始まります。しかも相手が政府公安警察って…。
ちょっと違うけど『L.A.コンフィデンシャル』を思い出しました(大好きな映画の1本です)

最後には“正義は勝つ”って話だけど、そもそもここまでの“悪”が現実では存在しないことを願いたいです。登場人物の多さにこんがらがりながらも、すごい集中してどっぷり入り込んで観ていたので、裁判のシーンでは気持ちが高ぶって、怒りからなのか、なんなのかよくわからない涙が出てきました。モヒカンスタイルで淡々と答えるリスベットがかっこよかった…。


こんなに面白い映画だから、もっとヒットしてもおかしくないのに…なんて考えていたら、きましたハリウッドリメイク決定です!しかも、監督は「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィッド・フィンチャー!!これは本場を越えてしまうこと間違い無しです。

ちなみにミカエル役は「007」シリーズのダニエル・クレイブ!いい人選です。決定かまだ分からないですが、ミカエルのパートナー、エリカ役にはロビン・ライト・ペンという話も!私の中ではぴったりなので決まって欲しいです。リスベット役が誰になるのかものすごく気になります。ヘンリック・ヴァンゲル役はジョン・ハートに1票です。

クランクインは12月らしいてすが、今から楽しみです。『L.A.コンフィデンシャル』『ユージュアル・サスペクツ』『セブン』あたりが好きな方はきっと気に入ると思うので、おすすめです。
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by pop-cult | 2010-10-16 10:07 | 外国の映画
何映画と形容できない映画でした。多分ホラーが一番近いですが、スウェーデン映画ということもあってか、独特な静けさがある新しい感覚の映画でした。

『気弱な12歳の少年オスカーは学校でいじめにあっている。そんな時に出会ったのが、隣に引っ越してきた不思議な少女エリ。友達がいないオスカーはエリに恋をして、二人は親密になっていく。しかしエリは夜にしか姿を現さず、学校に通っている様子もない。年を聞いても「12歳くらい」と自分の誕生日も知らない。またエリが引っ越してきたあたりから、惨たらしい殺人事件が続発する。オスカーもエリの様子がおかしいことに気づき、彼女がヴァンパイアであることを知ってしまう。』

こうやってあらすじを文章にすると、突拍子もなくて白々しい話に聞こえますが、映画全体の雰囲気は妙にリアルで、むしろ生々しさがあります。いじめられたモヤモヤを晴らすべく、家の前の木をナイフで刺しながら仕返しをシュミレーションするオスカーの痛々しい姿や、12歳同士の男の子と女の子がなんとなく惹かれている様子を観ていると、とくに同じ経験をしたわけではないけど、懐かしさと苦しさが同時にやってきます。

そうかと思うと、エリの保護者的な男が、エリのために人間の血を採取しているシーンが入り込んできたり、ネタばれになるからあまり言えないけど、急に「スプラッター系映画!?」とか「これエクソシスト!?」みたいなシーンがちょいちょい登場するからかなり驚きます。
エリが急に壁を這い出したり、太陽の光を避けたり、血以外は口にしなかったりと、元々知られている(?)ヴァンパイアの法則もちゃんとモーラしつつ、ヨーロッパ映画特有の緩やかなリズムで進んでいく奇妙な映画です。最後まで先の展開が見えなくて面白かったです。
「好きな映画」というにはちょっと暗すぎるけど、結構好きです、このどこにも属していない雰囲気が。超ダークサイド版「小さな恋のメロディ」と言ってしまったら、お互いの映画ファンに突っ込まれそうですが、そんな印象でした。

以前「タクシデルミア」という、グロテスクすぎてトラウマになりそうな映画を観たとき、思いのほか世間での評価が高くて驚いたことがあります。その話をある友人にしたら「だれも観たことないタイプの映画であれば、評価されるもんなんだよ」と言われたことがあります。『ぼくのエリ』もどうやらいろんな賞をとっているし、観た人の感想を見てもほとんどが賛でした。たしかに私も面白かったですが、ここまで色んな人に受け入れられている映画だったとは…(というより観た人がみんな単にマニアックなのかも) 驚いたけど、確かに今までに無いタイプの映画なので、評価が高いのかもしれません。

あまり詳しくないですが、一応ヴァンパイア映画好きとしては押さえられてよかった映画でした。まだ公開中なので、気になった方はぜひ…。

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by pop-cult | 2010-08-18 21:06 | ホラー映画
『18世紀、悪臭の立ちこめるパリで、誰よりも優れた嗅覚を持って生まれたグルヌイユ。どんな匂いにも敏感で、あらゆる匂いに興味を持っていた彼は、ある日今までに出会ったことのない素晴らしい匂いに出会う。それはある少女の匂いだった。その匂いに魅了されてしまった彼は、誤って少女を殺害してしまう。それでもその匂いが忘れられず、調香師に弟子入りし、香水の製法を学んだグルヌイユは、異常な執着心で「その匂いを嗅いだ人の心を惑わせてしまう」ほどの香水を作ってしまうのだった。』


2007年に劇場公開された映画で、私はDVDになってすぐに1度観ていたのですが、その時は好きになれませんでした。でもベン・ウィショーが気になって再チャレンジ。不思議なことに映画って時間が経ってから観ると印象が変わるときがあるもので、今回はかなり楽しめました。

主人公グルヌイユを演じたベン・ウィショーは『ブライトスター』の時とは大違いで、同じ顔なのに別人で、気味が悪かったです。役者ってすごいと改めて感じました。この映画はまさにグルヌイユの伝記的映画だから、80%はベン・ウィショーのシーンなんです。だから彼の演技がダメだと、映画もダメになっちゃうと思うけど、彼は「何かに取り憑かれた人」の顔をしていて、妙な説得力がありました。殺してしまった少女の匂いを狂ったように嗅ぐシーンが一番気味が悪かったです。

映画全体の雰囲気は、舞台が18世紀のパリなので、ちょっと暗くてちょっと汚いけど、一応古き良き時代の空気が漂っているのですが、グルヌイユが生まれた場所なんかは死んだ魚が大量に放置されているような汚い市場なので、ものすごくグロテスクです。『ブリキの太鼓』級です。「悪臭」も含めて、匂いを感じさせるシーンは丁寧で、想像力をかき立てられます。衣装も美術も良いです。

その代わりに、話の展開はちょっと雑に感じるものがありました。「それ必要?」ってところで急に人が死んだり、空撮というのか、いかにもハリウッド映画!って感じの演出がたまに登場して、そこだけは少し鼻につきました。
登場人物のキャラクター設定もなんとなくザックリしてる印象があったし、私の希望では、脇役にもっとマニアックな役者を使っていたほうが、話に入り込めた気がして残念でした。(きっとそこには大人の事情があるのだろうが…)

生まれながらの才能に、可哀想な生い立ちと、主人公のキャラクター設定も極端というか、いかにも「お話の中の人」なのですが、そんな色んなツッコミどころを忘れさせてくれたのは、役者の演技力と美しい映像、あとは最後のあり得なさすぎるオチでした。

今まで散々驚かされながら、最後にはまた「えー!?」って言いたくなるような、変な潔さまで感じられるオチ…。初めて観た時は「なんだそれ…」って思ったけど、今回は急に「この映画はサスペンスじゃなくて、民話とか童話みたいなもんなんだ」って思えたので自分の中で腑に落ちたというか、やけに納得しました。
グリム童話とかって、変に話の展開が早くて、それでいて最後は救いがなかったり、戒めみたいなメッセージがあったりして、もやっとして終わるものが多い気がしますが『パフューム』もその後味が似ていました。

明るい気持ちにはならないけど、他にはない、ちょっと気持ち悪いけど心地いい疑問が残る映画です。わりとホラーですが1人で夜に観るのをおすすめします。

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by pop-cult | 2010-07-08 00:18 | ホラー映画
「ジャーナリストのミカエルは、ある大物実業家のスキャンダルを自身の雑誌「ミレニアム」に載せたことで、名誉棄損で有罪判決を受けてしまう。そんな彼に目をつけた大企業「ヴァンゲルグループ」の前会長ヘンリックは、ミカエルに40年前に失踪した自分の血縁に当たる少女ハリエットの真相解明を依頼する。早速、ヴァンゲル一族の住む孤島で調査を開始したミカエル。深まる謎を調査するには助手が必要だと感じた彼は、ひょんなことから鼻ピアス、全身タトゥー、身長150cmの天才ハッカー、リスベットの存在を知り、二人で調査を進めることとなる。そして40年間誰も見つけることが出来なかった重大なヒントを見つけた二人。事件が解明されることを恐れたヴァンゲル一族の誰かが、調査をやめさせるため二人に卑劣な妨害を仕掛けてくる。」

原作本がスウェーデンでは「ダヴィンチ・コード」を抜いて大ヒットなんて言われているわりに、私の周りでは話題にも出たこともない「ミレニアム」ですが、かなり面白いです、この本。ハリポタと村上春樹が好きな私の意見なので、あらゆる推理小説を読んでいる人はどう感じるのかわかりませんが、久々に仕事が手につかないはまりっぷりでした。読み終わった今でも、黒ずくめで細いパンツの女の子を見掛けると「リスベット!」と心で叫んでしまいます。

そんなわけでついつい映画も観てしまいましたが、やっぱり犯人を知っていて観るのって微妙ですね…。「シックスセンス」のオチを観る前に聞いてしまった時のような…。それなりに楽しめるのですが、常に「どうせ…」みたいな気持ちがチラついていて、なぜか損した気分でした。それにハリエットの謎がだんだん解けつつある時のミカエルの頑張りが一番面白いのに、仕方ないですが早足に感じてしまいました。

でも、原作ファンからもすごく評判がいい映画みたいです。確かに映画そのものはしっかり作られているし、リスベットと彼女の後見人のかなりグロテスクなシーンは原作のまま!まさかあのシーンが忠実に再現されるとは…というような痛々しいシーンですが、リスベットのキャラクターが活かされているように感じました。本を読む前は「ドラゴン・タトゥーの女」なんてサブタイトルはB級っぽいし、ヴィジュアル先行型のキャラクターが鼻につきそうだと思っていましたが、今となっては彼女が一番好きなキャラクターです。配役も良かった!ミカエルやエリカ、マルティンの配役に関してはもう少し素敵な雰囲気の人を想像していましたが…。スウェーデン人って気取りがないだけかもしれないです。

映画を観てから本を読んだらきっと最高に面白いのでおすすめです。けっこうグロいので、そういうの大丈夫な方はどうぞ。どなたか読んだら、もしくは観たら感想聞かせて下さい。

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by pop-cult | 2010-01-31 22:57 | 外国の映画
『ナチス占領下のフランス。「ユダヤ・ハンター」のランダ大佐によって、幼い頃に家族を殺されたショーシャナは、劇場を経営する傍ら、ナチスへの壮大な復讐計画を進める。
一方、ユダヤ系アメリカ人兵士の特殊部隊「イングロリアス・バスターズ」は、頭皮を剥がすという残忍な手口で、次々にナチスを始末していた。そこにドイツ人女優になりすましたイギリス人スパイが加わり、打倒ナチスの極秘ミッションを計画。ショーシャナとバスターズ、それぞれの計画は、ヒトラーを招いたナチ映画の上映会会場で交錯する。』

やっぱり、タランティーノの映画はグロくてポップで勢いが違いました。正直、セリフがものすごく多いので、付いていくのに必死だったし、恥ずかしながら歴史に疎いので「この人、なに人だ?」とかよくわからなくなる部分もあったり…。それでも面白いというのは、監督の力量だと感じました。

とにかく音楽の使い方が好きです。サントラとしていい音楽という意味ではなくて、タイミングと選曲のバランスが絶妙で笑わされます、いつも。それにただひたすらセリフを話しているだけのシーンなのに、飽きさせないのはなぜなのだろうかと思います。
あとはキャラクターが面白いのも魅力です。今回はダントツでランダ大佐が気持ち悪くて印象的でした。あの救いようのない性格の悪さと言ったら…。彼が主役のようでした。

他に好きだったキャラクターはショーシャナで、彼女はクラピッシュ監督の「PARIS」でもどこかダークな美人で存在感がありました。今回の復讐に燃える若き美女役も、相当怖いけどかっこ良かったです。

あとはブラピも、インパクトで言ったらランダ大佐には負けるけど、あの残酷非道なのにどこか滑稽で親しみが持てるキャラクターがよかったです。そういえば先日、CUTでブラピのインタヴューを読んでいたら、つけ髭を考案したのはウェス・アンダーソンだったと書かれて驚きました。ウェスが監督したソフトバンクのCMがあって、けっこう前に放送されていた可愛いCMなのですが、そのときにウェスのアイデアでつけた髭が気に入ったので、その直後に撮影がはじまったイングロリス〜でも髭でいこうと決めたらしいです。

どうやら賛否両論(やや賛が多め?)のようですが、「今日は肉が食べたい」みたいな感覚で「今日はタラが観たい」と思ったら、観てみるとよいのではないでしょか。
でも終わってたらごめんなさい。

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by pop-cult | 2009-12-14 23:32 | 外国の映画
夏らしいことをする予定もないので、「夏と言えばホラーだよね!」と無理矢理気持ちを盛り上げてみようと思います。ホラー映画って聞いただけで「内容が薄いものが多い」と考えている人も多いかと思いますが、なかなか奥が深いものも実は沢山あるのだなーと、最近見直してきているジャンルだったりします。特に巨匠と言われるようなベテラン監督の作品はやっぱりすごい。


『キャリー』(1976)監督:ブライアン・デ・パルマ
これは前半はホラーというよりいじめの話、ダークサイドな学園ものです。いじめのシーンも、変な宗教にはまっているイタい母親も、とにかくグロテスク。豚の血をかけられて怒り狂ったキャリーは、特殊能力を使って会場を破壊していくのですが、そこまでやるかと言いたくなるほどみんな殺してしまうし、か弱いはずのキャリーの血みどろで凄まじい眼力がひたすら怖いです。結局一番怖いものは「恨み」と思ってしまう映画です。そしてこのポスターかっこよすぎ。ちなみにデ・パルマ監督の「ブラック・ダリア」もグロいけど好きです。

『シャイニング』(1980)監督:スタンリー・キューブリック
こちらも「キャリー」同様にスティーブン・キングの小説を映画化したもの。キューブリックの映画って、どれも怖くてグロテスクなのに、美術が素晴らしくてテンポも良くて大好きなんです。簡単にいうと、呪われたホテルに取り付かれたジャック・ニコルソンが、妻と子供を殺そうとする話です。ストーリーの面白さというより、徐々に狂っていく男の様子とか、まるで普通に生きているかのように自然と現れる霊たち、綺麗なのに不気味なホテルの独特な雰囲気、霊感の強い子供、あんたの顔の方が恐いよとつっこみたくなる妻(シェリー・デュヴァル)とか、とにかく様々な場所に気が利いた演出を感じます。30年近くも前の映画なのに、不思議と古さを感じさせない名作です。

『サスペリア』(1977)監督:ダリオ・アルジェント
イタリア映画で、バレエ名門校を舞台に、次々に起こる奇妙な殺人事件に少女が巻きこまれていく話です。ホラー映画に詳しい知人に「映像(光)と音楽が面白い」と薦められたのがきっかけで観てみました。やけに赤い光が多く使われていたり、バレエ学校の内装も不自然に鮮やかだったり、変なポップさで気味が悪い。私にとっては新感覚のホラー映画でした。音楽も一度聞いたら忘れられません。それでいて実は「魔女」という古典的なモチーフというところも熱いです。最近公開されていた魔女3部作の完結編(?)「サスペリア・テルザ 最後の魔女」も映画館は怖くて諦めたので、DVDで挑戦しようと思います。

「ポルターガイスト」「エクソシスト」「オーメン」など、昔観て面白かったはずだけど、部分的に忘れているシリーズものも、これからちびちび観ていこうと思います。
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by pop-cult | 2009-08-12 00:12 | ホラー映画