アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

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タグ:テリー・ギリアム ( 6 ) タグの人気記事

『Dr.パルナサスの鏡』『ローズ・イン・タイドランド』のテリー・ギリアム監督の代表作、1985年に公開された『未来世紀ブラジル』を久々にもう一度観たくなって借りました。こんなに面白かった?と驚くほど面白かったのと、たまたまクリスマスシーズンという設定だったので、丁度いいのでブログに書いちゃいます。

20世紀のどこかの国の暗黒社会の話で、情報局に務めているサムと言うあか抜けない男が、いつも夢に登場する美女を追ううちに、知ってはいけない情報省の隠ぺい工作の裏の事実を知ってしまい、どんどんおかしなことに巻き込まれていく話です。

やっぱり、80年代の映画って素晴らしいと再確認しました。まだCGがあまり発達していないので、作るしかない!ということで妙に手の込んだ美術…。この映画は、そんな美術と映像を見るだけでも価値があります。内容よりもそっちに比重が置かれていると言っても過言ではないです。
未来的に見えてちょっとアナログ感もある奇妙な街。「ブレードランナー」とか「AKIRA」は私としては、“ とにかく街が魅力 ”と感じる映画なのですが、この映画もその1つだと思いました。透明な箱みたいな乗り物を使って通勤していたり、一人乗りの不思議な自動車に、建物のデザインもおかしいし、登場するものがほとんどこの映画のためにデザインされたものだからすごいです。
サムが働く情報省は、上司がいるときだけ真剣に働く人が所狭しにいる部署や、深夜の駐車場のように静かで不気味な部署、みんな強面だけど、なぜか真剣にクリスマスソングの合唱練習をしている部署と、そんな所にもバラエティ豊かな設定がされていて笑えます。
サムの家の中にはやけにダクトいっぱいだし、バック・トゥ・ザ・フューチャーの最初に出てくるような、勝手にパンを焼いてコーヒーを入れる機械があったり、警報みたいな音がなる電話とか、タイプライター型のパソコン(?)とか、目に入ってくるものがどれも面白すぎます。
登場人物も気持ちが悪い人ばかりで、サムの母親なんて頭にクツを被っています。レディガガを思い出しました。そうかと思うと情報局の役員は古めかしいスーツと帽子の市民ケーン的な服装で、差がまた面白い。夢の中に登場する悪者もなぜか甲冑を着ていたり、おかめみたいなお面を着けていたり、なんで?というものばかり。
なんで?と言えば、おいしい脇役にロバート・デ・ニーロが出ています。本命の役ではなかったけど、どうしても出たいと監督に頼んだらしいです。やるな…デニーロ…。

どこの美術、どこの登場人物、どこのシーン、どれをとっても面白いです。天才ってやつです。ただ話はかなり理不尽です。まさかの終わり方に「ギリアム監督はお客さんに絶対媚びないのだね…」ともう感心しました…。全く幸せにはなれないクリスマス映画を探している変な人がいたら、これをどうぞ。
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by pop-cult | 2010-12-16 16:34 | 70s・80sファンタジー
買いました、2枚組のプレミアム・エディションを!!
このDVDのパッケージ、キラキラしていてイマジナリウムのような質感です。裏切らないです。

特典映像が盛りだくさんな内容で、まだ全部は観れていないのですが、ギリアムよくしゃべること!あの巨匠ぶっていない所がまた好きです。まじめな話をしていても、なんか笑ってしまうけど、さすがにヒース・レジャーのことを涙目で話していた時には、もらい泣きするかと思いました…。

やっぱり面白いです、この映画。あと3回は観ないとちゃんと理解できなそうだけど。1回目はただただ圧倒されたけど、2回目には役者たちの動きと話し方が、妙に面白いって気がつきました。
アントンの言動を観ていると「ギリアム星の人」って感じます。カミカミのセリフに豊かな表情(顔の筋肉柔らかい!)、これギリアム映画の特徴なんでしょうか。「うる星やつら」の登場人物が、誰も使っていないような言葉で話すときにも感じていたソレと一緒でした。

そしてよくキレるヴァレンティナ。ギリアムの中では女性=キレる生き物ってなっているのでしょう…。パルナサス博士のあまり喋らない、動かない演技も他の登場人物と対照的なところがいいです。
トニー(ヒース・レジャー)もやっぱり変だけどかっこいいです。あの白い衣装を着たトニーのフィギュアがあったら欲しいです。

まだ観ていない人がいたらぜひぜひ観てみて下さい!!

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by pop-cult | 2010-07-11 10:19 | アート・おもちゃ etc.
大好きなテリー・ギリアム監督の新作「Dr.パルナサスの鏡」観てきました。撮影の途中に主演のヒース・レジャーが急死してしまったことで、一時は制作中止と言われていましたが、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが4人1役としてヒースの役を演じ、なんとか完成させたという、かっこよく言うと奇跡のような映画です。

人が心に隠し持つ欲望の世界を見せる「イマジナリウム」という鏡。「不死」と交換に娘を悪魔に差し出す約束を交わしてしまったパルナサス博士。鏡を通り抜ける度に顔が変わる謎の青年トニー。旅芸人の一座から逃げ出したい少女ヴァレンティナ…。この映画のストーリーを説明するのは難しいですが「ギリアム監督がパルナサス博士に自身の人生を投影させたような自伝的作品」というのが一番納得のいく説明だと思いました。

彼の映画はいつも、深いメッセージとか教訓のようなものは見えてこない代わりに、彼自身のアイデンティティというのか、妄想というか、妙なプライベート感が出ている気がします。一応ファンタジー系映画が多いのに、その映画が持っている空気は「ファンタジー世界」の空気ではなくて、結局いつも「監督の脳内」の空気だと感じます。うまく言えないけど、そんなふうに感じる監督ってテリー・ギリアムしかいないです。
今回の「Dr.パルナサスの鏡」はそんな監督の脳内が今までより更にストレートに出ていると同時に、エンターテイメントとしてもしっかりみせるぞ!という意気込みのようなものも感じました。自己満足と、商業映画、その2つのギリギリの部分で遊んでいるような…。「冷静」と「情熱」のバランスがとれていて、いつものギリアムらしい空気もだしつつ、見やすさもあって最強だと思いました。大袈裟に聞こえると思うけど「こんな映画が観たかった!」って心で叫んでいました。

ヒース・レジャーは「ダークナイト」のジョーカー役や、ギリアムの「ブラザーズ・グリム」でも演技がうまい役者だとは思っていましたが、「Dr.パルナサスの鏡」を観て彼の魅力を再発見しました。ちょっとハイテンションな人物なので安っぽくなってしまいそうなところを、彼が持っている独特な色気と暗さが役に深みを与えていました。あんなに豪華な役者が集まって同じ役を演じていますが、ヒース・レジャーの存在感が圧倒的でした。やっぱりそう考えれば考えるほど、彼の急死は悔やまれます。
「鏡に入ると顔が変わる」という設定も、違和感は全くありませんでした。最初はすごい開き直り方だな〜とびっくりしていたけど、完璧に計画通りに作ればいいってものじゃなくて、気がおかしくなりそうな悲しい出来事だってチャンスに変えた強さに感動しました。

それにギリアム映画で私が特に好きなのは、凝りに凝った美術です。今回も「バロン」を初めて見たときの感動を思い出させてくれました。現在のロンドンに突然現れる今にも壊れそうな馬車。それが開くと天使やら偽クレオパトラやら口から蛇を出すおっさんやら、目玉や太陽が描かれている舞台が登場します。始まってすぐに鳥肌が立ちました。ぼろぼろの書き割り、ペラペラの鏡、そうかと思えば鏡の中の世界はほとんどCGで作られた幻想的できらびやかな世界が何パターンも登場します。きらびやかとは言っても、悪魔が見させている世界なので、急に牛の死骸が浮いた湖(?)とか不気味なシーンも登場するところがまた面白い!衣装も独特だし、リリー・コールもお人形のようなかわいさです。ビジュアル面だけをとっても完成度が高すぎです。

まだ1月だけど、私としては既に今年一番の映画ではないかと思っています。この映画の魅力を語りだすとキリがないです。妄想映画がやっぱり大好きです。それにテリー・ギリアムは唯一無二の存在です。ちょっと刹那さも残る映画ですが、気になっている人は劇場の大画面でぜひ観てほしいです。私はもう今からDVDが出るのを楽しみにしています…。

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by pop-cult | 2010-02-03 00:25 | ファンタジー映画
ソフトバンクのCMにタラ(タランティーノ)が出ていて、その微妙さにちょっと笑いました。イングロリアス・バスターズの「面白くなかったら全額返金」っていう謎の制度とか、彼のやることにもB級っぽいセンスを感じて、やっぱりちょっと気になる存在です…。


来年になったら観たい映画が沢山あって、公開日を手帳に書き込んだりしてたら妙にテンションが上がってしまいました。大好きなファンタジー映画も続々公開されるようなので、私にとってはいい年になりそうです。

その中でも1番楽しみにしているのは、テリー・ギリアム監督の『Dr.パルナサスの鏡』です。ヒース・レジャーが撮影中に亡くなって、本当の遺作となったというこの映画。主演が亡くなるという絶望的な状況を「顔が変わる男」として、ジョニー・ディップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が加わって「4人1役」として完成させたという…。もう開き直り方のデカさがすごいです。とにかくファンとしては作り終えてくれただけで嬉しいです。悪魔との取引で実の娘を売ってしまうとか、どうとか、ギリアムらしい駄目な大人のグロさが期待できそうです。1月23日公開!

4月にはティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』がついに公開!面白くないわけがないです。相変わらずイケメンジョニーをキモいメイクで崩して使うスタイルが健在。美術や衣装も楽しみだし、きっと話もティム・バートン色に変わっていそうなので気になります。

前にも予告をブログに載せていた『かいじゅうたちのいるところ』も1月15日に公開のようで、もうポスターを渋谷で見掛けていよいよ盛り上がってきています。公式サイトも撮影中の写真などが載っていて可愛いかったです。それに「かいじゅうキャラ診断」なるものまであって、早速やってみたら私は無口なブルタイプ(一番おとなしくていつも一歩引いた立場で、強くて寡黙)という結果になりました。何1つとして当たってないけど、ブルは好きです。そもそもかいじゅうたちに細かいキャラ設定があることがびっくり。楽しみです。

ファンタジー以外にもユアン・マクレガーが主演の『ウディ・アレンの夢と犯罪』とか、ラテン系監督たちが結集(?)の『ルドandクルシ』とか、原作本を今ギリギリの理解力で読んでいる『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』が観てみたいです。たまに悲しくなるくらい観たい映画が全然ない時もあるけど、今は挙げだすときりがないです。他にも面白そうな映画を見つけた方はどんどん教えて下さい。
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by pop-cult | 2009-12-08 00:07 | ファンタジー映画
最近、渋谷のツタヤの「SF・ファンタジー」コーナーに気が付くと足が向いていて、地元のツタヤにはないようなマイナーな映画を借りたりしてます。
ファンタジーってジャンルのものはとりあえず気になっちゃって、「これはきっとしょっぱいなー、がっかりするんだろうなー、CG安っぽいんだろうなー」ってなんとなくは分かっていても、つい借りてしまうんです。たまーにそんな中に「レジェンド(トムクルーズが痒いけど、美術が良かった)」とか、「なにかが道をやってくる(結構ホラーでおもしろい)」とか当たるものもあるからやめられないんです。

でも「バンデットQ」は監督がもともと好きなテリー・ギリアムだから、そんなにつまらないことはないだろうとは思っていたし、80年代のファンタジーが好きだし、小人が登場するって書いてあったから、「これは当たるかも」ってちょっと期待もありつつ観てみました…。が、確かに面白かったです。好きか嫌いかで言ったら好きなんだけど、久々のギリアム節(?)に本当にびっくりしちゃって、また観終わってしばらく考えてしまいました。(この先ネタばれあるので、これから観る予定の方は読まない方が楽しめるかも)

そもそも「小人」ってキーワードで面白そうって思ってしまった私は、最初ティンカーベルとか妖精的な小人をイメージしちゃっていたから、うるさい汚いちっさいおっさんが6人出て来たときには「小人ってこれかい!?」って笑ってしまいました。「あ、これギリアム映画だったんだ」ってことを思い出させられました。ギリアム監督にキラキラしたファンタジーなんてあるわけないのに、彼の映画を心構えなしで見始めると、始まってすぐに度肝をぬかれます。彼の映画は何本か観てるのに、今回も忘れていて驚いてしまいました。

その小人たちというのは、万物の創造主の下で働いていたけれど、仕事に嫌気が差してしまい、タイムホールが書かれた地図(あらゆる時代、国を好きに移動できる)を盗んで逃げ出してきたというダメダメな小人たちなのです。
彼らはケヴィンという11才の少年の部屋に突然現れて、そこに地図を取りかえそうと怒り狂った創造主の巨大な顔が追いかけて来たので、ケヴィンも巻き込まれ、小人たちと一緒に逃げる羽目になるのです。

そこからはいかにもギリアム的な、なんでもありのタイムトラベルが始まります。背が小さいことを気にしているナポレオンや、泥棒のロビンフッド、ギリシャ神話に登場するアガメムノンという王様(なぜか手品好き)など、あらゆる有名人(?)をおちょくっているようなキャラクターが登場します。小人たちは彼らを騙して宝を盗んでは違う時代に逃げるというひどい奴らなんですが、他のどのキャラクターもダメダメで、子供のケヴィンだけがまともなんです。
気が付けば、「バロン」も「ローズ・イン・タイドランド」も出てくる大人はみんなダメ人間で、その大人に子供が振り回されるっていうのが、ギリアム映画の基本スタイルのようなものでした。確かに大人になると子供の頃には分からなかった汚さとか嘘に気が付いちゃって、それによって大人って逆にバカになる部分ってあると思うんです。気付いたことで子供みたいに純粋ではいられなくなって、弱くなって、自分を守るようになったりして、考えなくていいことまで考えるようになった結果、ちょっとバカになるっていうような…。だからギリアム映画って変な所が現実的で、笑えるような笑えないような複雑な心境になるときがあります。

「万物の創造者」は、ものすごいインパクトのあるビジュアルを想像させておいて、最後の方でやっと全貌が明らかになると、なぜか普通のスーツを着た会社員のようなおじさんで、オーラもなにもないんです。ケヴィンはずっと一緒に旅して来た小人たちにも最後は裏切られるような感じになるし、現実世界に戻って来ても、なぜか家は火事、両親(この二人の大人もやっぱりアホ)は爆発して消えてしまうという散々な目に合います。「ケヴィンは可哀相なだけじゃん!そもそもこの映画、何が言いたいの!?」という、見始めてからずっと感じていた疑問は最後にはさらに大きくなり、そのまま映画は終了。

普通の映画って、何かしら観客に伝えたいことがあったり、楽しませたいとか、感動させたいとかあるけど、この映画はそれが全然分かりません。それに普通の映画って、「子供向け」とか「20代のカップル向け」とか一応狙いの客層ってあるものだけど、この映画はそれが全然見えません。かろうじて「大人ってひどい」ってところが教訓みたいなものだったとしても、「そんな映画ってひどい」と言い返したくもなります。
でもなんだかんだ言っても、彼のブラックで独特な世界観はやっぱり好きだし、ここまで我が道を突っ走っているギリアム監督には恐れ入った「バンデットQ」なのでした。

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by pop-cult | 2008-07-23 00:25 | 70s・80sファンタジー
「ロスト・イン・ラマンチャ」というドキュメンタリー映画を昔観ました。内容はテリー・ギリアムという映画監督が「ドン・キホーテ」をモチーフにした映画を作るというもの。しかしその映画制作は色々とうまく行かないままダラダラ時間は過ぎ、気付いたら役者も決まってないし、結局「ドン・キホーテ」の映画は作れませんでした。って結局残るのは悔しさのみの謎のドキュメンタリー映画。まるで監督のダメダメっぷりを紹介するための映画のよう。テリー・ギリアムっていうと、もうそんなイメージしかないんです。他には「12モンキーズ」や「ブラザーズグリム」などを撮ってます。そのあたりは出演者も有名だからちょっとメジャーな感じがするけど、なかなかマニアックな映画を沢山撮ってます。

中でも私のお気に入りは『バロン』(1989年)
当時では破格の製作費をかけたというのに、大コケしてすごい赤字を記録したっつーファンタジー映画です。(そんなエピソードも「ロスト・イン・ラマンチャ」を観たあとでは驚きもない)

18世紀、トルコ軍占領下の街の劇中で「ほら吹き男爵(バロン)の冒険」を上映中に、「自分こそが本物のバロンだ!トルコ軍はわしを追っているのだ!」と言い張るじーさんが現れる。最初は誰も相手にしないが、その話を信じた少女に元気づけられ「わしがトルコ軍をやっつける!」と無謀にも立ち向かっていく…っていうストーリーです。
バロンはミュンヒハウゼン男爵という実在の人物がモデルになっています。彼が自身の嘘の冒険談をしたことから、原作の「ほら吹き男爵(バロン)の冒険」が生まれたようです。それから周りの同情や関心を集めるために嘘をついたり、病気のフリをする精神病のことを「ミュンヒハウゼン症候群」というらしいく、つまりはバロンは精神病!?って話なんです。
生きているのか死んでいるのか、本当なのかほらなのか、行ったり来たりで、すぐに「トルコ軍を倒す」という目標も忘れてしまうような、ここまで応援しにくい主人公っていうのもなかなかいない。前にCUTのファンタジー映画特集でも「テリー・ギリアム的ファンタジー=逃避を許さないファンタジー」って書かれていたように、彼の映画は子供に夢も希望も与えてくれません。そのかわりに「そんなもんだよね、人は」っていうちょっとした絶望感を感じるような話だったりするんです。

ビジュアル的には、お金をかけて造りこんだセットや衣装と、ナイスな人選の登場人物によって、ポップでかわいいけど少しグロテスクな独特な世界観を作り上げています。特に好きなのは月のシーン。ヨーロッパの建物が描かれたカキワリが何層も登場するが無人でどことなく不気味なセットに、なぜか偽名で出演のロビン・ウィリアムスが演じる月の王、改め、万物の王(万ちゃんと呼ぶも可)が面白い。
そこになんともすっきりしないストーリーがのっかって、絶妙なバランスのテリー・ギリアムワールドが出来上がっています。映画というよりテリー・ギリアムの頭の中の映像って言えばいいのかも。

「ロスト・イン・ラマンチャ」を観るかぎり、人間的に普通に生きていくバランス感覚があまり無さそうだったけど、だからこそ『バロン』みたい他の人間には作れないバランスの映画が出来るのかなと思いました。これからもお金的成功が得られなくても、不器用でアンバランスで凄い才能をもったギリアム監督をひそかに応援していこうと思いました。
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by pop-cult | 2008-02-18 13:30 | 70s・80sファンタジー