アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox
最近見た映画の中で印象的だった2本「永遠の僕たち」と「少年は残酷な弓を射る」
似ている映画ではないけれど、2本とも若い少年が主人公ということで。


【永遠の僕たち】
ガス・ヴァン・サント監督作品。幼い頃に両親を亡くし、日本人の特攻隊の幽霊“ヒロシ”だけが友達の少年イーノック。趣味は赤の他人の葬式に紛れ込むこと。そんな彼が、不治の病で余命が3ヶ月と言われている少女アナベルと出会い、二人のとても切ない恋の話です。
世間の評価はどうだったのか分からないけど、私はなんだか好きな映画でした。
元々、病気で死んじゃうって分かってる映画自体が苦手であまり見ないようにしているけど、たまたま観たこれは、重くなりすぎずに観られて、少し温かい気持ちにもなれたのでよかったです。

イーノックとアナベルは変わり者同士で二人だけの空気をもっていて、そんな二人のやり取りがとても微笑ましく、切なくもあります。変わった二人だけど、なぜか妙なリアリティも感じられる所がよかったです。

そういえばリアリティが感じられないくらいアナベル(ミア・ワシコウスカ)の服がかわいすぎるのも見所のひとつです。
加瀬亮好きも必見です(ファンはもう観てるか?)もし私が日本人俳優をやっていたら、ガス・ヴァン・サントのこんな作品のこんな役で出られたら感無量です。とても素敵な役です。しかし彼は英語が上手すぎて何者かと思いました。COCO塾?

ちなみにイーノック役の少年はデニス・ホッパーの息子らしいです…!最近自分の中だけで流行っている「ハリウッド版エヴァンゲリオン(実写)」の妄想キャスティングで、シンジ役は今の所、彼ヘンリー・ホッパーにオファーを入れています。

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【少年は残酷な弓を射る】
どういうわけか、母親に全くなつかない息子。小さい頃から敵意を母親だけに向けていて、母親をあらゆる手を使って苦しめる息子。そんな息子がある日人を殺してしまう。そんな時は母は…?
というような、重苦しい題材の映画です。

母親の目線でかかれていて、現代と過去が行き来します。最初「ん?」となりながらも、難解映画というわけではありません。映像や撮り方、編集もかなりこだわっている映画でただのサスペンスとも言い切れない謎の深みがありました。

母親役のティルダ・スウィントンははまり役でした。「ナルニア国物語」の氷の女王役も、「コンスタンティン」での天使?役も似合っていましたが、こういう疲れた母親役もここまでハマるとは、流石女優。
息子役の少年も、とにかく顔が恐い!オールウェイズ反抗期というか、もはや母親いじめみたいになっているのですが、この少年のこの顔にはリアリティありました…。役作りでそう見えるのか、彼の目は、人殺しの目でした… 役者ってすごい。
今思いついたけど、エヴァのカヲル君役に、彼でも良いかも。ミステリアスな美男子ということで…。
とにかく、淡々と進む映画ですが緊張が途切れません。結構色々とグロいのでそういうの苦手な人は避けた方がいいです。しばらく考えさせられる題材ですが、面白かったです。

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2本とも観終わって、明るい気持ちになれる映画ではないけれど、心に何か残してくれる映画です。おすすめです。
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by pop-cult | 2013-01-31 01:02 | 外国の映画
精神科医フロイトとユング、ユングの患者であり後に自身も精神科医となったザビーナ、この3人のドロドロとした人間ドラマを、デヴィッド・クローネンバーグ監督が映画化した『危険なメソッド』観てきました。

クローネンバーグ監督は「ビデオドローム」と「イグジステンズ」の2本を昔観ただけなので、グロくてちょっと難しい監督という印象でしたが、今回はだいぶ前から楽しみで仕方なかったです。だって、フロイトとユングの話なんて、気にならないわけが無い!!

心理学とかの知識はゼロの私ですが、あまりにも変な夢ばかり見て自分の頭の中がどういう状態なのか気になった時期に、フロイトの「夢診断」を知りました。あの手の本は難しくてなかなか読めなかったけど、何となく「フロイトはなんでも“性的な願望”のせいにするけど、もう1人のユングって人の方が、判断に決めつけがなくて納得出来るかもなー」とぼんやり考えたことがありました。彼らが実際はどんな人たちで、どんなことを説いていたのか、映画だったらもっと分かるかも!と期待して見に行ったら、これが面白かったーーー。
前に座ってた人はイビキかいてたけど、私は集中しましたよ。

まず出演者がいい。この映画の主役ユング役はマイケル・ファスベンダー。いまいち覚えにくい顔つきのドイツ人俳優で、私が見たのはイングロリアス・バスターズです。映画デビューは「300」らしいです。この映画では存在感があるなーと感じました。

ユングの恩師であるフロイト役は、我が王、ヴィゴ・モーテンセン(LOTRのアラゴルンですよ)老けたよねー、そういう役なんでけどね。でもかっこいいです。

この映画のキーパーソン的なザビーナ役はキーラ・ナイトレイ、ここまでやるか?というほど顔を歪ませながらの精神患者役には女優魂を見ました。控えめに表現しても気持ち悪いです。もともと綺麗だけどあんまり好きじゃない顔の彼女…でもこの映画での頑張りはすごいと思いました。
あとはヴァンサン・カッセルもまた「ブラックスワン」系の色狂い役でウケました。

とにかく出演者の会話が中心の映画です、眠くなる理由も分かります。精神科医達の会話だし、なかなか難しいとは思います。でも興味のある人にとっては面白い会話になっているのではないかと思います。精神的に不安定な人の症状は一体どこから来ているのだろうか?過去のトラウマ?親との関係? そんなやり取りをしながら、ところで自分の精神は正常なのか?と急に思ってしまったり、実に人間らしい話!

精神科医だから難しい言葉を使って、あれこれ分析してるけど、引いて考えるとありがちで簡単な誰でも持ってる人間の欲の話だったりして。そう思うとアホくさくてちょっと愛おしい気持ちになります。

最初はやっぱり独断的なフロイトが変人に映るけど、だんだんとユングの方が堕落的な人間に見えてきて、その逆転するあたりがかなり面白かったです。ザビーナは化け物からだんだんと美しい人間に見えてきて、その変化が面白かったです。次はDVDで吹き替えで見たいです。
あと、映像も綺麗で良かったです、撮り方も面白いです。この手の題材が好きな人にはおすすめです。
クローネンバーグ監督の「イースタン・プロミス」見ないと!

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by pop-cult | 2012-11-05 11:57 | 外国の映画
1986年に劇場公開されていたという、20年以上も前の作品です。リアルタイムでもないのに、多分小さいときに「うる星やつら」の映画シリーズをテレビで見ていて、後になって「面白かった気がする」と思って見なおして以来、本当にお気に入りで何度も観ています。
アニメ好きの人には有名な押井守監督の「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は、他とうんと差をつけて不動の1位ですが、その次にこの「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」が好きです。近所のレンタルビデオ店が閉店するときにVHSで購入しました。
ちょうど4月の桜が満開の頃の設定で、面堂家の庭にそびえ立つ樹齢300年の立派な「太郎桜」という桜の木が登場します。それで今の時期に合うな〜と思ってまた久々に観てみました。

『あたる、面堂、めがねたちは、面堂家に古くから伝わる「鬼姫伝説」を元に、ラムが主演の自主映画を製作中だった。不思議な力を持った桜の木が、ある村の狸の姿をして暮らしている村人に呪いをかけているという不気味なストーリーで、映画の中では、老朽化が進んだ「太郎桜」を実際に切り倒すことになっていた。実際切り倒した「太郎桜」は緑の泡を吹き、動物の死骸が骨だけになったような姿となり、あたるたちは度肝をぬかれることに…。それ以降、友引町ではおかしなことが続く。4月なのに蝉やトンボが大量発生、ラムは日に日に超能力を失い、面堂やしのぶ、めがねたちまでラムの存在を忘れてきてしまう。ついにラムが失踪してしまうのだった。』

この映画はウィキペディアに書かれていたけど、話が結構難解で空気もちょっと重たいです。でもドラえもんが映画になると、登場人物たちのキャラもちょっと変わって、テレビシリーズとは違った空気感になるのと一緒で、うる星の映画シリーズではこの4が特にそうなのだと思います。私は原作ファンというより、映画のうる星のそこが好きです。どこにでもありそうな街にありえないことが起こるあの感じ。現実か夢かだれも区別できない感じ…。

最初のシーンで雨の中、みんなで車に乗っていたら停電が起こるところから、すでにツボなんです。なにか始まると感じさせるあの演出。
その後にみんなで太郎桜の下でお花見のシーンがあるのですが、これもまた夜桜っていう設定がニクい。夜の桜って、なんか幻想的でいつもの風景を違った世界に見せてくれるから好きです。毎年夜桜を見てはこの映画を思い出します。
お花見中にふと、しのぶが1人になって変な妄想をするシーン、お花見の宴会場にはさくらさんが大勢の妖怪を連れてきていたり、日常っぽく見せかけて絶対に変なあの空気。普段寝て見る夢の中のような雰囲気で、ちょっと怖くてわくわくします。

現実でも、ホラー映画の主演の人が後から亡くなったり、撮影中におかしなことが起きたり…という話はちょくちょくあるので、それを意識しているのか、あたるたちの自主制作映画の撮影が終わってから夜になると勝手にセットが動いていたり、ラムが体調不良になったりします。
太郎桜が姿を消して、急に湖が出現して、友引町全体によく霧が出てくるようになると、その霧というのか、霧に見せかけたおかしな気体が人を眠らせ、変な夢を見させます。その夢の中のシーンの描き方もすごく面白いです。面堂は自分がとにかく世界が注目するようなスーパースターで、大勢の女性が自分との結婚を心待ちにしているというアホな夢を見ます。夢の中で急に思い立って大勢の女性と合同結婚式を決行するのもの“緑の髪の女性”の存在が気になって、それがラムとは分からず探し続けるという、どこか現実ともリンクする夢なのです。その夢の中の町も、どこか近未来的な町並みでリドリー・スコットの「ブレードランナー」の町と似てると言っても過言ではないはず!大好きなシーンです。

友引町はどういうわけか戦争が始まってしまうし、ビューティフルドリーマー同様、どんどんあたる達がおかしなことに巻き込まれていき、その解決の鍵を握っているのがラムちゃんだ、という話です。
はっきり言って、良く出来ている話ではないです。ちゃんと考えだすと最後まで意味不明なので、きちんと話を理解したい!と思う人からは評価が低そうです。感覚的な映画なので、好き嫌いが分かれそうですが私は大好きです。夢っぽいあの世界観、妄想映画、たまりません。
桜が散りかけている今、見てもらいたい1本なのでした。
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by pop-cult | 2012-04-12 11:23 | アニメーション
とにかく主人公のかわいさが同じ世界の人間とは思えません。1969年のちょっと不思議でおしゃれでエロい、変わった映画『CANDY』を観ました。

純粋無垢で美しい主人公キャンディ。彼女の少女らしいあどけなさと色気が混ざった独特な魅力に、出会う男はみんな彼女に対してエロい願望を抱いてしまう。行く先々でいろんな男達に迫られてしまうキャンディ。通う高校の教授…、家の庭師…、パイロット…、医者…。そんな娘を助けるどころか「またか」と笑う母親、「娘だから自制しなくては…」と頭を悩ます父親、「いつか俺もキャンディと…」と企む父の弟…。キャンディを取り巻く普通じゃない人々。不思議なエロいの世界に迷い込んだようなオシャレで笑えるファンタジー映画、といったところです。

前に見たときはそんなに好印象ではなかったのですが、久々に見返したら面白かったです。時間が経つとまた違った視点で見ることができて、印象が変わるときがあるのは映画の楽しみの1つです!

本当にバカバカしい映画です。どのシーンのセットも音楽も衣装も、チープだけどオシャレでかわいいのですが、登場人物がここまでみんなおかしくて笑える映画だったとは…。初めて見たときは映画の独特な世界観にただ付いていくだけで、細かい笑いには気づけていなかったのですが、今回はしょっちゅう吹き出していました。キャンディ以外、みんなキモい!

高校で大人気の教授なんて、生徒達がみんな講義中に「キャー!!」と大歓声をあげるのですが、とても気持ち悪いおじさんで、アホらしい詩を朗読しながら常に風があたっていました(TMレボリューション的なアレ)
キャンディに一目惚れし、訳の分からないくどき文句を使って車の中にキャンディを誘い込んで襲いかかります。(このシーンの映像の撮り方はとても斬新!)
でもそのあとなぜか気が狂ってしまい、心やさしいキャンディの自宅に運び込まれて、看病されるのですが、途中でなぜかキャンディに似ている人形を見つけて襲いかかります。これはなかなかの問題シーンですが、おかしなテンションでやりきっているので、『空気人形』の板尾さんよりは清々しく笑えました。人形にのっかっている所をキャンディの家族に見られて気が動転した教授が「おくつろぎ下さい!」と叫ぶシーンは爆笑でした。あなたの家ではないし。

そして「ぼくはいい子?」が口癖のリンゴ・スターも出ています。世界のビートルズがこんなキモい役をやっていていいのでしょうか。似合ってますが…。
やぶ医者がキャンディのお父さんを手術するシーンも笑えます。患者を殺しかけて助手に逆切れしたりします。ちょっとキューブリックの映画に出てきそうな怖い医者でした。医者も看護婦も患者も全員病気のここのシーンはなかなかホラーでした。この病院のシーンと、背中に大きなコブがある泥棒が出てくるシーンは何となく『時計じかけのオレンジ』と似た雰囲気を感じました。怖いけど笑えるけど怖い…。

最後にキャンディを抱いていたのがまさかの人物で、これが一応この映画のオチなのだろうと思うのですが、これもまた結構キモいです。最初は話の流れが一応あるのですが、終わりが近づくにつれてどんどんおかしな流れになってきて、ちょっと精神世界みたいなシーンになって、最後はキャンディの願望なのか何なのか、現実ではないような終わり方で色んな解釈ができて、だいぶキモいんですが好きでした。

あとは本当に主人公のかわいさにはうっとりします…。彼女のかわいさがこの映画の魅力の半分以上を占めています。淡い色で、ふわっとしていて透けるような素材の、腰がきゅっとしていて丈がすごく短いワンピース姿なんて最高です。見ていると「女の子っていいよね…」としみじみ思っちゃうくらい素敵なんです。でもどれも現実の世界で着ている人がいたとしたら露出狂です。

前に映画好きの友達Tちゃんと「エロに関してはもっとやりきってほしかったよね」という話をしてたこともあって、確かに思ったよりエロくはないので中途半端に感じる映画かもしれないですが、「オシャレだけどバカバカしい映画」という視点で観ていくとなかなか斬新で内容も楽しめると思います。
原作はどうやらベストセラーらしいのですが、全然想像がつかないので読んでみようかと思いました。
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by pop-cult | 2011-12-05 22:59 | 外国の映画
約1ヶ月前ですが、ようやく「ブラックスワン」を観てきました。
サスペンスとホラーの要素が混ざった映画が元々好きだからっていうのもあるけど、本当に面白かった!映画館で観られて、それだけに集中出来る状況でがっちりあの世界に入り込めて良かったと思いました。

『ニナ(ナタリー・ポートマン)は一流のバレエ団に所属し、人生をバレエに捧げている1人。そんなバレリーナたちの夢である「白鳥の湖」の主役に、突然ニナが抜擢される。しかし、今回は「白鳥」と「黒鳥」の正反対な役柄を1人で演じ分けなければならないという。『君の「白鳥」は完璧だが、「黒鳥」に必要な魅力がない』と監督トマ(ヴァンサン・カッセル)から日々厳しく言われつづけて落ち込む二ナの前に、見るからに色気があってまさに「黒鳥」タイプのリリー(ミラ・クニス)が登場し、ニナの不安はエスカレートしていく。』

“サスペンスとエロ”、“美しい女達のいがみ合い”、“1人のすけこまし”…という要素は、他の映画でもわりとありそうだし、サスペンスの定番って言っても大袈裟じゃないような気がします。この要素を使ってもっとつまんない映画って沢山あると思うんですが、「ブラック・スワン」はそんな映画よりも遥かに上を行ってる感じがしました。

その理由の1つはとにかくキャステングが完璧な所だと思います。主役のナタリー・ポートマンはもうそのまんま。親から大事に育てられて品があって、綺麗で努力家で…でも1つだけ足りないとしたら、人のものでも欲しけりゃ奪ってやる的な悪女系の色気!まさにはまり役。生まれながらに男性を翻弄してしまうような雰囲気をもったミラ・クニス。セクハラ発言、セクハラ行動もすべてはバレエのため!と情熱のままに、みんな暗黙の了解のヴァンサン・カッセル。ある種の男らしさ、いそうだな〜!と。それに、元々はみんなの憧れの的だったが今では……のウィノナ・ライダー(ごめん)
役が合っていないと映画に入り込めない時があるけど、何の違和感もないから最初からどっぷり入り込めました。

多分監督もニナに心理描写に力を入れているし、演技もうまいから、ニナの緊張感が観ている方にも伝わってきて、ずっと気が抜けないし、映画の世界に完全に持っていかれる感じがします。ほのぼの観ていられるような映画も好きだけど、他のことを一切思い出す暇がないくらいその世界に入り込めてしまう映画ってそれだけですごい作品だと思います。

出てくる人間がみんな怖くて、ニナのお母さんも気味悪いし、リリーもいい人なのか悪いやつなのか分からないし、ニナの表情の前半と後半ではまるで別人。先日観た「コクリコ坂から」の出てくる人全員いい人とは正反対でした(比べるのような映画ではない)

サスペンス映画で入り込むことはあっても、感動して涙が…ってことは滅多にないけど、「ブラック・スワン」の最後は涙がなんだか止まらなくなりました。二頭追うものは一頭も得ずとは、皮肉な話だけど、受け入れなきゃならない真実なのかもしれないな…なんて後から考えさせられました。人によってハッピーエンド、バッドエンドと意見が割れてるこの映画。私にはどっちとも言えないけど、面白い!とははっきり言える映画でした。

そういえば、「ブラック・スワン」はいつも行く近所の映画館では終わってて、好きだけど行くのが久々の映画館に行ったら、受付にいたのがHくん(大学生の時にバイトしていた映画館での同期!)が!当時バイトしてた映画館は休館して、その後色々と異動したようでした。何年かぶりに会ったのに、一緒にいたNくんと私の分まで無料にしてくれた超太っ腹なHくん、本当にありがとう!
Hくん「そのかわり何か売店で買ってね」とのことだったので、ポップコーンやらコーラやらクッキーまで買って前の方の座席に座ったら、妙に映画をエンジョイしている気持ちになりました。…映画っていいもんですね。
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by pop-cult | 2011-08-29 11:36 | 外国の映画
『Dr.パルナサスの鏡』『ローズ・イン・タイドランド』のテリー・ギリアム監督の代表作、1985年に公開された『未来世紀ブラジル』を久々にもう一度観たくなって借りました。こんなに面白かった?と驚くほど面白かったのと、たまたまクリスマスシーズンという設定だったので、丁度いいのでブログに書いちゃいます。

20世紀のどこかの国の暗黒社会の話で、情報局に務めているサムと言うあか抜けない男が、いつも夢に登場する美女を追ううちに、知ってはいけない情報省の隠ぺい工作の裏の事実を知ってしまい、どんどんおかしなことに巻き込まれていく話です。

やっぱり、80年代の映画って素晴らしいと再確認しました。まだCGがあまり発達していないので、作るしかない!ということで妙に手の込んだ美術…。この映画は、そんな美術と映像を見るだけでも価値があります。内容よりもそっちに比重が置かれていると言っても過言ではないです。
未来的に見えてちょっとアナログ感もある奇妙な街。「ブレードランナー」とか「AKIRA」は私としては、“ とにかく街が魅力 ”と感じる映画なのですが、この映画もその1つだと思いました。透明な箱みたいな乗り物を使って通勤していたり、一人乗りの不思議な自動車に、建物のデザインもおかしいし、登場するものがほとんどこの映画のためにデザインされたものだからすごいです。
サムが働く情報省は、上司がいるときだけ真剣に働く人が所狭しにいる部署や、深夜の駐車場のように静かで不気味な部署、みんな強面だけど、なぜか真剣にクリスマスソングの合唱練習をしている部署と、そんな所にもバラエティ豊かな設定がされていて笑えます。
サムの家の中にはやけにダクトいっぱいだし、バック・トゥ・ザ・フューチャーの最初に出てくるような、勝手にパンを焼いてコーヒーを入れる機械があったり、警報みたいな音がなる電話とか、タイプライター型のパソコン(?)とか、目に入ってくるものがどれも面白すぎます。
登場人物も気持ちが悪い人ばかりで、サムの母親なんて頭にクツを被っています。レディガガを思い出しました。そうかと思うと情報局の役員は古めかしいスーツと帽子の市民ケーン的な服装で、差がまた面白い。夢の中に登場する悪者もなぜか甲冑を着ていたり、おかめみたいなお面を着けていたり、なんで?というものばかり。
なんで?と言えば、おいしい脇役にロバート・デ・ニーロが出ています。本命の役ではなかったけど、どうしても出たいと監督に頼んだらしいです。やるな…デニーロ…。

どこの美術、どこの登場人物、どこのシーン、どれをとっても面白いです。天才ってやつです。ただ話はかなり理不尽です。まさかの終わり方に「ギリアム監督はお客さんに絶対媚びないのだね…」ともう感心しました…。全く幸せにはなれないクリスマス映画を探している変な人がいたら、これをどうぞ。
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by pop-cult | 2010-12-16 16:34 | 70s・80sファンタジー
前に雑誌で“不思議の国のアリスを感じさせる映画”と紹介されていたので、気になって観てみました。「セリーヌとジュリーは舟でゆく」というかわいいタイトルの1974年のフランス映画です。

図書館員のジュリーが公園のベンチで魔法の本を読んでいると、足早にセリーヌが目の前を通りすぎます。セリーヌがサングラスとマフラーを落として、それをジュリーが拾って追いかけるのですが、そこがまさに「不思議の国のアリス」のアリスが白ウサギを追いかけるシーンを彷彿させます。
ジュリーの声が聞こえているはずなのに、無視して急ぎ足のセリーヌ。まるでジュリーの存在はセリーヌにしか見えないもののような、そこもアリスみたい。

セリーヌがどんどん落とし物をして、全部ジュリーが拾うのですが、彼女もだんだんセリーヌの後をつけることに集中しはじめて、「落としましたよ」と言うのをやめてるし、一見まともに見えたジュリーも変。二人してとにかく変。
尾行されながら「くるならくれば?」みたいなセリーヌ。踊ってるみたいな走り方をしていて、出だしからこの映画は普通じゃないなーと思いました。フランスのおしゃれなコメディなのに、鈴木清順を思い出します。心地よい気味の悪さがあります。

古いフランス映画ってあまり観たことがないのですが、多分ゴダールとか、そのあたりのヌーベルヴァーグと言われている作品なんだと思います。セリフとか説明的なものは排除するのが良しとされていた時代というのか…。本当にまともな展開、まともな会話がほとんど無くて、実験映画です。かわいいタイトルから想像していた内容よりも、意味不明だし不気味です。

いつのまにか共同生活を始めた二人。この映画はほとんど2人のやり取りで構成されていて、彼女たちはお互いを好きみたいな、でもお互いの大切なものを盗んだり破壊したり…。何がしたいのかさっぱりです。でもなぜか目が離せません。

この二人の関係が、アリスを助けているようではめているチェシャ猫みたいです。チェシャ猫二匹がからんでいるような…。「不思議の国のアリス」の場合はアリス自身はまともで、迷い込んだ世界で登場する生き物たちが狂ってるわけですが、この映画は主演の二人が一番まともじゃないです。見ているこっちがアリスになっちゃったような気持ちです。二匹のチェシャ猫に翻弄される観客…。いつ帰れるのかな?と少し不安になりながら、先が気になって引き返せないでどんどん深みにはまっていきます。

彼女達は二人で飴を食べることによって、二人だけが見られる不思議な世界の物語にトリップします。「せーのっ」と飴を食べると、昼ドラのような雰囲気のゴージャスだけどどこか安っぽい男女が現れて、いままでの映画の流れを無視したような話が展開されます。それを見ているセリーヌとジュリー…。いつのまにか二人もその昼ドラの一部になっていたり…
ここまでテーマとか、教訓とか、メーセージが一切見えてこない映画もなかなかないです。

約3時間とすごく長い映画ですが、わけが分からなすぎて「なんだ??」と思っているうちに終了します。現実離れした不思議な世界に浸りたい方にはかなりおすすめです。
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by pop-cult | 2010-09-24 23:26 | 70s・80sファンタジー
最初の5分で「もう分かんない」とあきらめ気味に見始めましたが、終わったときには「この映画はすごい!70%くらいしか理解してないのに、最高に面白い!もう一回観たい!!」という気持ちになっていました。

『産業スパイ集団のリーダー・コブは、人の頭の中に入り込んで形になる前の「アイディア」を盗むという“夢泥棒”のスペシャリスト。その才能に目をつけた大物実業家のサイトーは、コブに「インセプション」という最も困難な任務を依頼する。それは、アイディアを“盗む”のではなく“植え付ける”というもの。サイトーのライバル企業のトップは、間もなくその息子があとを継ぐことになっているのだが、その息子に「父親が築いた巨大企業をつぶす」というアイディアを植え付けるというのが、サイトーの指令だった。』

妄想映画好きとしては、「夢」とか「潜在意識」が題材になっていたり、「現実と背中合わせのもう1つの世界」が登場する映画を好んでちょくちょく観ていますが、その中でも特に頭の回転の速さを求められる映画でした。簡単に例えると「マトリックス」にちょっと似ています。とにかく細かい設定が色々あって、ついていくのが難しいですが、それでも「難解すぎて意地悪」ではなく、1回目で分からなかった部分は次回に!!と素直に思える映画なのです。約2時間半と、かなり長いですが、全く飽きずに長いとも感じさせないのは、やっぱり監督の技とセンスだと思います。

監督のクリストファー・ノーランの映画はもともと大好きなんです。出会いは『メメント』で、これもすごく難しかったのですが「分かんないけど面白い!!」と思って、以前の長編デビュー作『フォロウィング』も観たら『メメント』以上に面白すぎて「天才だ…」と本気で思いました。
その後の『インソムニア』はいまいちでしたが、『プレステージ』が私には大ヒットでした。それに「いくらノーラン監督だって、所詮はアメコミ原作だし…」と思って期待しないで観た『ダークナイト』で度肝を抜かれて、『バットマン ビギンズ』もあとから観たら面白かったです。そんな訳で「インセプション」は期待大で観に行きましたが期待以上でした。

お金のかけ方も、出演者もハリウッド超大作!なのですが、この映画に流れているのは「インディペンデント系映画」の血です。「メメント」と「フォロウィング」の雰囲気を持ったままで、予算を気にすることなく、才能と知名度がある俳優を選んで、頭に浮かんだ美術をそのまま作って、どんどん宣伝もして、という最強の映画なんじゃないかと思いました。

出演者は、普段から意識して観ている俳優さんは特に居なかったのですが、この映画を観終わったらみんな好きになっていました。レオさんの助手的な役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは「(500)日のサマー」の主役の人だったようですが、まるで別人です。この映画でかなりのアクション撮影をやっていますが、神経質顔でかっこいいです。『ナイン』でも素敵だったマリオン・コティヤールも今回もまた美しい…。いい人選です。そして笑えるくらい大物という設定の渡辺謙さん!彼の髪はそろそろ怪しいですが、かなりかっこいいです。最初から謙さんをイメージして作ったという役だけあって、はまっていました。

基本は強盗モノのSFアクションだから、美術はあまり面白くないものと思っていましたが、どのシーンもいちいち面白かったです。夢の中のシーンは「一見、現実に見える」設定なので「なんとなく変」という、独特で観たことない世界観でした。
そんな夢の世界を抜かしても、彼の映画の美術はさりげなくオシャレだなーって私は毎回感じます。それほど「俺の世界」とか「かっこいい映画作りました」って感じさせる美術じゃないけど、なんかかっこいいし、なんか押さえるとこ押さえてる感じがします。『一見なんてことない無地の服だけど、なんとなく形も素材感もいいなーと思ったら、実は結構高い服をだった』ような。…自分で例えておきながらよく分かりませんが、素敵ってことです。

とにかくすごく面白かったので「ハリウッド映画はつまらない」と思っている人にこそ観てもらいたい映画でした。
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by pop-cult | 2010-08-10 00:38 | 外国の映画
やっぱりジブリ作品はパワーがあるな〜と感じました。ジブリ作品って、好きの度合いはそれぞれ違うけど、どの作品も妙な説得力があって、必ず心の奥の…、なんと言っていいのか…「子供の頃に忘れてきてしまったけど、まだ辛うじて残っていた純粋な心」的な部分を刺激してくれる気がします。観ていない作品も何本かあるけど、私が今まで観たものは、だいたい胸が苦しくなって涙腺がゆるくなります。「借りぐらしのアリエッティ」もいい意味で胸が締め付けられました。

田舎の古いお屋敷の床下に住んでいる小人のアリエッティは、人間の世界からモノや食料を少しずつ借りながら生活しています。彼女と彼女の両親は、人間に見つからないようにひっそりと3人で暮らしてるのですが、そこに病気療養のために1週間だけ引っ越して来た少年のショウが、庭でアリエッティを見つけてしまいます。

もっと単純にほのぼのしているお話を想像していたら「小人=滅びゆく種族」ということであったり、小人といっても魔法が使えるわけではなく、シンプルに一生懸命生きていて、生活の知恵を知っている古き良き時代の種族といった雰囲気で、それと対照的に描かれているのが人間で、ちょっと考えさせられる部分もありました。少年の母親は、彼が心臓の病気で、大事な手術を控えているのに仕事で海外にいるという、なんとも切ない設定でした。

でも、そんな可哀想な少年が小人と出会うというストーリーは、やっぱり正負の法則じゃないけど魅力的でした。非現実的な冒険ファンタジーではなく「本当に小人は存在するのかもしれない」という気持ちにさせてくれる、本当に夢があるお話だと思いました。

一番私が心惹かれたのは、このお屋敷には超高級ドールハウスがあるのですが、それは昔小人を見かけたおじいさんが、いつか小人に使ってもらいたいと思って、わざわざ小人のために作ったというものだったのです。泣かせるじゃないですか。そんな人間の気持ちも知らずに、見つかってはいけないと必死に隠れている小人。小人を喜ばせたいというただそれだけの気持ちからの純粋な発想。今このブログを書きながらも思い出して泣きそうになります。
ドールハウスを作りたくなる気持ちも、ショウがアリエッティと関わりたくて置き手紙をした気持ちもすごく分かります。(ちなみに下の写真は、ドールハウス関連のHPで見つけた画像、こんなの作りたいな〜というイメージです。)

あとは単純にアリエッティのお家がかわいかったです。壁にさりげなく切手がポスターのように貼られていて素敵でした。それに人間から借りた(拾った)ものをさりげなく使っている姿もなんとも微笑ましいです。待ち針を剣のように持ち歩くアリエッティもかわいかったけど、威厳たっぷりのお父さんが、鉱山の男のような雰囲気で手際よく「借り」に行くのですが、使ってるものは「え?安全ピン?かわいい〜」みたいな、そのギャップがまた良かったです。

この映画を観てからは自分の家のコンセントが壊れているのを見ては、「夜、アリエッティ来てるかもな」とニヤニヤとしちゃいます。小人の存在を信じたい人におすすめします。
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by pop-cult | 2010-07-30 13:20 | アニメーション
原題が「The Singing Detective」なので「歌う大捜査線」になってしまうのも分からなくはないのですが、あまりの面白さに「タイトルで損してる!!」と思ってしまった映画です。2003年のアメリカ映画で、日本では未公開です。主演はロバート・ダウニー・Jr。他にはエイドリアン・ブロディ、ケイティ・ホームズ、(ハゲのカツラを着用の)メル・ギブソンが出ています。

『謎の皮膚病に冒されて、全身の皮膚がただれ動けない状態で入院中のダン。小説家である彼は、自分の病気に対する不安や怒りから、医師たちに悪態をつく毎日。そして自分の小説の中の話と、現実との区別つかなくなり、精神的に追い込まれたダンは、セラピーを受けることに。セラピストのアドバイスを聞き、彼は執筆を再開、妄想と戦いはじめる。』

主人公ダンは、幼い頃のトラウマと、今の現実、そして自分の小説の登場人物とが、色々と頭の中でごちゃごちゃになっているんです。例えば、昔、自分の母親の浮気相手だった男が、小説の中の悪役として現れたり、自分の妻の浮気相手(という妄想)だったり…。時にはダンの小説を映画化したいという、うさんくさい映画関係者だったり。どこまでが現実で、どこまでが妄想なのか、一度見ただけではちょっと難しいのですが、そのアベコベ感がとにかく面白いです。

映像の質感、光、カメラの動き方とか、その都度変わるから「え!?」と思うシーンが沢山あります。それに、あきらかに小説の中のシーンでは、背景が妙に暗くて、登場人物や、一部の小道具にしか光が当たっていなかったり。これは「ダンの書きかけの小説の中だから、まだ写っていないものに関しては、細かい設定がダンの中で決まってないことを表している」と監督がオーディオコメンタリーで言っていました。
どのシーンにも監督のそんなこだわりが沢山あって、もはやこだわりというより、オタクの領域だと思いました。もちろんオタクは褒め言葉で、面白い映像や美術にもちゃんと意味があることが分かって、更に好きになりました。

そんなアートな雰囲気を感じさせつつも、全体的にはサスペンスコメディにちょっとミュージカルも入ってる感じで、結構怖い殺人シーンがあったかと思えば、いきなり医師たちが全員で踊りだしたり。
ダンの皮膚病メイクも、ここまでやるかというほどリアルに気持ちが悪いし、悪態つきながらも辛くて泣き出したりする彼の姿はこっちまで気が滅入りそうですが、どこか笑えるキャラクターなのでそこまで重くならず、不思議なバランスで成り立っている映画だと思います。主役のダウニーJrはやっぱり演技が凄いです。

それに他の出演者も演技力がある人ばかりだと思います。ちなみにエイドリアンは、やっぱりコメディが向いてるな〜と改めて感じました。出番は少ないですが、彼が出ていなかったら多分借りることもない映画だったので、疑わしいタイトルでも借りてみて良かったです。意外なラストシーンも好きでした。

踊る大走査線とはほとんど共通点ないし、意味がわからないとか、(ダンのメイクが)気持ち悪いとか、好きになれない人もきっといるけど、妄想系映画が好きな人にはおすすめです。
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by pop-cult | 2010-06-06 00:24 | 外国の映画