アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox
中谷美紀さんの「自虐の歌 日記」を読みました。内容は中谷さんが自虐の詩の撮影前後にミクシィに書きこみしていた日記です。
この映画で私は装飾助手をしていたので、この中谷さんの本はずっと気になっていたのですが、楽しかった思い出よりも辛かった思い出の量がやや勝っていた私は、今までずっと気になりながらも読む気にはなれませんでした…。
でもなぜか急に、無性に読みたくなって、買ってその日のうちに読み終えました。やっぱり辛かった思い出もあるけど、中谷さんの文章が面白かったおかげか、楽しかったこともたくさん思い出して、ひとりで思い出し笑いをしてしまったり。
そんなわけで、私にも撮影の時の思い出話を書かせてください。


やっぱり一番思い出深いのは日活のセット!本の表紙にもなっている路地は作り物です。2階の窓に洗濯物を吊るす作業は、足場がかなり危険な状態で作業をしていたので「いつ落ちるんだろう」ってかんじでしたが、出来上がりを見るとやっぱり嬉しくなるものです。
塗装部さんが「汚し」をしていくと、どんどん路地全体に古さが出てリアルになっていきます。私も自分が設置した看板やポスターに、雨、風などによってできたと仮定した汚れを足していく作業はすごく楽しかったです。でも鏡を自然と古く見せる汚しはすごく難しくて手こずっていたら、丁寧にレクチャーしてくれた塗装部さんがいて(午前1時とかにもかかわらず)その優しさで私のイライラと眠気を吹き飛ばしてくれて感謝でした。
セットは路地だけではなくて、幸江(中谷さん)と小春(カルーセルさん)が住むパンション飛田や、マスター(遠藤憲一さん)と幸江が働く食堂·あさひ屋も一緒に作られました。そのあさひ屋の中で、美術部さんやら大道具さんやらとご飯を食べた時は、架空の食堂に迷い込んだみたいって思いました。セットっていう作り物の空間で普通に過ごす時間が、やはり奇妙で面白い経験でした。

面白い経験といえば、幸江が倒れて運ばれる病院のシーンです。撮影場所は今は病院としては使われていない建物で、普段から撮影用に頻繁に貸しているところらしいのですが、そうは言っても慣れてない私にとっては廃墟そのもので、かなり怖かったです。その上病院のシーンは自分が装飾担当していた場所だったから、いろんな意味でテンパってしまいました…。朝から手を滑らして血朔はかぶるし、よっぽど挙動不審だったのか他のスタッフにも「今日、顔がマジだ」と爆笑されるし。
やや廃墟病院の雰囲気にも慣れてきたころ、撮影には使っていないはずの部屋の前を通った時のこと。その部屋だけ昔の学校みたいに木の机が並べられていて、そこにおじいさん、おばあさん、女子高生などなどたくさんの人が座っているのが視界に入ってハッとしました。撮影しない場所になぜこんな人たちが!?と驚いて立ち止まると、全員こっちを見てるではないですか!まさか私にだけ見えるのか!?ついに私も江原さん側の仲間入り果たしたか…!?
って思ったら、ただエキストラさんたちの待機場所だったっていう。面白いというより自分にとっては恐怖体験でした。

他にも半分ネタみたいに、嬉しかったこと、怖かったこと、笑えたこと、とにかく色んなことを思い出しました。朝5時に集合して次の日の朝8時まで撮影したこと(しかもパチンコ屋の音楽を爆音で何時間も聞きながら夜が明けた)、重い荷物を運んでいたら俳優さんが「運ぶよ」と気づかってくれた(なんてフランクな人なんだ)、日活の中でトラックをオーライオーライと誘導していたら他の映画の外国人エキストラに真似されたこと、気仙沼の魚介が新鮮だったこと、年が近いスタッフ同士で恋愛話(今でもたまに飲む中だったり)などなど、あげるとキリがないです。
今思い出したのが、気仙沼の撮影なども終了して、もうスタッフがこうして集まるのもついに最後という日。中谷さんからすべてのスタッフにお花が配られました!中谷さんの撮影はもう終っていたのに。あれは感動しました。

中谷さんは大好きな女優さんの1人です。元々好きでしたが、仕事に対する姿勢や、全員のスタッフの名前を覚えてくれるところ、誰に対しても気さくな態度であることも知って、素晴らしい人だと感じたからです。
その時は中谷さんはきっと「女優という職業が本当に好きで、すべてを仕事に注いで生きている方なんだろうな」って思っていました。そこがすごいところなんだけど、「私とは全然違う世界の人だし、私はそこまでこの仕事を心からは楽しめないな」なんてことをぼんやり考えていました。

でも、日記を読んで驚きました。中谷さんは、凄いプレッシャーで逃げ出したいくらいだったようで、撮影中は何度も映画なんてもう出ないって思ってたみたいです。仕事命というより、自分の時間も大切と考えるようで、あの忙しさの中、頻繁に自炊していてびっくりでした。それに本のあとがきには、『「撮影に携わる人間の非常識な行い」にショックを受けた』ということが書かれていて、そこが一番驚きました。中谷さんがショックを受けたこととは「通行中の人々を無理矢理足止めする」とか「大声で仲間をなじる」とか「深夜もこうこうと照明を灯す」とか「他人の靴を平気で踏み付けて歩く」などなど、私も疑問を持ちながらやっていた(または、されていた)ことでした。でも映画の現場は、そんなこといちいち気にしていたら仕事にならないでしょ?っていうことなんです。それが当たり前の世界なんです。
あんなに沢山の映画に出演している女優さんが、そういう「現場では当たり前」であっても「普通の人の非常識」だってことを忘れずにいて、疑問をもちつつも我慢して、仕事を全力で頑張っているんだなーって思ったら、更に尊敬してしまいました。たまーに漫画の世界のように、下っ端スタッフにはゴミのような態度をとる人もいる中、名前まで覚えてくれて、体調まで気づかってくれるような主演女優さんって、なかなか居ないと思いました。そんなわけでつい熱くなってしまいました。

病院のシーンの装飾はツッコミ所満載なので、目をつぶって欲しいけど、映画自体はかなり面白いです。爆笑しつつ、うっかりしていると泣きます。中谷さんはもちろん、阿部寛さんのしゃべらない演技も最高。というより出ている人みんな面白い。超細かいところに監督の笑いのセンスが光っています。気仙沼のシーン(幸江の中学生時代)もおすすめです。
こんな長文を読んでくれた人ありがとうです。(毎回長文だけど)もし観た人いたら感想きかせてください!
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by pop-cult | 2008-09-04 01:58 | 日本の映画
最近、渋谷のツタヤの「SF・ファンタジー」コーナーに気が付くと足が向いていて、地元のツタヤにはないようなマイナーな映画を借りたりしてます。
ファンタジーってジャンルのものはとりあえず気になっちゃって、「これはきっとしょっぱいなー、がっかりするんだろうなー、CG安っぽいんだろうなー」ってなんとなくは分かっていても、つい借りてしまうんです。たまーにそんな中に「レジェンド(トムクルーズが痒いけど、美術が良かった)」とか、「なにかが道をやってくる(結構ホラーでおもしろい)」とか当たるものもあるからやめられないんです。

でも「バンデットQ」は監督がもともと好きなテリー・ギリアムだから、そんなにつまらないことはないだろうとは思っていたし、80年代のファンタジーが好きだし、小人が登場するって書いてあったから、「これは当たるかも」ってちょっと期待もありつつ観てみました…。が、確かに面白かったです。好きか嫌いかで言ったら好きなんだけど、久々のギリアム節(?)に本当にびっくりしちゃって、また観終わってしばらく考えてしまいました。(この先ネタばれあるので、これから観る予定の方は読まない方が楽しめるかも)

そもそも「小人」ってキーワードで面白そうって思ってしまった私は、最初ティンカーベルとか妖精的な小人をイメージしちゃっていたから、うるさい汚いちっさいおっさんが6人出て来たときには「小人ってこれかい!?」って笑ってしまいました。「あ、これギリアム映画だったんだ」ってことを思い出させられました。ギリアム監督にキラキラしたファンタジーなんてあるわけないのに、彼の映画を心構えなしで見始めると、始まってすぐに度肝をぬかれます。彼の映画は何本か観てるのに、今回も忘れていて驚いてしまいました。

その小人たちというのは、万物の創造主の下で働いていたけれど、仕事に嫌気が差してしまい、タイムホールが書かれた地図(あらゆる時代、国を好きに移動できる)を盗んで逃げ出してきたというダメダメな小人たちなのです。
彼らはケヴィンという11才の少年の部屋に突然現れて、そこに地図を取りかえそうと怒り狂った創造主の巨大な顔が追いかけて来たので、ケヴィンも巻き込まれ、小人たちと一緒に逃げる羽目になるのです。

そこからはいかにもギリアム的な、なんでもありのタイムトラベルが始まります。背が小さいことを気にしているナポレオンや、泥棒のロビンフッド、ギリシャ神話に登場するアガメムノンという王様(なぜか手品好き)など、あらゆる有名人(?)をおちょくっているようなキャラクターが登場します。小人たちは彼らを騙して宝を盗んでは違う時代に逃げるというひどい奴らなんですが、他のどのキャラクターもダメダメで、子供のケヴィンだけがまともなんです。
気が付けば、「バロン」も「ローズ・イン・タイドランド」も出てくる大人はみんなダメ人間で、その大人に子供が振り回されるっていうのが、ギリアム映画の基本スタイルのようなものでした。確かに大人になると子供の頃には分からなかった汚さとか嘘に気が付いちゃって、それによって大人って逆にバカになる部分ってあると思うんです。気付いたことで子供みたいに純粋ではいられなくなって、弱くなって、自分を守るようになったりして、考えなくていいことまで考えるようになった結果、ちょっとバカになるっていうような…。だからギリアム映画って変な所が現実的で、笑えるような笑えないような複雑な心境になるときがあります。

「万物の創造者」は、ものすごいインパクトのあるビジュアルを想像させておいて、最後の方でやっと全貌が明らかになると、なぜか普通のスーツを着た会社員のようなおじさんで、オーラもなにもないんです。ケヴィンはずっと一緒に旅して来た小人たちにも最後は裏切られるような感じになるし、現実世界に戻って来ても、なぜか家は火事、両親(この二人の大人もやっぱりアホ)は爆発して消えてしまうという散々な目に合います。「ケヴィンは可哀相なだけじゃん!そもそもこの映画、何が言いたいの!?」という、見始めてからずっと感じていた疑問は最後にはさらに大きくなり、そのまま映画は終了。

普通の映画って、何かしら観客に伝えたいことがあったり、楽しませたいとか、感動させたいとかあるけど、この映画はそれが全然分かりません。それに普通の映画って、「子供向け」とか「20代のカップル向け」とか一応狙いの客層ってあるものだけど、この映画はそれが全然見えません。かろうじて「大人ってひどい」ってところが教訓みたいなものだったとしても、「そんな映画ってひどい」と言い返したくもなります。
でもなんだかんだ言っても、彼のブラックで独特な世界観はやっぱり好きだし、ここまで我が道を突っ走っているギリアム監督には恐れ入った「バンデットQ」なのでした。

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by pop-cult | 2008-07-23 00:25 | 70s・80sファンタジー
想像力を掻き立てられるチラシにドキドキしながら試写を観てきました。
この綺麗なブルーを見た時は、一瞬ファンタジーなのかな?って思って手にして、よく見たら「人間が人間でいられなくなる」って書かれていたからびっくりして。ホラーなのかなって思ったけど、どうやらホラーでもないみたいだし、タイトルだって「バグ(虫)」だし、でもチラシに虫の姿は見つからないし、なんだなんだこれは!?と、一体どんな映画なのかと謎を解くようなつもりで挑みました。

もともとこの話は舞台だったようで、それを観た監督が面白さに惚れ込んで映画化したようです。脚本もその時の脚本家が書いたみたいです。確かに基本は会話劇で、ほとんどモーテルの一部屋しか出てきません。その点では確かに舞台なんだけど、何となく舞台っぽくないなーと感じて。何でかなって考えてたら、多分役者さん達の演技の細かさと、時間の流れの表現の上手さかなって思いました。気がつくともう何年も何年もたっていて(実際は何日かしかたってないかもしれないけど、私は何年かに感じた)登場人物たちが日に日にやつれてきているという表現が、映画的な表現に思えたからかもしれません。
それに空をやけにヘリコプターが飛んでいて、そのヘリからモーテルを写しているカットが何回も登場するんです。後にそのカットは重要になってくるのですが、そこも映画だから表現できたところに思いました。(あと、チラシがブルーなのも後半になって「この色か!?」って衝撃を与えてくれます。)
ヘリコプター以外にも、途中で「ん!?」って、なんとなく引っ掛かるシーンが幾つかあって、それが後半から段々「そういうことか」と理解できてくるんです。でもそんな要素が逆に観ている側に更に疑問を与えている部分もあって「じゃあ、どこまでが現実なの?」って疑問は後半から大きくなってきたり。

映画を観ることに対して「挑む」っておかしいはずだけど、この映画は「観る」とか「楽しむ」とか「浸る」とかじゃなくて断然「挑む」って言葉が似合う映画でした。
でも、難解とも違うんです。すごく意外なことに超B級映画なんです、実は。だけど、一回観ただけでは理解出来ない箇所もあって、観終った今でも「この映画なんなんだろうか」ってまだなんとなく考えてます。だからB級って言い切ってしまうのは違うかもしれません。B級と捉えて「ウヶる!何だこの展開は!?」って突っ込むも良し、実は深い映画と捉えて、何十回も観てみて謎を解くも良し。そんな映画なのかなって私は思いました。

詳しく知らないけど「エクソシスト」を撮ってる監督(フリードキン)だから、きっと凄い才能があって映画の歴史とか変えてきたような人なんだろうけど、そういう監督って、もう鋭すぎる感覚が長年の経験とか慣れとかによって一周しちゃって「これだ!」と思って作ったものが、いよいよB級的なこの映画だったのかな〜って、変な想像してみたり。でも私の中で、「この映画の監督はなにを考えてこの作品を作ったのだろうか」って想像させられてる時点で、その映画は観る価値があると思っています。(自分規定)
劇場公開は7月です!観た人の感想がとても聞いてみたい今なのでした。


ちなみに「チラシに虫の姿が見つからない」って書いたけど、思いっきり表に載っていたのは虫でした。後から気付きました…。「騙された!!」って思いつつ、ちょっとにんまりしちゃいました…。
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by pop-cult | 2008-06-02 11:11 | 外国の映画
『タクシデルミア〜ある剥製師の遺言〜』観てきました。
映画としての完成度はすごかったです。でも、それでも「剥製師の話」って時点で気が付けばよかったけど、本当に気持ち悪い映画でした。シュバンクマイエルならギリギリ観てられるし、グロテスクな話でも結構自分はいける!なんていままで思ってたけど、この映画は目を覆いたくなるシーンが多くて…。もう途中から「なんで私はこの映画チョイスしちゃったかなぁ」ってちょっと笑えてきました。女子として、休日の夜に一人でこの映画を映画館で観てるってどうなのか?と。
美術はしっかり作られているし、色とか鮮やかで配慮されてる感じが伝わってきました。仕掛け絵本の妄想シーンとか素敵な表現もいくつかありました。でも、ちょっと汚すぎる所が。見てるだけで酷い臭いが漂ってきたような錯覚が。

例えば『パンズ・ラビリンス』はグロテスクなシーンと美しいシーンのバランスがとれてたように思えて。基本グロいけど主役の女の子が儚げで綺麗だから中和されてたように感じてそこがすごく好きな所でした。「結局人間が一番グロテスクな存在だ」というテーマも伝わってきました。
あと『ブリキの太鼓』は私としてはグロテスクな映画の代表だと思ってて、あれは視覚的にも精神的にも気持ち悪い所にすごく意味がある映画で、簡単に言ってしまうと、大人のそんな気持ち悪い滑稽な姿を表現している作品だと思うんです。不倫のシーンとか妙にリアルな感じがするし。そのことに嫌気がさした主人公は「自分は大人にはならない」と決意するという、そこから話が始まるし、グロテスクさが物語の核だと思うんです。

でも『タクシデルミア』は、私にとってはグロテスクな表現に意味がないとまでは思わないけど、個人的すぎて分かりづらいというか。祖父、父、息子の3人ともそれぞれ、性欲や妄想にとりつかれて、食欲と競争心がむき出しになって、剥製に異常に執着して…。その3人の関係性がもっと面白く絡んでくるかと思っていたら、意外とあっさりしててちょっと驚きました。(そこは私の読みが浅すぎるのかもしれないけど)狂った3人の人生を見てきて、結局制作者が表現したかったのは、人間の空しさみたいなものなのかな…とぼんやり考えさせられました。どう振り返っても、あの大食いの後の吐くシーンとか、あんなに大胆に写す必要が感じられないし、祖父の存在がちょっと関連性弱いように感じました。

と、ここまでちょっと批判的に書いてしまったけど、実は最後のオチはすごく好きだったりします。「ないない」って突っ込みたくなるオチだけど、あそこまで汚いシーンがずっと続いてたところに、最後にガツンと美しいシーンを持ってきたところは良いなと思いました。でもあのシーンを美しいと見る人が全員ではないのは確実だけど。最後の最後に欲がただの欲を越えたんだけど、生きてる間には誰かに認められるとこもなく、結局空しさが残るあの感じ。やっぱり表現者って、根本的に残念な存在ってことを認めないといけないのかな…。とにかく色々と悩まされる映画でした。この映画を気持ち悪いと思った自分は、やっぱり普通の女子で、やっぱり普通に美しいものが好きなんだって確信しました。
芸術的な映像世界を期待して見に行くと、美しさ迷子になるので要注意です。
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by pop-cult | 2008-05-12 11:54 | 外国の映画
私が一番好きなバンドACIDMAN。一番はブレません。
彼らの作る音楽はもちろん、考え方、映像に対するこだわりが他のバンドとなんか違う!バンドっていうよりクリエイティブ集団だって勝手に思ってるし、彼らの音楽は人間の内面的なものがテーマだから、1曲1曲が短編映画みたいで映画を観たときの感動と似ていたりします。(アシッドマンの素敵な所を語り出すとキリがないのでここらで止めます)
実際にアシッドマンのメンバーもよく映画を観るらしく、前はHPのプロフィールに好きな映画を載せていたいたし、メンバーが好きな映画の紹介をするコーナーを持っていたりしてました。

やっぱり作品に感動すると、次は興味がその作者にいくもので、アシッドマンのメンバーが薦める映画ってすごく興味深かったので、「観たことないもんはどんどん観て、自分もアシッドマンのように感性磨かなきゃ!」って、どんどんアシッドマンオタクへの道を地味に進んで行ったわけです。

それで気付いたこと。とにかくベースの佐藤さん。ベーシスト・佐藤雅俊、通称サトマ。そのサトゥさんが薦める映画が面白すぎるんです。でも内容が面白いって意味じゃ無くて。むしろグロテスクだったり、シュールすぎたりする。サトーさんはそんな映画たちを独特な視線で観てるって思うんです。


例えばラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。サトーさんはこの映画を何回か観ているらしく、何度か目には今まで感じられなかった「プラスの力」のようなものを、あの映画から感じとれたらしいのです…。(ちなみに私は一度観ただけですが死にたい気持ちになるほど落ちました…)

あとサトーさんが映画館で観終わった後にテンション上がり過ぎて、プログラムやらサントラやら色々買いまくったというのが、レオス・カラックス監督の「ポーラX」。これもまたウツウツとしたストーリーで、人に薦めるのに躊躇しそうな映画でした。
ここでもサトーさんの視線は独特で「このシーンが美しくてヤバイ」とか全体的なストーリーを褒めるわけじゃなくて、絵的に良かったシーンを褒めてたりします。さすが自称「(ベースの)フレーズマニア」らしい発言だなと思いました。

映画じゃないけどサトーさんが好きな本、サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」も読んでみました。タイトルどおり9つの短編集なんですが、これがどれもサトーさんが薦める映画たちを文章化したような、映画の中の一つ印象的なシーンを書き出したような本でした。上手くいえないけど、「不毛」とか「惰性」とか「空虚」とかそんなものを美しく撮ったような映像がどんどん浮かんで来ました。

サトーさんが薦めるものたちは、最初は難しくてピンと来なくても、なぜか心に残っているものばかりです。結局後々サトーさんの影響でビョークを聞くようになったし、気に入った映画は何回も見ると最初とは違う印象をうけることがあるって面白さも知りました。大学時代にはナイン・ストーリーズを題材に作品を作ったこともありました。

それに「『この映画を観た俺は、観てない人に比べてその分、心が豊かだ!!』と思えるような映画を求めて単館映画を観まくっていた時期がある」というサトーさん。確かに心に残る映画って、後からふと思い出して色んなこと考えたり、色んな感情が生まれたり、制作の糧にもなったり、自分を豊かにしてくれます。そのことに気付いてから、映画はお金や時間を惜しまず沢山観ようと考えるようになりました。私の映画好きは、結構サトーさんの影響もあるのでした!

自分を豊かにしてくれる作品にはなかなか簡単には出会えないけど、やっぱり私にとってはACIDMANとの出会いこそがまさにそれなんです。映画じゃないけどね。ACIDMANを聞いてない人間より私はその分豊かだ!なんてたまに本当に思います。武道館ライブの後とか。
とにかくこれからもACIDMANについて行きますってことで!そんなシメで!今月末は新曲発売だ!!ってことで。

何回サトーって言ってるか分かりませんが、ここまで読んでくれた人、いたらありがとうございました。マニアックに長々と失礼しました。次は大木さんがライブなどで言ってる粒子についての話と、いっちゃんのおすすめラーメンについての話、は、書きますえん。

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by pop-cult | 2007-11-12 00:59 | アート・おもちゃ etc.
私が「最近エイドリアン・ブロディが好きなんだよねー」と言うと、大抵「え?あの微妙な人?」みたいなリアクションが返ってきます。たまに「いいよね!」と、のってくれる少数派もいますが、だいたいは「だれ?」とか「エアピアノの人だっけ?(←うまい)」と知名度も人気もいまいちな感じ。でも、ニコラス・ケイジがセクシーと言われたり、SMAPにつよしがいるこの世界で、困り顔で鷲鼻のハリウッドスターが好きな24才がいても全く不思議ではないのです。
キーラ・ナイトレイと共演した「ジャケット」を見て以来とても気になっている存在です。アカデミー賞の主演男優賞をとった「戦場のピアニスト」よりだいぶ最近の映画です。私は、最近ハリーポッターにはまりだしたり、世間のブームが去ってからしばらくして一人でブームになるという独自のサイクルがあるようです。

とにかくそれからエイドリアン・ブロディが出演してる映画を調べました!彼は実はかなりたくさんの映画に出てて、映画も役柄も多種多様。気になった監督の映画を続けて観ることはあるけど、俳優でみたことほとんどないので、改めていろんな人がいろんな映画を作ってるんだなぁ〜、エイドリアンもいろんな経験をしてきたんだなぁ〜と当たり前なことをしみじみと感じました。そこでもうひとつ感じたことがあります。[外国の映画が日本にきている]ということについてです。

まずは「ダミー」
あらすじは、恋愛に臆病な若者(エイドリアン)が腹話術師に転職しようと、訪れた職業安定所で働いていた女性に恋をする[コメディ]映画。それなのになぜかサスペンスの棚でDVDを発見。手にとって驚いたのはジャケットの怖さ。ホラー映画を思わせる写真と配色。あれ?と思いつつ観てみてもやっぱりコメディ。最後は盛り上がりに欠けるけど、エイドリアンのキャラはなかなか笑えました!けどこのジャケットはどう考えてもおかしい。裏に一体どんな大人の事情があったのだろうか?それに『ミラ・ジョヴォヴィッチの新作!』みたいな売り方してるし(彼女は完全に脇役)ホラーと思って、もしくはミラ好きで観てみた人たちはがっかりすると思います…。

そして「歌う大走査線」
このタイトルで「面白そうだな〜」なんて思う人はまずいない。借りるのに躊躇したけど思いきって借りてみたら、これが意外と面白い!!エイドリアンの出番はあまりなかったけど、今までにないタイプの映画を作ろうと必死な監督の意図が私には伝ってきました!(評価はいまいちみたいだけど私は好きでした)でもこのタイトルはないだろう。原題を直訳しても「歌っている探偵」だから難しかったのかもしれないが…。

あと「ラヴ・ザ・ハードウェイ 〜疑惑の男〜」
最後の「疑惑の男」って…。一気にB級感を与えてくれる不思議な力を持ったサブタイトル。DVDの裏のストーリーの文も「詐欺で生計を立てている主人公(エイドリアン)は人を信じられなかったが、1人の少女と出会って徐々に心を開いていく…」みたいな文で、そんなストーリーの映画やドラマはこの世に10248本くらい存在しています(その内613本は韓国という話も)でも観てみるとそこまで単純でもなく、一応飽きることなく最後まで観れました。

私が気付いたのはたまたまこの3本だけど、世の中には制作者(監督)の意図を無視したジャケットや邦題が沢山存在しているのです。私は映画を観るのは、制作者の心の中を覗くようなものとも思っているので、その表現を邪魔する、もしくは壊すようなジャケット、タイトルは訴えたいくらい嫌です。監督達に失礼だと思います!!
どうせなら憤りが一周して笑いに変わるくらいの、日本映画と間違うような、ものすごいギャップがあるものとか作っていただきたいです。きっとほんとに訴えられるから…。

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by pop-cult | 2007-07-29 23:24 | 外国の映画
誰にでも、自分にとって特別な存在の映画っていくつかあるものかな?と思うけど、私にとって特別な存在の一つが、ロード・オブ・ザ・リングです。

ロード〜を知ったきっかけが、祖父が原作を読んでいたことでした。私の祖父は、お腹が出てて足が細くて、白髪を小さく結んでいるアメリカ人で、戦争で日本に来て以来、国に帰ったことなどなく、それどころか、めったに車や電車にのりません。遠出が嫌いで、近くで経営する英語塾に行ったり、公園を散歩したり、石やカラスの羽根や蝉の抜け殻拾ってきたり、レゴを作ったり、折り紙折ったり、本を読んだりしてました。
熱心に指輪物語を読んでいた姿をよく覚えています。「え?指輪物語って、指輪を捨てるんだ?探すんじゃなくて?」みたいな会話をした記憶もあります。
ロード〜が映画化されると知って、祖父を誘ってレイトショーで近所の映画館に見に行くことになって、一緒に映画館に行くなんて始めてて凄く嬉しい出来事でした。
観る前はチラシを祖父に渡しに行ったり、祖父が昔録画していたアニメの「指輪物語」のビデオを借りて予習したり、ちいさなイベントになってました。

レイトショーだったこともあって、父と母は途中寝たと言っていたけど、私はかなり感動して興奮状態で、なんだか凄いものに出会ってしまった気持ちになりました。
祖父も原作の雰囲気と合っているとなかなか満足の様子。それをみて私も満足。
私は映画そのものの内容と祖父と一緒に観たという二つに感動して、特別な気持ちになったんだと思います。

二つの塔も同じメンバーでレイトショーを観に行って、私はガンダルフが姿を現す度に号泣しました。それにファラミアもかっこよくて心を奪われました。
その後祖父は王の帰還の公開より前に突然死にました。

王の帰還は3人で観にいきました。旅の仲間、二つの塔ときて、王の帰還に対する私の期待はかなりのものでしたが、その出来は裏切ることは全くなく、期待以上の最高傑作でした。
一番最後、指輪を捨てて普通そこで終りそうなものが、この映画の本当に凄い所はその後だと私は思います。癒されない傷もあるなんて、そんな終わり方のファンタジーなんて他にないと思います。私はその終わりのシーンが祖父の死と重なって、はじめて味わう種類の悲しい気持ちになりました。
でもその悲しいって?空しいでもない。会いたいでも足りない。自分の心が激しく動いた時って、言葉にならない。この映画をみて本当に心から感動した時も、言葉では表せないものなんだなって、その時私は知りました。

DVDになってから、ロード〜を私は何回も何回もみました。何回も観ていると、感動するシーンがその度に変化します。ストーリーはもちろん、役者の表情だったり、有り得ないくらい細部にこだわった美術だったり。監督のコメンタリーを聞いても、ものづくりに対する熱い気持ちにも脱帽し、同時に私もやる気が湧いてきたのを覚えています。
でもやっぱりこの映画の感動を言葉にするのは難しい。最高!とかやばい!とか書いても書いてもまだ足りない感じがする。大袈裟に聞こえると思うけど、この映画から沸き上がる熱?力?を言葉にはできない。
祖父が死んだことも言葉にはできない。祖父が大好きだったけど、そのことを母に言おうとしてもうまく出来ない。
ロード〜は私に、言葉にならない感情があるということを教えてくれたのかなと思っています。ちょっと人生観が変わるようなことを教えてくれる映画はそんなに出会えるものではないです。


くどくどと暗い話を書いてしまったけど、観る度に重い気持ちになってるわけではありません!!それでも私は楽観的な人間です。

ついこの間、近所の古本とおもちゃを置いてる店で、何とミナス・ティリス(王の帰還に登場するゴンドールの首都)の置き物を見つけて買いました!!!かっこよすぎる。
後から気付いたら、それは底が開けられるように出来ていて、小物入れになってました!早速母に「私がママより先に死んだら、このミナス・ティリスに骨入れてね」と頼んでおきました。うーん。

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by pop-cult | 2007-07-15 23:58 | ファンタジー映画