アクセサリー作家でちょっと映画オタクな大竹真奈実のブログです。ファンタジー、妄想系映画多め。制作しているプラバン+ビーズ刺繍のアクセサリーのことやSCHOLE活動日記も。

by ohtake-j-fox
もうなんか…、観終わった後に思わず「ふざけた映画だな…」と呟いてしまいました。『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール』などで知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の、今公開中の映画『私が生きる、肌』のことです。

この映画、どうやら賛否両論の賛が多いらしいのですが、それ本当〜!?ってかんじです。私なんて久々に、観終わってすぐに頭の中で再編集が始まりました…。でも、“物議を醸す”映画という意味ではすごいのかと思います。
一緒に見たママちゃんも「あれはないね」の一言で切り捨てていましたが、他の人がどう思ったかがものすごく気になることは確かです。

アントニオ・バンデラス演じる天才医師が、自ら開発した人口皮膚を移植して、死んだ妻にそっくりの美女を作り上げるという、とてもグロテスクな話です。
これはネタバレ厳禁な映画なので、核心には触れずに感想を書きたいです。だいぶ辛口なのでご了承を!

まず思ったことは、最初の方にバンデラスの家でお手伝いさんをしている女性の元に、虎のコスプレをしたおかしな男が訪ねてくるのですが、そのシーン、すべてカットでいいと…。なんでこんなにどうでもいいシーンに、こんなに時間をとっているのか、観終わって疑問でしかありませんでした。

そのかわりに、もっとバンデラスの妻のこととか、案外サラッとしか登場しないし、娘のことももっと時間割いてもいいのでは?と思ってしまいました。

「そうだったの!?」という事実が分かった後は、「でも…、だとしたら、あのときのアレはおかしくない…?」のオンパレード。
例えば『シックス・センス』なんかは、主人公が幽霊ということを知ってからもう一度観ても「確かに誰とも会話してない!なるほど!」ってなるけど、この映画はならないと思います…。ま、きっと観客に「なるほど」と思わせたいとも思っていない気もしますが…。
ただ、あそこまで突拍子もないオチがあると、それまでの話が「オチがバレないように作った」感が目立ってしまって、ちょっとチープな印象に感じました。

終わり方も「ここで終わりかい!?」というタイミングで、私としては「この後どうなるか気になるでしょ!?」と思ったので、そこも観たかったです。しかし、あの後を長々やったとしても、もっとチープになっちゃう可能性もあるけど…。
映像も美しいし、音楽もかっこいいし、それでいてエログロっていう世界観は嫌いじゃないのですが、ストーリーだけ考えると、いくらなんでも観客をなめすぎではないかと、ちょっとした怒りすら感じました。あまりにも浅い。もう確信犯で、「この映画はバカな話ですが、楽しんでください」くらいの気持ちで作ってるのだとしたら、それはそれで新しいから良しとするけど、この映画を深読みするのは無理かと思います。
おしゃれな売り方してるけど、話はきっと「ムカデ人間」(見てないけど)と近いのかもしれないな〜なんて思いました。

ストーリーと関係ないですが、バンデラスの娘と仲良くなりかける青年の役をやっていた俳優さんが、すごくかっこ良くてツボに入りました。ジャン・コルネットという私と同い年の人で、新人さんらしい。これから注目したいです。

『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』『ボルベール』と、この監督の映画は3本観ていて、どれも好きだったので期待しすぎたのかもしれないです。同じ話で、タランティーノが監督したら別物として面白かったかもしれないな、なんて妄想もしちゃいました。でも、どうやら『私が生きる、肌』はこの監督の初期作品っぽい空気らしいです。散々書いてしまいましたが、これからまだ見ていない初期作品も挑戦してみようかと思いました。

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by pop-cult | 2012-06-16 09:54 | 外国の映画
ティム・バートン×ジョニー・ディップの最新作『ダーク・シャドウ』観てきました。前作の『アリス〜』を劇場で観て以来、「もうティム・バートンの映画はDVDでいいや〜」なんて思いながら、今回もばっちり劇場で鑑賞。本命だった『ザ・マペッツ』が六本木まで行かないと観れないから、近所で観られる『ダーク・シャドウ』にしようと、気軽な気持ちで何も期待せずに観たら面白かったです。

『裕福で遊び人だったバーナバス(ジョニー)は、屋敷の使用人だったアンジェリーク(エヴァ・グリーン)と関係を持つ。しかし別の女性と結婚し、彼女をあっさりと捨ててしまう。実は魔女だったアンジェリークは、バーナバスを愛しすぎて怒り狂い、彼の婚約者を殺してしまう。不幸のどん底に落とされたバーナバスも自殺を図って崖から飛び降りるがなんと無傷。アンジェリークの呪いによってヴァンパイアに変えられてしまい、不死身となってしまったのだ。アンジェリークの行過ぎた復讐により、その後彼は約200年間土の中に埋められるのだが、あるきっかけで復活を遂げる。そこからまたアンジェリークとバーナバスの戦いがはじまるのだった…』

今回良かったのは、ザ・悪女!といった雰囲気のアンジェリーク。『ライラの冒険』でも魔女の役で、賢くて、でも色気のある独特な雰囲気で存在感があったエヴァ・グリーンが、金髪に赤い口紅で登場。エリカ様に見えるときが時々あるくらい、すごく意地悪そうな表情なので、同じ人に思えなかったけど、好きでした。映画の中の悪役に惹かれることって、私はあまりないのですが(世の中的に人気の悪役、例えば『ダークナイト』のジョーカーとか、初期のハリポタのスネイプとか、みんながもり上がるほど好きではなかったのですが…)今回は、世の中がどんな評価をしているか知らないけど、一番好きな登場人物でした!

今回のジョニーは今まで散々アクの強い役をやっていたから、ソレと比べてしまうとパンチに欠けていたかもしれないですが、ちょっとした動きに笑ってしまうことも…。200年分ずれているから話し方とか変で、そのことを突っ込まれて可哀想な所も面白かったです。

一瞬「このコが主人公かな?」というような、いかにもティム・バートンが好きそうな、低血圧顔の少女(ベラ・ヒースコートという私は初めて見た女優さん)が出てきますが、案外後半の出番は少なくて、すこし残念でした。とてもいい味出ていました。

意外と出番が多いのは、私が苦手なクロエ・モレッツ。『キック・アス』のヒット・ガールや、『ヒューゴの不思議な発明』のあの子です。今回はジョニーに「娼婦」と勘違いされるような役で、ヒューゴの時より合っていて良かったですが、なにかが引っかかる…静止画でみていると気にならないので、きっと演技が私の好みじゃないのかも…ごめんなさい。

それでも、今回は登場人物たちが面白くて、そこがこの映画の魅力だったのではないかと思いました。なんとなく『アダムス・ファミリー』を思い出して、また観たくなりました。

『チャーリーとチョコレート工場』『ビッグ・フィッシュ』には勝てなかったですが、『アリス〜』よりは面白かったです。私はこっちの方が好きです。バートン映画では『ビートル・ジュース』が一番好きな人にはいいかも、雰囲気が一番似てます。正直、私は『ビートル・ジュース』の方が好きですが…。
なんと言っても魔女とヴァンパイアという私が好きなモチーフだし!ジョニーとエヴァ・グリーンの激しい絡みが笑えます。頭使わずに楽しみたい方はぜひ!
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by pop-cult | 2012-05-24 12:42 | ファンタジー映画
人から面白いゾンビ映画を聞き出して、夏の間に少しずつ観ていました。やっぱり昔のゾンビ映画は、狙っているのか単に技術がないのか、チープ感があって面白いです。とくに面白かった古めのゾンビ映画3本の紹介です。

☆「死霊のはらわた」原題:The Evil Dead 1981年 監督:サム・ライミ

タイトル的にものすごく怖いのを想像していたら、意外にもおもしろゾンビ映画と言っちゃってもいいくらいのチープ感で笑いました。若者達が安いコテージに泊まりにきたら、なんか様子がおかしくて…というような王道(この映画に影響されている映画が多くて、それで王道になったのか?)な始まり方です。いきなりきたーー!というようななかなか気持ちのいい展開だし、ゾンビの特殊メイクがすごいことになっちゃっていて、なかなかグロい。視覚的に怖がらせようといているのが派手に出ていて、飛び散る血とか、臓器がカラフル。面白すぎます。お化け屋敷みたいに、そろそろくるぞ的な怖さがあって、中身はないです。なんだかよくわからないまま不幸なことになっていました。特殊メイクの頑張りも虚しく、意外とメイクが薄いゾンビの方がゾクっときました。
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☆「ナイト・オブ・リビング・デッド/死霊創世記」原題:Night of the Living Dead 1990年 監督:トム・サヴィーニ

友達におすすめゾンビ映画を聞いてまわっていたところ、友達の上司にゾンビ好きのおじさまがいるとのことで色々教えていただきました。その中の1本がジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・リビング・デッド』そのおじさま曰く、ロメロ無しではゾンビは語れないとのこと。私がゾンビ映画を好きになったきっかけもロメロの『ゾンビ』で、こんな面白いのかー!!とびっくりしたので、やっぱり「ナイト〜」も面白かった!…しかし、私が観たのはカラーで、1990年にトム・サヴィーニ監督によるリメイクものでした。観終わってから監督が違うことを知りました。ゾンビ映画の世界はリメイクとか、再編集とか、色々あるし、名前も似てるからごっちゃごちゃです…。
調べたら、内容はオリジナルとほとんど同じで、主人公が強い女性というのがリメイクの特徴らしいです。私としてはその女性がすごく良かったです。ヒッチコックの「鳥」と似ていて、ホラーというか、サスペンスとも言える内容です。ラストも色々考えさせられるかなり面白い1本でした。
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☆「バタリアン」原題:Return of the Living Dead 1985年 監督:ダン・オバノン

“オバタリアン”という流行語を生み出した映画。『ナイト・オブ・リビング・デッド』の続編ということになっている、パロディー映画です。「あの時のゾンビをまだ下で保管してるんだよね」ってな具合に始まります。「嘘だ〜」「いやいや本当だから」「信じられない」「信じないなら見せるよ」という、本当にバカな話です。最初から笑わせることを前提に作っているためなのか、俳優の演技も大袈裟でおかしなことになっています。当時のファッションも「何があったんだ」と言いたくなるほど変で、そんな若者の奇抜ファッションとゾンビが良いハーモニーを奏でています。音楽とか、普通にちょっとかっこいいし、体が半分の犬の剥製が動き出すシーンとか、オシャレです。色んな意味で爆笑の1本で、大好きです。
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調べると本当に色んなゾンビ映画があって、まだまだゾンビ好きというには観ていない映画が多すぎました。タランティーノとかもっと90年代以降の最近のものも観たいし、これから涼しくなってきて季節的には不向きですが、また観ていきたいと思います。引き続き面白ゾンビ映画をご存知の方は募集中ですので宜しくお願いします。
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by pop-cult | 2011-09-24 14:48 | ホラー映画
ミシェル・ゴンドリーがなんとなくB級っぽい変なヒーローもんを撮ってるぞ?ということで、気になって観てきました。

『スズメ蜂に刺されて死んだ父の後を継ぎ、新聞社の若き社長となったブリット。彼に毎朝、最高のカプチーノを入れていた隠れた天才カトー。二人はひょんなことから街中の犯罪者と戦うヒーロー『グリーン・ホーネット(緑のスズメ蜂)』を結成する。ちょっとかっこつけるだけのつもりで始めた“正義の味方”が、街の犯罪をすべて取り仕切るギャングのボス、コドンフスキーを怒らせてしまい、大変な事態になっていく…。』


とにかく、くっだらなくて面白かったです。ヒーローものって言っても、たいしたことしてないし、今まで観てきたバッドマンとか、スパイダーマン、アイアンマンとか、あーゆーのとは比べものになりません。グリーン・ホーネット結成にとくにバックグラウンド的なものもないし、とにかくカトーがひたすら凄い人という…。それだけが頼りでした。

そのカトーのキャラがすごく良いんです。最初に予告を観たときには、正直「なぜこの人が主役?」と思ってしまいましたが、映画を観ているとどんどん好きになってしまいます。顔は誰もが「小学生のころの同じクラスだった男子にこんな人いたな…」と思ってしまうような素朴顔ですが、仕草と話し方はキムタク。上海出身と言いつつ名前が加藤という曖昧な設定。昔、貧乏で苦労したという、ざっくりとした過去を語り、機械のことなら何でもお任せ!とマッハGO!GO!GO!も顔負けの車をせっせとこしらえるカトー…。面白すぎます。おいしすぎます。

そんなカトーのキャラを活かしてくれるのが、本当の主人公ブリット。一周して癒し系と言えるほどの突き抜けたバカキャラが良かったです。ちょっとだけぽちゃっとした体系がまた絶妙でした。カトーとはまた違う面白さで時々彼の発言がツボに入りました。
そんなブリットの秘書役に、キャメロン・ディアス。セクシーで頭が良くて強いはまり役でした。でも彼女の存在によって一気にメジャーな雰囲気になったので、この役ももう少しマイナーな俳優でも良かったかもしれないです。
コドンフスキー役には「イングロリアス・バスターズ」でアカデミー賞助演男優賞を撮ったクリストフ・ヴァルツ!イングロリアス〜の強烈なキャラには負けるけど、今回もちょっと面白かったです。怖いんだか、バカっぽいんだか、いまいち分からない不思議な存在感がある役でした。

あまり期待していなかった美術も、さすがはミシェル・ゴンドリー、こだわっていました。カトーの家に習字があったり、こだわり方もやっぱりB級なんですが、そこもまた笑いの要素として良かったです。
それに、そんなにまだ3D映画って見ていないですが、3Dという最新の技術でB級映画を作ってしまうセンスってなんか好きです。でも「B級映画って、はじめからB級を狙っているわけではなく、作ってみた結果B級になっちゃったことじゃないの?」と言う人もいるので何とも言えないけど『グリーン・ホーネット』に関しては、どうも確信犯だと思ってしまいます。映画全体の雰囲気はちょっとB級ですが、映像と笑いのセンスはAです。登場人物のちょっとしたやり取りで、たまに大爆笑してしまいます。

映画監督が一度は憧れるB級映画…(←本当か?)
それを3Dで!大画面で!!おすすめです。
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by pop-cult | 2011-02-12 00:21 | 外国の映画
イタリアンのホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェント監督の最新作『ジャーロ』を観てきました。主演は大好きなエイドリアン・ブロディ!この組み合わせは熱いです。日本にくるのを楽しみにしていた1本です。

『イタリアで、若くて美しい外国人女性ばかりを狙った連続殺人事件が起こっている。被害者は皆、拷問され切り刻まれていた。そんな中、ファッションモデルをしている妹が行方不明になり、心配をしているリンダ(エマニュエル・セニエ)が警察に相談に行くと、猟奇殺人を専門に扱う変わり者のエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)を紹介される。』

「サスペリア」や「インフェルノ」など、私が観たことのあるアルジェント監督の映画は、どれも少女が主役で、出演している男性の印象が薄いものばかりでした。でも今回は、エンツォ警部が中心の話で、逆に少女の印象が薄かったので意外な感じがしました。
登場人物も少なく、CGなどもほとんど使われていないし、とてもシンプルです。すごく凝った展開とか、最後に驚くオチがあるというような映画ではないので「めちゃくちゃ面白い!!」とは思いませんでしたが、とにかく古典的なホラーサスペンスといった感じで、それなりに楽しめました。

最初はなぜかいきなり日本人(と、ハーフの人?)が出てきて、B級感をあえて狙ったのかと本気で疑うほどの演技のおかしさに笑ってしまいましたが、主要登場人物が出てきてからは「こっからが本気です」と一気に空気が変わりました。演技力って大事なんですね…。監督はきっと日本語が分からないから、しかたないけど。

エイドリアン・ブロディの役への入り込み方がすごくて、最初の一言から「こんな声だったっけ?」と思うくらい渋い声で、一匹オオカミキャラ。つい買ってしまったプログラムには「オールド・ファッションの刑事像を役作りで体現」と書かれていてニヤリとしてしまいました。
彼の表情のみを追う長回しのシーンもあって、表情だけで感情を表せてしまう彼には今回も驚かされました。

それに後から知って驚いたのは、犯人である醜い男「ジャーロ」の役も、実は偽名を使ったエイドリアン・ブロディが1人2役を演じていたそうです。予告を観たときに犯人の目元がエイドリアンに似ているなーと思ったのですが、映画を観ている時には、特殊メイクのせいもあって「やっぱり違う人だわ」と思って全然気がつきませんでした…。

それに彼は製作にも参加しているので、「アルジェント監督の新作」というより「エイドリアンの気合いの1本」と言った方がしっくりくるかと思います。
誘拐されるファッションモデル役の女優さんも、当時エイドリアンと交際中だったエルサ・パタキ(綺麗すぎる)というのも「おやおや?」状態でした。(先に出演が決まっていた彼女が、エイドリアンに脚本を見せたことが始まりだったそうです)

きっとアルジェント監督ファンの人は「ガッカリ」が7割、「彼の映画だから何でも良し」が3割予想ですが、とりあえずエイドリアンファンの方は必見だと思います。私の周りにはファンはいないけど…。渋谷のシアターNでモーニング&レイトショーのみの上映中です!!

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by pop-cult | 2010-09-14 21:48 | ホラー映画
原題が「The Singing Detective」なので「歌う大捜査線」になってしまうのも分からなくはないのですが、あまりの面白さに「タイトルで損してる!!」と思ってしまった映画です。2003年のアメリカ映画で、日本では未公開です。主演はロバート・ダウニー・Jr。他にはエイドリアン・ブロディ、ケイティ・ホームズ、(ハゲのカツラを着用の)メル・ギブソンが出ています。

『謎の皮膚病に冒されて、全身の皮膚がただれ動けない状態で入院中のダン。小説家である彼は、自分の病気に対する不安や怒りから、医師たちに悪態をつく毎日。そして自分の小説の中の話と、現実との区別つかなくなり、精神的に追い込まれたダンは、セラピーを受けることに。セラピストのアドバイスを聞き、彼は執筆を再開、妄想と戦いはじめる。』

主人公ダンは、幼い頃のトラウマと、今の現実、そして自分の小説の登場人物とが、色々と頭の中でごちゃごちゃになっているんです。例えば、昔、自分の母親の浮気相手だった男が、小説の中の悪役として現れたり、自分の妻の浮気相手(という妄想)だったり…。時にはダンの小説を映画化したいという、うさんくさい映画関係者だったり。どこまでが現実で、どこまでが妄想なのか、一度見ただけではちょっと難しいのですが、そのアベコベ感がとにかく面白いです。

映像の質感、光、カメラの動き方とか、その都度変わるから「え!?」と思うシーンが沢山あります。それに、あきらかに小説の中のシーンでは、背景が妙に暗くて、登場人物や、一部の小道具にしか光が当たっていなかったり。これは「ダンの書きかけの小説の中だから、まだ写っていないものに関しては、細かい設定がダンの中で決まってないことを表している」と監督がオーディオコメンタリーで言っていました。
どのシーンにも監督のそんなこだわりが沢山あって、もはやこだわりというより、オタクの領域だと思いました。もちろんオタクは褒め言葉で、面白い映像や美術にもちゃんと意味があることが分かって、更に好きになりました。

そんなアートな雰囲気を感じさせつつも、全体的にはサスペンスコメディにちょっとミュージカルも入ってる感じで、結構怖い殺人シーンがあったかと思えば、いきなり医師たちが全員で踊りだしたり。
ダンの皮膚病メイクも、ここまでやるかというほどリアルに気持ちが悪いし、悪態つきながらも辛くて泣き出したりする彼の姿はこっちまで気が滅入りそうですが、どこか笑えるキャラクターなのでそこまで重くならず、不思議なバランスで成り立っている映画だと思います。主役のダウニーJrはやっぱり演技が凄いです。

それに他の出演者も演技力がある人ばかりだと思います。ちなみにエイドリアンは、やっぱりコメディが向いてるな〜と改めて感じました。出番は少ないですが、彼が出ていなかったら多分借りることもない映画だったので、疑わしいタイトルでも借りてみて良かったです。意外なラストシーンも好きでした。

踊る大走査線とはほとんど共通点ないし、意味がわからないとか、(ダンのメイクが)気持ち悪いとか、好きになれない人もきっといるけど、妄想系映画が好きな人にはおすすめです。
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by pop-cult | 2010-06-06 00:24 | 外国の映画
ゾンビ映画の元祖を初めて見てみたらこんなに面白かったなんて驚きました!!1978年、ジョージ・A・ロメロ監督「ゾンビ(米国劇場公開版)」です。
内容は簡単で「死んだ人間が生き返って生きてる人間を襲ってくる」だけ。それだけなのに、最初から最後まで真剣に見入ってしまいました。とにかくテンポとか撮り方とかいちいち上手いです。B級の名作とでも言えばいいのか、古すぎて色々突っ込まずにはいられないけど、それも含めて最高です。

映画が始まった瞬間からもうパニックが始まっているんです。パニックの原因を明かさずに、テレビ中継で「どんどん人が死んでます」とか「あの街はもうだめです」とか、とにかく煽りまくるんです。「ホラーはだんだん怖くなってくるもの」と思い込んで気を抜いてたら、はじめから飛ばしまくってるのでもう格好良すぎて笑ってしまいました。
どうして死んだ人間がゾンビになっているとか、そういう深い説明はなくて、死ぬと蘇って人間を食べにくるのです。ゾンビを殺すには脳を破壊すること以外に方法はなくて、ゾンビに襲われた人間もまたゾンビになって蘇り、ゾンビ人口は増える一方。しかもゾンビたちは「生きていた時の習慣」としてショッピングモールに集まってくるのです。行き場を失い、食料を求めてショッピングモールにきた主人公たちは、徐々に集まってきたゾンビたちと戦います。

「無人のショッピングモール」という設定が、やっぱりどこか夢のある景色というか、大好きな「うる星やつら」とか「ドラえもん」の映画と共通していて、「非現実の世界を描いた映画」好きとしてはたまりません。ビューティフルドリーマーの誰もいなくなった友引町、鉄人兵団だったか、なんかに出でくる入り込み鏡の世界…、誰もが一度は憧れるものです。それにブラックユーモアなのかなんなのか、「生きている時の習慣」って所も皮肉っぽくて気に入りました。
ゾンビっていっても顔を青く塗られた役者が何となくスローな動きをしているだけなので、たいして怖くないところも逆に良いです(たまに後ろの方に映ってるゾンビ役の人で、化粧が薄すぎて普通の人間にしか見えないヤツもいる)でも映画の後半にもなると、ゾンビの数がどんどん増えだし、さすがに気持ちが悪くてゾクゾクするシーンも多くなるし、主人公たちも襲われ、仲間がいつの間にかゾンビになってしまうという怖すぎる展開が待っていたり。
話に真剣にのめり込みつつも、メインキャストがゾンビになった時の「ゾンビとしてのクオリティーの高さ」にも驚きました。さすがに主役をはる役者さんはゾンビになってもエキストラとの差は歴然で、おかしな方向に曲がったままの足で歩いてくる姿が恐ろしかったです。

この映画を観ていたら、前にホラー映画好きの友達に薦められて観たダリオ・アルジェント監督の「サスペリア」を思い出しました。この監督はイタリアンホラーの巨匠と言われているらしく「サスペリア」は70年代ホラーの代表らしいのですが、ホラーってジャンルにそれほど興味がなかったので全然知りませんでした。でも観てみたら、色の使い方が面白くてかなり好きな雰囲気でした。妙にインテリアが派手な色だったり、赤い照明が不自然な場所に使われていたり。音楽も奇妙で、展開の早さとかも今まで観たことがあるホラーとは違って印象的でした。実は「ゾンビ」もダリオ・アルジェント監督が製作とか音楽とか色々関わっているらしく、米国版以外にダリオ版もあるらしいです。どおりでゾンビも色使いが面白いわけです。「こんな真っ赤な壁なんてどこにあるの?」って始まった瞬間突っ込みたくなります。
ちなみにそのホラー映画好きの友人に「ゾンビ最高だった」と伝えたところ「ついにこっちへ来ましたか」と言いながら握手を求めてきました。その友人いわく「ゾンビ」には人間の要望がすべて詰まっているらしいです(エロ以外)。とにかく総合しておすすめの映画です。

次に観てみようと思うゾンビ映画はパロディだけど「ゾンビーノ」が気になっています。ゾンビをおとなしくさせる首輪が開発されて、ゾンビ召使として雇う話みたいです。でも首輪が壊れて隣のおばあさんが食べられて…ってかなりブラック。面白かったら感想書きます。
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by pop-cult | 2009-01-31 23:27 | ホラー映画
もう終わっちゃうよ!!って時にぎりぎり観てきました、『僕らのミライへ逆回転』。
『恋愛睡眠のすすめ』がすごく好きだったので、ミシェル・ゴンドリーはこれから全部映画館で観るぞと思って。

「寂れたレンタルビデオ店(DVDは置いてない)のビデオの中身をなぜかすべて消してしまい、ジェリー(ジャック・ブラック)とマイク(モス・デフ)は、店長が留守の間になんとかごまかそうと、無謀にもビデオの中身を自分たちで作り直すことにします。そうしてやっつけで作った自作自演でたった20分のリメイク「ゴーストバスターズ」を常連さんに貸し出したところ、意外にも好評。彼らのリメイク作品は口コミで人気になって、店は突然繁盛しはじます」というなんとも奇想天外なストーリーです。

期待していた美術は『恋愛〜』ほどは面白くなかったけど、今回も手作り感を大事にした美術と、内容もデジタルについていけてないビデオ屋の話っていうところが、ミシェル・ゴンドリーって人は意外とアナログな人なんだろうなと思って共感できました。ジェリーとマイクがリメイクを撮影するシーンはあまりにもバカバカしくて爆笑だし(ジャック・ブラックが絵的に汚すぎて良い)最後はちょっとほのぼのするし、あたたかい映画でした。

それに久々のシネマライズは楽しかったです。やっぱり短館はいいです。シネコンが人気で最近は短館系映画はあまり景気が良くないって話を、映画の配給と宣伝の仕事をしてる人からも聞いていたけど、やっぱりシネコンにはない良さを久々に感じました。短館は予告を観ていると、どれも観たくなります。
予告をみて気になった映画をいくつか紹介させて下さい。
『その男、ヴァンダム』ジャン・クロード・ヴァンダムが自分で自分の役を演じている映画で「年もとって、アクションもきつくなってきたし、売れなくなってきたし、どーしよう俺」みたいな内容。大物アクションスターであるはずの人が、超自虐映画に出ちゃう、そのセンスが最高です。スティーブン・セガールに主役を奪われたというエピソードとか笑っていいの?開き直りのような内容が気になります。映画館には多分いかないけど、DVDになったら観ようと思います。
『ラースと、その彼女』も面白そうです。マネキン人形をネットで購入したラースという男(30過ぎ?)が、本気でそのマネキンを自分の彼女としてみんなに紹介していました…。その時のラースの笑顔が忘れられなくて映画館で観ちゃいそうな予感です。
ほかにも観たい映画が今多すぎてぜんぜん観に行けてないけど、『ブロークン』も本当は映画館で観たいです。『フローズン・タイム』のショーン・エリス監督の新作で、今回はサスペンスホラーです。「鏡が割れると不吉なことが起きる」という噂が本当になってしまうとか、ドッペルゲンガーをみてしまうとか、その手の話、大好きだったりします。映像も期待できる監督だから時間があったら映画館に…!
あとはまたしてもジャック・ブラック主演ですが『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』も気になっています。完全なおバカ映画もたまに無性に観たくなります。内容は『ザ・マジックアワー』と似ていそうで「戦争映画を撮ってるつもりが本当の戦争に巻き込まれていた」というありそうな話です。でも主演の3人(ジャック・ブラック、ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr)が揃っていたら面白くないわけがないと思ってしまいました。予告も「いかにも!」って感じでした。って、これは短館じゃないじゃんって自分で突っ込みつつ、パロディっぽい映画ってちょっと好きなんです。

パロディといえば(無理矢理)、映画のあとに友達と行ったレストランが面白すぎました。
「不思議の国のアリス」とゴスロリ(!?)をコンセプトにしたダイニングレストラン『迷宮の国のアリス』ってところです。そもそもコンセプトの1つにゴスロリが入っているとは知らず、出迎えてくれた店員さんが、ゴスロリアリスのコスプレで結構驚きました。行ったことないけど暗めのメイドカフェのよう。料理を運んでくるたびに「涙の海に溺れてさあ大変っ!アリスのペンネ、アマトリチャーナです♪」みたいなセリフ付き。ここはディズニーランドかい?最初は友達と必死に笑いをこらえていましたが、そのうちセリフにも慣れてきて、お気に入りのお姉さんがくるとかわいさにときめきました。男性客が多いのも納得。ちなみに写真がそのペンネ。たしかにアリスが溺れている…。普通においしかったです。店内のBGMもなんとなくファンタジーで、でもよく聞いてみると「メリーポピンズ」だったり「ピーターパン」だったり。コンセプトというよりパロディのようなレストランでした。貴重な経験。

『僕らの〜』で登場するリメイクは、元の映画に対する愛情のようなものを感じられて、上質なパロディとも言えるので、パロディ好きはおすすめです。アリスのレストランは誕生日に行くと、コスプレお姉さんたちが歌ってくれるし、自分たちもウサギの耳をつけるようにと渡されるので、こっちも興味がある方はぜひ…。

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by pop-cult | 2008-11-26 23:56 | 外国の映画
「フェアリーテール・シアター」は1982年から87年までアメリカでテレビ放映されていたという、ちょっとした伝説の番組。グリムやアンデルセンなどの童話を毎回違う監督が独自路線で映像化するというもの。テレビ番組のわりに、集まってる監督も出演者もやけに豪華。日本で例えるなら「濱マイク」みたいなものかな?(それしか知らないから)
しかも、製作総指揮が女優のシェリー・デュヴァル!「シャイニング」の奥さん役だった、なにげにジャック・ニコルソンより顔が怖いっていうあの人です!女優業だけじゃなくて色々と精力的に活動していた方みたいです。顔つきもなんかファンタジー。
ユーロスペースでその中の四本が上映されています。駆け込みで、先に上映の2本を観てきました。

『ミック・ジャガーのナイチンゲール』

いきなりあまりの安っぽいセットにびっくりして、さらにローリング・ストーンズのミック・ジャガーが中国の皇帝の役という無理矢理な感じにも驚きました。これは手のこんだコントか?と。なぜミック・ジャガーを選んだのかは謎だし、顔が意外と綺麗な分、コスプレの面白さが増して見えました。それにメインのナイチンゲール(鳥)がもうメインなのに大胆とも言えるチープさで…。昔見た、教育テレビの「お話の国」みたいでした。「今ってもうお話の国はやってないのかな…」なんてことを考えたりして、話よりも、セットが壊れるんじゃないかとか、そっちが気になってしまって。そのうち「このままでは寝るな」とウトウトしはじめたら終りました。とりあえず貴重なモノを観たな、ということでした。


『クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男』

ナイチンゲールを見た後だったので、いっそのこと「セットの粗探しして楽しむしかないかなー」なんて思って期待しないで見始めたけど、これが意外に大ヒットでした。
主役は「アリー・my・ラブ」の脇役弁護士の人(ピーター・マクニコル)で彼がいい味出してました。
「怖い」とか「ゾッとする」という感覚が一切分からない主人公が、ある日父親に「何も怖がらないお前が怖い」と家を追い出され、そのまま恐怖を求めて旅に出ます。そこである城の幽霊退治を引き受けることになるのです。
彼の何に対しても動じない、というより恐ろしく鈍感な姿が面白すぎてずっと笑っていました。城の中のテーブルに骸骨が乗っていても、平気でその上で食事を始めたり、脅かしてくる幽霊達に対してはもう「リアクションするのもダルい」みたいな態度で、そのうち「唸るならもっと声の出し方を変えた方が迫力がでるよ」とアドバイスするほど。
彼のその勇敢(?)な態度に惚れてしまったお姫さまが「ステキ!あなたと結婚するわ!!」と一人で大盛り上がりし始めたら、急に彼の体が震えだして一言「コレが恐怖か!!」っていうオチ…。超ブラック、こういうの大好きです。
セットもわりとチープなんだけど、古典的ホラーな雰囲気で可愛くて好きでした。ドラキュラとかフランケンシュタインとか、あとゾンビとかも、あーゆー雰囲気に弱いんです。ハンズに売ってるかぶりものとかも、ちょっと惹かれます。昔、死にかけ人形持ってました(当時みんな持ってたけど)
脱線したけど、そんな感じでこっちはすごく楽しめました。

今は、ティム・バートンと、コッポラの作品が上映中なので、また見に行こうと思います。画像は、怖くないシェリー・デュヴァルを見つけたので。シャイニングの時とは別人みたいに可愛いです。
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by pop-cult | 2008-08-18 00:19 | 70s・80sファンタジー
昔から、夜に寝て見る夢が面白すぎて、そのまま映像化できたらいいのになーって妄想してます。リングの貞子みたいに、念じてそのままフィルムに焼き付けることが出来ればいいのにって…(貞子的には全然違うよってかんじだろうけど)
私の夢はだいたいの場合、知ってる人も知らない人も大勢出てきて、いつもガヤガヤしています。広い建物がよく舞台になっているけど、階段の場所とかなにかが変で、外の景色も奥行きがないように見えるし、なぜか作り物みたいに不自然なんです。とにかく口ではうまく言えない感覚なんです。「アキュムレーター1」はそんな夢の世界みたいな映画でした。あの感覚の映画なんです。


簡単なストーリー…『主人公オルドは冴えない男。テレビの街頭インタビューを受けてもカミカミ。女にも振られて生きる気力を失っていたら、突然意識不明になり病院に運ばれる。病院の診断では彼の体は健康そのもの。けれど、そこに現れた自然学者と名乗るフィサレクというおじさんによると、オルドは何かによって生きるエネルギーを吸い取られているらしい。数々の実験を重ねた結果、その原因はどうやらテレビにある事が判明。オルドはリモコンを武器に「テレビ」と戦うことを決める…。』

監督はヤン・スヴィエラークという、どうやらチェコの名匠と言われている方で、この「アキュムレーター1(1994)」の後には「コーリャ 愛のプラハ」とか「ダークブルー」とか真面目な映画を撮っているようです。でもそんな監督がこんなに奇想天外な映画を撮っているとは、かなり疑問です。ぶっ飛んでます。

「テレビの世界」ってものが存在するって発想はわりと誰でも思い付くものだと思います。自分がどんなにテンションが低くても、テレビをつけるとみんなすごい笑顔で自分を完全に無視してどんどん話が進んでいくし、生きるか死ぬか!?みたいな場面が写っていても、電源をぽちっと切れば最初から何もなかったかのようになるし。
でもこの映画のテレビが「エネルギーを吸い取る悪いモノ」って発想は新しい感じがしました。もう一つの世界っていうより、敵なんです。エネルギーが吸い取られて意識が無くなると「テレビの世界」に自分の意識が行ってしまうんです。その「テレビの世界」は何でもありのあべこべな世界で、一見楽しそうなんだけど、オルドはすぐに「これはまずい、こんなところにいてもダメだ!現実を生きるんだ!」と気がついて、自然学者のちょっと怪し気な「エネルギーを取り込む実験」を試していく所が面白いんです。

そんな感じで単純にストーリーがすごく面白いんですが、もっと気に入っている所は映像の取り方とか、独特な展開の仕方とか、所々「何故?」ってシーンが入り込む所。「テレビの世界」のシーンは、やけに人が沢山いて常に騒がしくて、一見広くて美しい湖があっても太陽ではなく照明の灯。現実世界のシーンもどこか不自然で、うまく言えないけどとても不思議なあの感覚なんです!なんとなく自分の夢を映像化したモノを見ているような、奇妙な気持ちにさせられました。

たとえばオルドが車を運転していてカタツムリを轢きそうになってギリギリでハンドルをきると、カタツムリがものすごい早さで振り向く所とか。注射をいたら血管の中が、歯医者にいけば歯が削られている所が、ジョギングすれば揺れている臓器が、もの凄いアップで写るところとか。病院のナースたちがやけに露出してるところとか。現実のはずなのにどこか不自然でおかしい、ストーリー的には無くても平気な謎のシーンが沢山あるんです。でもそんなシーンがどれも面白くて、最初は独特な世界観に慣れるまで難しく感じる所もあるけど、難解映画とは違って素直に見ていれば話も分かるし、とにかく笑えるんです。リモコンをニ丁拳銃のように両手に持って、テレビの電源をどんどん切っていくシーンもあります。途中、タマ切れのように車の陰で電池を交換するシーンはあまりにもバカバカしくて爆笑でした。

気がつくとテレビの世界に入ってたり、現実に戻ってたり、その境界線がいい意味で分かりづらいところは「パプリカ」に近いものを感じました。展開の面白さと、現実世界も奇妙な所は「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」も似てます。ちょっとエロくてグロい要素は「ブリキの太鼓」的だし、冴えない主人公の応援したくなる恋には「フローズン・タイム」を思い出したし、笑えるおじさんたちには「スパニッシュ・アパートメント」のセドリック・クラピッシュ監督のセンスも感じました。
要するに私が大好きな要素がてんこもりってことです。大好きのど真ん中って言えるくらいの大ヒットだったので、早速アマゾンでDVD買いました。見かけたことも聞いたこともない映画だったけど、借りてみて良かったです。しかもこの映画、ブリュッセル映画祭とか、ゆうばり国際映画祭とか、いろんな映画祭で賞を沢山取っていたみたいです。やっぱ賞とかとってる映画はなんか違うなー、ただならぬパワーを感じます。

「もしこの映画みた人いたらコーヒーおごるので、じっくり感想を聞かせてください」
そんな感じです。

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アキュムレーター1

ハピネット・ピクチャーズ

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by pop-cult | 2008-08-13 12:07 | 外国の映画